ご連絡・ご予約・アクセスはこちら

ノートPCとBTO、壊れやすいのはどっち?修理屋が胸の内を語ります

修理現場で見えてきた「7対3」の現実

正直にお話しします。私の店に持ち込まれるゲーミングPC、比率でいうと ノート7割、BTO3割 なんです。最初にこの数字を見たとき、私自身も驚きました。「こんなにノートが多いのか」と。

もちろん、BTOだって壊れます。でも修理依頼が圧倒的に多いのはノートパソコン。
これは私が修理現場で日々感じている“生の現実”です。

ノートの弱点はやっぱり「SSD」

ノートPCで一番多いトラブルは、SSD M.2の故障です。

「有名メーカーのSSDを使っているから安心でしょ?」と思う方もいるかもしれません。ところが、WDでもSamsungでも、壊れるときは壊れるんです。私が感じる原因は、ノートの設計そのものにあります。コンパクトな筐体に、ハイエンドなCPUやGPUを詰め込んでいる。なのに電源は省エネ寄りでギリギリの設計。

結果、熱がこもり、弱いところから悲鳴を上げる。それがSSDなんです。

お客様が「昨日まで普通に動いていたのに、急にSSDが認識されないんです」と不安そうに話す姿を、何度も見てきました。あの瞬間の落胆は、私も一緒に胸が痛くなります。

BTOの落とし穴は「電源ユニット」

一方で、BTOデスクトップはどうか。

こちらはSSDが飛ぶことは稀です。その代わりに多いのが 電源ユニット

これが厄介で、電源が壊れると「道連れ」にされる部品が多いんです。例えば、電源が落ちる → マザーボードに負荷 → 最後にグラフィックボードまで巻き添え。

本当にドミノ倒しのように壊れていく。修理していて「ああ、ここまで連鎖してしまったか」と手を止めてしまう瞬間があるんです。

「どのメーカーを信じればいいのか」

修理に来られるお客様からよく聞かれる質問があります。

パソコン工房とドスパラ、どっちの方が壊れやすいんですか?

あくまで私の印象ですが、パソコン工房の電源ユニットは壊れやすいと感じています。販売台数で考えればドスパラの方が圧倒的に多いはずなのに、修理に持ち込まれる率は逆。これは「電源ユニットの質」が影響しているとしか思えません。

もちろん、どちらも悪いショップではありません。ただ、カタログに「650W」とだけ書いてあっても安心はできません。「どのメーカー製の電源か」、ここをしっかり確認するのが大事なんです。

修理屋が勧めたい「電源メーカー」

壊れにくさで言えば、このあたりは信頼できます。

  • Seasonic(シーソニック)
  • Corsair(上位シリーズ)
  • Super Flower
  • 玄人志向(上位モデル)

どれも安定性が高く、安心して使えるメーカーです。
「電源はケチらない」――これは修理屋として心から伝えたいことです。

SSDを守るのは「バックアップ」しかない

ノートPCのSSD故障は避けにくい現実です。

だからこそ、私が何度もお客様にお伝えしているのが バックアップ

外付けHDDでもいい、クラウドでもいい。とにかく「二重化」すること。「そんなの面倒くさいよ」と思う気持ちも分かります。でも、目の前で大事な写真や仕事のデータが消えてしまった方の涙を見てきたからこそ、声を大にして言いたいんです。

バックアップは命綱です。

これから買う人へ、私からの提案

もしBTOで買うなら、最低限これを意識してください。

  • CPU:Core i5 / Ryzen 7クラス
  • メモリ:16GB以上(理想は32GB)
  • GPU:RTX 4060 Ti 〜 4070
  • SSD:WD Black / Samsung PROシリーズ
  • 電源:Seasonic製 650W以上(80PLUS Gold)
  • ケース:ファン2基以上でエアフロー重視

そしてノートを買うなら、この点を必ず見てください。

  • 放熱設計(排気・吸気口の大きさ、ファンの数)
  • ストレージ構成(デュアルSSD対応か)
  • 電源アダプタの余裕
  • 延長保証の有無

お店で店員さんに聞いてほしいこと

最後に、購入前にお店でぜひ質問してほしいリストを紹介します。

  • 電源ユニットのメーカーはどこですか?
  • SSDはどこのメーカー製ですか?
  • ケースファンは何基ついていますか?
  • 延長保証はどこまでカバーされますか?

の質問に自信を持って答えてくれるお店なら、安心して購入できます。逆に「ちょっと分かりません」と濁される場合は、その場で買うのを一度考え直した方がいいかもしれません。

結論:後悔しないPC選びを

ノートはSSD、BTOは電源。

それぞれの“弱点”を知っておくだけで、トラブルに巻き込まれる確率は大きく減らせます。

私は修理屋だからこそ「壊れたあと」の姿をたくさん見てきました。でも本当は――お客様には、壊れる前に気づいてほしいんです。

これから年末にかけて、新しいPCを買う方も多いと思います。この記事が、少しでもその判断材料になってくれたら嬉しいです。