
「Appleが、GoogleのGeminiを採用するらしい」
この一報、最初に見たときの感想は、正直こうでした。“え、宿敵同士じゃなかったっけ?”って。
iPhoneを使ってる人なら、たぶん一度はSiriに話しかけてこう思ったことがあるはずです。「……今の、聞こえてた?」「いや、そうじゃない」「タイマーだけは強いね君」
僕も例外じゃなくて、Siriの出番はだいたいタイマー・アラーム・たまに天気。それ以外は、ちょっと頼むだけで話がこじれて、結果的に自分で検索したほうが早い。つまり“便利”より“手間”が勝ってしまう瞬間が、ずっとあったんですよね。
今回の話題は、そのSiriがいよいよ本気で変わるかもしれない、という内容です。そしてその鍵が、Appleの外ではなく「GoogleのGemini」というのが、なかなか刺激的。
ここからは、動画で語られていた内容をベースにしつつ、「なぜAppleはGeminiを採用したのか?」を、現実寄りに推測して記事としてまとめます。
結論から言うと、Appleは“AIを諦めた”のではなく“時間を買った”可能性が高い
動画内では、Appleが次世代Siriの基盤にGeminiを採用する、という話が展開されていました。ただ、このニュースを「Appleの敗北」と決めつけるのは、たぶん早い。
僕の見立てはこうです。
いわば、理想より現実。プライドより実装。そして何より、iPhoneの価値そのものが“AI体験”に引っ張られ始めたのが大きい。
ここから、その理由を分解していきます。

なぜAppleはGeminiを採用したのか
1) Apple Intelligenceの完成が「思ったより遅れている」可能性
動画では、Appleは自前のAI開発を進めていたものの、想定以上に時間がかかって遅れが出ていた、という流れで語られていました。これ、外から見ていると「Appleなら一瞬で作るでしょ」と思いがちなんですが、たぶん逆なんですよね。
Appleが本気でやろうとしているAIって、ただのチャットじゃない。iPhoneの中の情報(メール・メッセージ・予定など)を理解して、しかも個人情報を守ったまま動かす必要がある。
これをやるのって、“喋れるAI”より、たぶん何倍も難しい。だからこそ、完成に時間がかかっている。この前提に立つと、Gemini採用は急に“現実的”に見えてきます。

2) 「次世代Siri」を出せないまま次の世代に突入すると、iPhoneが危ない
動画の中でも触れられていましたが、Siriは長年“期待に応えられない”と言われ続けてきた存在です。しかも最近は、AIが進化しすぎてしまった。
Android側は、生成AIを前面に押し出して「できること」を増やしている。ここでSiriが変わらないままだと、比較されたときに目立つのは、カメラの差じゃなくて体験の差になってしまう。つまりAppleは、こういう状況に追い込まれていた可能性があります。
この局面で、後者を選ぶのは、かなり合理的です。

3) Geminiの採用で、Siriが“やっと本来のアシスタント”になれる
動画で語られていた改善点が、わかりやすいんですよね。
ここが本当に実現するなら、Siriはようやく「アラーム係」から卒業できます。
たとえば動画の例にあったように、「母のフライトいつ着く?」と聞いたら、メールから情報を拾って答えてくれる。これって、今までのSiriが一番苦手だった領域です。
“検索する”じゃなくて、自分の情報を読んで行動する。ここに到達しない限り、AIアシスタントは便利にならない。だからAppleは、まずこのラインまで一気に引き上げたかった。そのためのGemini採用、という見方はかなり自然です。

じゃあ「iPhone18に間に合わないからGemini」だったのか?
ここは推測になりますが、僕はかなり可能性があると思っています。なぜなら、Appleにとって一番まずいのは、
「次の世代のiPhoneを出したのに、AI体験が弱いまま」
この状態だから。iPhoneって、毎年“何が変わったの?”と言われがちじゃないですか。
そこにAIという、わかりやすく体験が変わる要素が出てきた。つまり今は、AIが“売り文句”じゃなくて、価値そのものになりつつある。
だからApple側としては、こう考えていても不思議じゃない。
これはもう、プライドの話じゃなくて、生存戦略です。…なんというか、僕が締切前に「すみません助けてください!」って頭を下げるのに近い。規模が違いすぎて怒られそうですが、心境としてはわりと同じかもしれません。

それでもAppleが「AIを諦めていない」と言える理由
動画では、Appleが巨大な自社モデルを開発している、そして今回の提携は“つなぎ”としての可能性がある、という話も出ていました。ここ、僕はすごくAppleらしいと思うんです。
これって「諦め」じゃなくて、むしろ二段構えです。ユーザー側からすると、難しい話は正直どうでもよくて、「便利になったかどうか」がすべて。
Appleはそこを最優先にした。だからGeminiを借りた。そう考えると、この流れは納得感があります。

Siriが変われば、iPhoneの“空気”が変わる
Siriが賢くなると、何が変わるのか。
たぶん、iPhoneの使い方そのものが変わります。アプリを探して、開いて、入力して…という動作が減って、「言えばやってくれる」が増える。
もしそれが本当に実現したら、Siriはやっと“相棒”になれる。そしてAppleは、そこでiPhoneの価値をもう一段押し上げたいのでしょう。今回のGemini採用は、AppleがAIを諦めた話ではなく、間に合わせるために最強を借りた話。僕は今のところ、そう見ています。
あとはもう、ユーザーとしては一つだけ。
「タイマー以外でも、頼らせてくれ」
それだけです。ほんとに。次のiOSで、Siriがどこまで化けるのか。“魔法に近い体験”が来るのか。期待半分、疑い半分で、ちょっと楽しみにしておきます。














