冬の季節、寒冷地でパソコンが届いた直後にすぐに電源を入れないで下さいね、とお伝えしていりのでは大半のお客様は「はて?」という表情とされます。
じつはこれには理由がいくつかあり、特に重要なのは結露のリスクなのです。
1. 結露の発生
- 温度差: 寒い場所に保管されていたパソコンを暖かい部屋に持ち込むと、パソコン内部の部品と部屋の空気の間に温度差が生じます。この温度差が大きいほど、空気中の水蒸気が冷えた部品に付着し、結露が発生しやすくなります。
- 電子機器への悪影響: 結露は電子機器の大敵です。水分が電気回路に付着すると、ショートや腐食の原因となり、故障につながる可能性があります。特に、パソコン内部の基板や電子部品は非常にデリケートなため、わずかな水分でも重大な損傷を引き起こすことがあります。
2. 部品の温度と動作
- 低温下での部品の不具合: パソコンの部品はそれぞれ動作に適した温度範囲があります。極端に低い温度では、コンデンサなどの部品が正常に機能せず、パソコンの起動に失敗したり、動作が不安定になったりする可能性があります。
- 急激な温度変化の悪影響: 急激な温度変化は、部品の膨張・収縮を引き起こし、部品の接合部にストレスを与えたり、破損につながる可能性があります。
対処方法
寒冷地でパソコンを受け取った場合は、以下の手順で対処することをお勧めします。
- 梱包を解かずに室温に慣らす: パソコンを梱包から出さずに、暖かい部屋に数時間置いて、室温に慣らします。この時間を置くことで、パソコン内部の部品と部屋の空気の温度差を小さくし、結露の発生を防ぎます。
- 結露がないか確認: 梱包を解いたら、パソコン本体に結露がないか確認します。もし結露が見られた場合は、完全に乾くまで電源を入れないでください。
- 室温で起動: パソコン本体が室温(適正なのは20℃以上)に十分馴染んだことを確認してから、電源を入れます。
ポイント
- パソコンの最適な動作温度は一般的に10℃〜35℃程度と言われています。極端に寒い場所や暑い場所での使用は避けるようにしましょう。
- 冬場は空気が乾燥しやすく、静電気が発生しやすいです。静電気も電子機器の故障原因となるため、パソコンに触れる前に静電気を除去するように心がけましょう。
これらの点に注意することで、寒冷地でもパソコンを安全に使用することができます。