TP-Link の Tapo シリーズから、ソーラーパネルで給電し、SIM カードの 4G 回線で映像を送るセキュリティカメラ「Tapo C665G KIT」が出ます。電源も Wi-Fi も無い場所でも、携帯の電波さえ届けば監視カメラを置けるということです。
個人的には、かなり革命的な製品だと思っています。本体の値段よりも、今まで設置できなかった所にとうとう設置できる。そこに魅力があります。では、その SIM 代は月いくらかかり、どこまでの使い方なら足りるのか。実機はまだ使っていないので、メーカーの公表値と各社の料金表から整理しました。
先に結論:Tapo C665G KIT の予約特典価格は 27,160 円(税込、通常 38,800 円から 11,640 円引き)で、予約は 10 月 15 日(木)まで、発売は 10 月 29 日です。SIM は別売りで、メーカー想定の月約 1GB なら、動作確認一覧に載っている HIS モバイルのデータ専用プランで月 400〜580 円(1GB・3GB、税込)です。
料金は 2026 年 10 月 13 日時点の各社公式ページの金額です。初回だけ契約事務手数料 3,300 円がかかり、ライブ視聴が多ければ通信量は増えます。
ソーラーと SIM で動く 4G カメラ、Tapo C665G KIT の中身
Tapo C665G KIT とは、ソーラーパネルで給電しながら、Wi-Fi か 4G 回線で映像を送る、首振り式のセキュリティカメラのキットです。カメラ本体に Tapo A202 ソーラーパネル(最大 4.5W)、台座、延長ケーブルなどが付きます。バッテリーは内蔵で、取り外せません。予約特典は Tapo Store 限定の 30%OFF に、スマートリモコンの特典が付く内容です。
用語:4G セキュリティカメラとは、スマホと同じ携帯電話の回線(4G)で映像を送るカメラのことです。カメラに SIM カードを挿すので、その回線の契約料が毎月かかります。このカメラは Wi-Fi が切れると、自動で 4G に切り替わります。
主な仕様は次のとおりです(メーカー公表)。
- 映像:最大 4K(8MP)、15/20fps。夜間は赤外線 LED で最長 10m、カラー暗視あり
- 首振り:水平 360°・垂直 98°。デジタルズーム 18 倍
- 通信:nanoSIM スロット 1(SIM は別売り)。LTE-FDD B1/3/8/18/19/26、LTE-TDD B41
- 電源:1 日約 45 分の直射日光で 1 日分の電力。連続稼働は Wi-Fi モードで最長 180 日、4G モードで最長 28 日
- 保存・検知:microSD 最大 512GB(別売り)。クラウドの Tapo Care は有償(30 日の無料トライアルあり)。人物・ペット・車両・顔の AI 検知はサブスク不要。サイレン 93.3dB
- そのほか:防水防塵 IP65(カメラ・パネルとも)。映像はスマホの Tapo アプリでだけ見られ、PC では見られない。電源アダプターは付属しない。保証 1 年
これが出ると、完全な無人の場所でも監視ができるようになる、と私は見ています。電波が届く範囲なら、山奥にある物置や、工場地帯にも置けます。もちろん故障のリスクなどはさておいての話で、メーカー自身も、このカメラにできることの線を引いています。
メーカーは、本製品は不審者の侵入や盗難を防止するものではなく、被害について責任を負わないとしています。4G モードでの連続稼働は最長 28 日で、これはメーカーの試験条件での数字です。
出典:TP-Link 公式「Tapo C665G KIT」製品ページ
「無人で置ける」は、人がいなくても映像が手元に届くという意味です。盗難そのものを止める道具ではなく、異変に気づく、あとから映像を確かめる、そのためのカメラだと考えておくと、期待と実際がずれません。発表の内容は INTERNET Watch のニュース記事でも読めます。
格安 SIM は月いくら?動作確認一覧と料金を比べる
SIM は、どこの会社のものでも入れればよいわけではありません。Tapo の公式 FAQ に動作確認済みの事業者一覧(2026 年 8 月 27 日更新)があり、docomo、ahamo、au、UQ mobile、povo、SoftBank、Y!mobile、LINEMO、Rakuten(MNO)、IIJ、QTmobile、Misora Connect、Rakuten(MVNO)、HIS Mobile、Meeq、J:COM MOBILE の 16 事業者が載っています。
このうち料金を確かめられた所と、一覧に無いものの安い日本通信 SIM を並べると、次のとおりです。
| SIM(プラン) | 月額(税込) | 初期費用 | 動作確認・注意 |
|---|---|---|---|
| HIS モバイル データ定額 2.0 | 1GB 400 円/3GB 580 円 | 3,300 円 | 一覧に掲載。上限後は低速 |
| 楽天モバイル Rakuten 最強プラン | 3GB まで 1,078 円 | 確認できず | 一覧に掲載 |
| 日本通信 SIM 合理的シンプル290 | 1GB 290 円(以降 1GB ごとに +220 円) | 3,300 円 | 一覧に無し。音声通話付き |
| povo2.0 | 基本料 0 円から(トッピング購入) | 確認できず | 一覧に掲載。データ専用は eSIM のみ |
| IIJmio | 確認できず | 確認できず | 一覧に掲載 |
メーカー想定の月約 1GB に対して、1GB のプランでは余裕がありません。余裕を見て 3GB で考えると、料金を確かめられた中では HIS モバイルの月 580 円がいちばん安く、楽天モバイルは 1,078 円です。日本通信 SIM は 3GB 使うと 730 円で、一覧に載っていない点をどう見るかになります。
ここ、見落としがちです:povo2.0 のデータ専用プランは eSIM だけです。このカメラの SIM スロットは nanoSIM なので、データ専用の povo はそのままでは入れられない見込みです。音声付きの物理 SIM で使えるかは、今回は確かめられませんでした。
HIS モバイルのデータ定額 2.0 は、契約の縛りと解約金がありません。物理 SIM(nano)と eSIM を選べます。上限を超えると追加料金なしの低速になり、高速に戻すには 1GB 200 円のチャージです。料金ページには「動画再生や連続通信にトラフィック制御」とあり、監視カメラ・IoT・法人で使えるかどうかは書かれていません。
料金の出典は、HIS モバイル「データ定額 2.0」、楽天モバイル「Rakuten 最強プラン」、日本通信 SIM「合理的シンプル290」、povo2.0 のプランの各公式ページです。動作確認の一覧は Tapo 公式 FAQ の動作確認済み SIM 一覧にあります。
メモ:一覧に載っていない事業者でも、APN を手入力すれば使えるとメーカーは書いています(具体的な APN の値は記載なし)。日本通信 SIM・LinksMate・mineo などは、確認できた範囲では一覧に見当たりませんでした。「使えない」ではなく、「公式の動作確認一覧に載っていない」という意味です。
通信量と電池から考える、足りる使い方・足りない使い方
メーカーの想定では、1 日 100 秒のライブ視聴と月 250 件のイベントで、4K なら月約 1GB、720p なら月約 950MB です。イベント検知・クラウド保存・ファームウェアの更新で、さらに通信量は増えるとされています。
差が大きいのはライブ視聴です。1 時間あたり 4K で約 653MB(クラウド未使用)、720p で約 206MB を使うので、4K で見続ければ 3GB のプランでも数時間で使い切る計算になります。連続して見られるのは 1 回 5 分までなので、常に映しておくモニターの代わりにもなりません。

電池の面では、ソーラーパネルが 1 日約 45 分の直射日光を受ければ 1 日分の電力をまかなえる、とメーカーは書いています。連続稼働は 4G モードで最長 28 日と、Wi-Fi モードの最長 180 日よりずっと短くなります。
ここ、見落としがちです:メーカーは製品ページの注意書きで、ソーラーパネルに雪が積もらないよう注意としています。北海道のように冬の日照が短く雪の多い土地では、4G モードの 28 日という日数どおりにいかない可能性があります。冬の実際の持ちは、まだ確かめられていません。
もう 1 つは電波です。このカメラが対応する帯域には、国内大手 3 社が使う低い周波数帯(B8・B18/26・B19)が含まれます。山奥ほど低い周波数帯が頼りになりますが、実際につながるかどうかは、その場所で確かめるしかありません。
圏外になったときにカメラがどう動くかは、製品ページに記載がありません。電波の弱い場所ほど、置く前の確認が効いてきます。

5 台置いたときの費用と、法人で使う前に確かめること
台数をそろえて置く使い方も考えてみます。私は、データプランなら月 1,000 円以下で契約できるので、5 台設置しても月 5,000 円前後で済む可能性が高いと見ています。料金表に当てはめると、次のとおりです。
- 本体:27,160 円 × 5 台 = 135,800 円(予約特典価格。特典が台数分つくかは確認できていません)
- SIM の初期費用:3,300 円 × 5 枚 = 16,500 円
- SIM の月額:580 円 × 5 枚 = 月 2,900 円
microSD カードは別売りで、上の金額に入っていません。楽天モバイルの 3GB までで考えると、月額は 1,078 円 × 5 枚 = 月 5,390 円です。
月 5,000 円前後という見込みは、料金表に当てはめると、余裕を持たせた側の数字になります。台数がもっと多いなら、1 つの契約でデータを分け合うシェア型のプランが有利になるかもしれません。今回はそこまで確かめていないので、台数が決まった段階で各社に確かめる価値があります。
日本通信 SIM の合理的シンプル290 は、使える上限の値をマイページで設定でき、法人向けの料金ページもあります。データ専用の「ネットだけプラン」は 20GB で 1,200 円です(MNP 不可)。ただし、どちらも Tapo の動作確認一覧には載っていません。

電源と Wi-Fi が届く場所なら、4G にこだわらない選び方もあります。法人向けの屋外カメラの値段の話は、以前にも書きました。
法人で SIM を契約するときは、料金のほかに契約の条件も見ておく必要があります。
ここ、見落としがちです:契約名義、監視カメラ・IoT の用途で使ってよいか、請求書払いができるかを、契約前に各社の規約で確かめてください。今回の確認では、規約の本文までは読めていません。
ほかにも、公式ページだけでは分からなかったことがあります。導入を決める前に、次の点は販売元や各社に確かめておくと、買ったあとの手戻りを避けられます。
- 実機での 4G モードの運用(実際の通信量と稼働日数)
- 圏外になったときのカメラの動き
- 日本国内専用かどうか、SIM ロックの有無(製品ページに対応キャリアと APN の記載も無し)
- 監視カメラ・IoT の用途についての各社の規約本文
- IIJmio の料金と、povo2.0 の現行のトッピング料金
- 5 台分をシェア型のプランで契約できるか
よくある質問
Tapo C665G KIT の SIM 代は月いくらですか?
メーカー想定の月約 1GB なら、動作確認一覧に載っている HIS モバイルのデータ定額 2.0 で月 400 円(1GB)から 580 円(3GB)です。金額は 2026 年 10 月 13 日時点の税込で、初回だけ契約事務手数料 3,300 円がかかります。
Tapo C665G KIT はどの SIM でも使えますか?
メーカーが動作を確認しているのは、docomo・au・SoftBank・楽天モバイル・IIJ・HIS Mobile など 16 事業者です。一覧に無い事業者でも APN を手入力すれば使えるとされていますが、SIM スロットは nanoSIM だけなので、eSIM 専用のプランはそのままでは使えない見込みです。
ソーラー給電だけで冬の北海道でも動きますか?
冬の北海道で動き続けるかは、まだ確かめられていません。メーカーは 1 日約 45 分の直射日光で 1 日分をまかなえ、4G モードの連続稼働は最長 28 日としていますが、ソーラーパネルに雪が積もらないよう注意とも書いています。
4G の防犯カメラで盗難は防げますか?
防げるとはされていません。メーカーは、本製品は不審者の侵入や盗難を防止するものではなく、被害について責任を負わないとしています。異変に気づく、あとから映像を確かめるための道具として考えてください。
まとめ
Tapo C665G KIT の予約特典価格 27,160 円は 10 月 15 日(木)まで、発売は 10 月 29 日です。SIM 代は、メーカー想定の月約 1GB なら、動作確認一覧に載っている HIS モバイルで月 400〜580 円です。5 台置いても、SIM の月額は 3,000 円弱からです。
おすすめかどうかは、4G モードで実際に何日動くか、冬の雪と日照でどうなるかが分かるまで決めずにおきます。それでも、電波さえ届けば今まで置けなかった場所にカメラを置ける。本体の値段よりも、私はそこにこの製品の魅力があると思っています。









