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「iPhoneのバッテリー、86%で“絶対交換”?──僕が感じた違和感と、これからの話」

先日、あるお客様からiPhoneのバッテリー交換のご依頼をいただきました。
いつも通りヒアリングしていると、「実は別のお店で“86%でもバッテリーはもう使えません。絶対に交換してください”って言われたんです」と話してくれました。

そのお店というのが、某ショッピングモールの中にあるiPhone修理専門店。大手のチェーン展開をしている、いわゆる“駅ナカ”や“モール中”でよく見るタイプの修理店です。

バッテリーの最大容量が86%。
確かに交換目安とされる80%を少し上回っています。
この数値なら「そろそろ交換も検討していいかもね」とお伝えするのが普通かな、と僕は思っていたので、「絶対交換しないとダメです」って強く言われたという話に、ちょっと違和感を覚えました。

「絶対」って、誰のための言葉?

正直なところ、そのお店の言い分が100%間違っているとは言いません。
実際、バッテリーは劣化すると電源が急に落ちたり、寒さに弱くなったり、微妙な不具合が出やすくなるものです。
でも「絶対交換」って言い切ってしまうのは、ちょっと違うと思うんです。

なぜなら、修理って「納得」が一番大事だから。
今すぐ交換すべきなのか、もう少し様子を見ていいのか、あるいは本当に必要なのか。
そういう判断はお客様と一緒に進めるべきであって、「脅し文句」みたいな接客では、信頼関係は築けません。

僕自身も昔、車の修理で似たような経験がありました。
この部品が壊れてるから全部交換しないと危険です」って言われて、怖くなって全部お願いしたら、結局違う原因だったっていう…(泣)

チェーン店の“仕組み”と“情熱の欠如”

今のiPhone修理店の多くは、チェーン展開のフランチャイズです。
仕入れから修理マニュアル、価格帯まで、すべて本部で統一されています。
確かに、在庫管理や価格の安定、誰でも開業できる安心感はあるけど…
「iPhoneが好きでこの仕事を始めた!」っていう熱意が、残念ながら伝わってこない店が多いのも事実です。

たとえば、パネル交換一つ取っても、純正品と互換品の違いや、交換後に起こりうるトラブルをしっかり説明してくれるお店って少ないんですよね。
その結果、「タッチが効かない」「画面がすぐ割れる」「保証が効かない」など、トラブルが続出するわけです。

「保証」の正体と、選ぶ側の責任

「3ヶ月保証ついてますから安心ですよ」なんて言われることもあります。
でも、その保証って本当に機能しているのか?と聞かれると、首をかしげたくなるケースもあります。

そもそも、iPhoneって内部の構造がかなり繊細。
たとえば、液晶交換後にタッチ不良が出たとしても、それが本当に液晶のせいなのか、基板やその他の部品に影響が出ているのか、判断が難しいこともあるんです。

個人経営の修理店が持つ「重み」

じゃあ、どうすればいいの?って思うかもしれません。
僕が思うに、まずは修理店のホームページをちゃんと読んでみるのがいいと思います。
「どこまで説明してくれるか」
「どこまで責任を持ってくれるか」
そういうところに、そのお店の“人となり”が出ます。

もちろん、個人経営のお店が絶対に正しいとも限りません。
でも、そこに「顔が見える信頼」があるかどうかって、意外と大事だと思うんです。

これからのiPhone修理について

最近では、Apple自体が「サードパーティ修理は推奨しません」という姿勢を強めています。
純正部品の価格は高騰し、修理パーツの入手も難しくなりつつある。
正直、僕も「この業界、あと何年持つかな」と考えることがあります。

だからこそ、今後は“簡易的で低リスクな修理”だけを、安価で提供していく方向へとシフトしていく予定です。

AppleCare+に入るのも一つの選択肢です。
少し高く感じるかもしれませんが、万が一のときの公式サポートはやっぱり強いです。


最後に、もしあなたがiPhone修理を検討しているなら、
「どんな人が直してくれるのか」
「どんな考えでこの店をやってるのか」
そこを見て選んでいただけると、きっとトラブルも減るんじゃないかなと思います。

今回の話が、ほんの少しでも参考になればうれしいです。
そして、誰かの大切なiPhoneが、もう少し長く快適に使えることを願っています。