
ロジクールGの新型マウス「PRO X3 SUPERSTRIKE」が、2026年10月15日に発売されます。価格は32,450円(税込)。同じ日に、磁気式スイッチのキーボード「PRO X2 RAPID」も35,750円(税込)で出ます。マウスとキーボードで合わせて約6万8千円。ゲーム好きの財布が、発表の日から静かに身構えています。
今回のマウスの目玉は、クリックが「どこまで押し込んだら反応するか」を自分で決められる仕組みです。私はこれを勝手に「指の癖問題」への回答だと呼んでいます。人によって、クリックを浅く撫でる人もいれば、底まで叩き込む人もいる。これまでは指のほうが道具に合わせてきましたが、今度は道具が指に合わせてくる、という話です。
先に結論:PRO X3 SUPERSTRIKEは、クリックの反応位置・戻り位置・手応えを段階的に調整できる59gのワイヤレスマウスで、2026年10月15日発売・32,450円(税込)です。FPSで撃ち合いの反応を詰めたい人には意味がありますが、普段使いや軽いゲームが中心なら、今のマウスに不満が無い限り急いで買い替える必要はありません。
最大8,000Hzのポーリングは、PC側の処理も増えます。古めのPCで使うなら、まず1,000Hzから試すのが安全です。
PRO X3 SUPERSTRIKEを含むロジクールG「PRO」新製品6機種の発売日と価格
ロジクールは9月24日、ゲーミングデバイスの「PRO」シリーズで新製品を6つ発表しました。マウスが3つ、キーボード、ヘッドセット、マウスパッドが1つずつ。発売は10月15日と12月17日の2回に分かれています。まずは一覧にします。価格はロジクールオンラインストアの税込価格です。
| 製品 | 種類 | 税込価格 | 発売日 |
|---|---|---|---|
| PRO X3 SUPERSTRIKE | マウス(59g) | 32,450円 | 10月15日 |
| PRO X2 RAPID | 有線キーボード | 35,750円 | 10月15日 |
| PRO X3 LIGHTSPEED | ヘッドセット | 40,480円 | 10月15日 |
| PRO X CONTROL | マウスパッド | 9,900円 | 10月15日 |
| PRO X SUPERLIGHT 2 DEX SE | マウス(60g) | 20,460円 | 12月17日 |
| PRO X SUPERLIGHT 2c SE | マウス(51g) | 20,460円 | 12月17日 |
並べてみると、主役は10月15日組の4つです。12月17日の2つのマウスは、既存の「PRO X SUPERLIGHT 2」系列に加わるSE版。つまり今回、「新しい仕組み」を持って出てくるのは、実質的にマウスのPRO X3 SUPERSTRIKEとキーボードのPRO X2 RAPIDの2つです。
PRO X3 SUPERSTRIKEは重さ59g、HERO 2センサー(最大48,000DPI)を積み、ワイヤレス(LIGHTSPEED)と有線のどちらでも最大8,000Hzのポーリングに対応する。バッテリーは最大約135時間。本体色はブラックとピンク。
出典:ロジクール プレスリリース「ロジクールG『PRO』シリーズより合計6製品のゲーミングデバイスを新発売」
ちなみに、いちばん軽いのはPRO X3 SUPERSTRIKEではなく、12月に出るPRO X SUPERLIGHT 2c SEの51gです。新しい上位機種が最軽量ではない。今回の上位機種は、軽さの競争から「クリックの中身」の競争に軸足を移したと読めます。
PRO X3 SUPERSTRIKEのHITSとは。クリックの深さまで変えられる仕組み
ふつうのマウスのクリックは、中にある小さなスイッチが「カチッ」と切り替わった瞬間に反応します。反応する位置はスイッチで決まっていて、使う人は変えられません。浅く触れるだけで押したい人も、しっかり押し込みたい人も、同じ位置で反応するマウスを使ってきました。
用語:HITSとは、ロジクールGが「ハプティック誘導トリガーシステム」と呼ぶ、PRO X3 SUPERSTRIKEのクリックの仕組みのことです。ロジクールの発表では、従来のマイクロスイッチを刷新し、クリックをどれだけ押し込んだかを連続的に検知します。この押し込み量をもとに、反応する位置などを設定で変えられます。
発表によると、HITSで調整できるのは次の3つです。数字は段階の数で、ミリ単位の範囲は発表資料には書かれていません。
- アクチュエーションポイント(どこまで押したら「クリック」と判定するか):10段階
- ラピッドトリガーのリセットポイント(どこまで戻したら「離した」と判定するか):5段階
- クリックフィードバック(押したときの手応え):6段階
2つ目のラピッドトリガーが、実は地味に効くところです。ふつうのスイッチは、ある位置まで指を戻さないと「離した」ことになりません。リセットポイントを浅くできれば、指を少し浮かせただけで次のクリックを受け付ける。単発の銃を連射するような場面で、指の往復が短くなります。
ここで一つ、浅く設定すれば誰でも強くなるわけではありません。反応位置を浅くするほど、「撃つつもりのなかった誤クリック」も増えます。速さと誤爆はセットで、HITSはその配分を自分で決められる、というのが正しい理解です。

PRO X2 RAPIDは磁気式スイッチとラピッドトリガーのキーボード
キーボードのPRO X2 RAPIDは、キーの下に磁気式のアナログスイッチを使っています。こちらもマウスと同じ発想で、キーを押し込んだ量を読み取り、反応する位置と戻る位置を変えられます。有線接続で、最大8,000Hzのポーリング(キーボードでは「レポートレート」と呼ばれることもあります)に対応します。
用語:ラピッドトリガーとは、キーやボタンを少し戻しただけで入力を「離した」と判定し、すぐ次の入力を受け付ける機能のことです。FPSで左右に細かく動く操作(キャラクターの左右の切り返し)で、入力の切り替えが速くなるとされています。
PC Watchの記事によると、キーストロークは4.0mm、押下圧は30g、日本語配列で、接続はUSB Type-C。本体色はブラック・ホワイト・ピンクの3色です。重さは1,075gで、机の上で動かない重さはあります。
本体の有機ELディスプレイから、アクチュエーションポイント、ラピッドトリガー、KEY PRIORITY、レポートレート、LIGHTSYNC、ゲームモード、音量を調整でき、設定ソフト(Logicool G HUB)を開かずに本体上で変更できる。スイッチはホットスワップに対応する。
出典:ロジクール プレスリリース「ロジクールG『PRO』シリーズより合計6製品のゲーミングデバイスを新発売」
個人的にいちばん「分かってるな」と思ったのは、この有機ELです。ゲームごとに反応位置を変えたい人にとって、毎回ソフトを開くのは地味に面倒。キーボードの上で済むなら、設定を変えるのが億劫で結局いじらなくなる問題が1つ減ります。……と感心しておいて、私はたぶん音量調整にしか使わない気がしています。

普通に遊ぶ人に3万円台の価値はあるか?
ここが本題です。どちらも性能は間違いなく上等です。ただ、道具の差が結果に出るのは、腕前と環境がそこそこ揃ってからです。操作に慣れていない段階では、マウスを替えるより練習時間のほうが効きます。
効果が出やすい人
- FPSで、撃ち合いの反応やクリックの感触に具体的な不満がある
- 今のマウスのクリックが重い・浅すぎるなど、指に合っていないと感じている
- リフレッシュレートの高いモニターと、余裕のあるゲーミングPCを使っている
体感しにくい人
- 事務作業やネット閲覧が中心で、ゲームはたまに遊ぶ程度
- RPGやシミュレーションなど、クリックの速さを競わないゲームが中心
- 今のマウス・キーボードに特に不満が無い
少しだけ深掘りすると、HITSとラピッドトリガーの本当の価値は「速くなる」ことより「自分の指の癖に合わせて、誤爆と速さの境目を自分で引ける」ことにあると私は考えています。つまり道具の性能競争が、機械の数字から人間の個人差の側へ入ってきた。これはゲーム機器だけでなく、そのうち普段のマウスにも降りてくる流れかもしれません。……と語り出すと止まらないので、このへんでブレーキをかけます。
値段で迷うなら、12月17日発売のSE版も候補に入ります。PRO X SUPERLIGHT 2c SEとPRO X SUPERLIGHT 2 DEX SEはどちらも20,460円(税込)で、HITSは積んでいませんが、51g・60gと軽く、標準で最大1,000Hzです。
ここ、見落としがちです:SE版の8,000Hzは、別売りの「PRO LIGHTSPEEDレシーバー」を足したときの数字です。箱から出してそのままでは最大1,000Hzなので、「8K対応」の文字だけを見て比べると、価格差を読み違えます。
もう一つ、発売直後の人気機種は、オークションやフリマで相場より安い出品が混じることがあります。正規品かどうか見分けにくく、保証の扱いも変わるので、3万円台の買い物ほど販売元のはっきりした所で買うのが無難です。
8,000Hzポーリングの前に確かめたいPC側のこと
ポーリングレートとは、マウスやキーボードがPCに「今こう動いた」「今押された」を伝える回数のことです。8,000Hzなら1秒に8,000回。1,000Hzの8倍の回数をPCが受け取って処理することになります。回数が増えれば、そのぶんPC側の仕事も増えます。
メモ:8,000Hzは「最大」の値で、設定で下げて使えます。性能に余裕の無いPCで最大にして、ゲームがかえってカクつくようなら、1,000Hzや2,000Hzに戻して比べてみてください。マウスが悪いのではなく、PC側が受け止めきれていないだけのことがあります。
買ってから「思ったほどじゃない」とならないように、届く前にこれだけ確かめておいてください。
- 使っているPCのCPUとメモリの量を確認する(Windowsなら 設定 → システム → バージョン情報)
- モニターのリフレッシュレートを確認する(60Hzのままなら、先にこちらを見直したほうが体感は大きい)
- 有線で使うPRO X2 RAPIDのために、空いているUSBポートがあるかを見る
- 設定ソフト「Logicool G HUB」を入れる予定のPCかどうか決めておく(会社や学校のPCは入れられないことがある)
- 届いたらまず標準設定で数日使い、ポーリングは1,000Hzから上げていく
3万円台のマウスを買う前に、実はPCの側がボトルネックになっている、というのはよくある構図です。マウスとキーボードは「最後の仕上げ」で、土台はPCとモニターです。

よくある質問
PRO X3 SUPERSTRIKEはいつ、いくらで買えますか?
ロジクールの発表では、発売は2026年10月15日(木)、ロジクールオンラインストア価格は32,450円(税込)です。キーボードのPRO X2 RAPIDも同じ10月15日発売で35,750円(税込)です。販売店での実売価格は店によって変わります。
8,000Hzポーリングは普通のPCでも使えますか?
使えますが、性能に余裕の無いPCでは設定を下げたほうが快適な場合があります。ポーリングレートはマウスやキーボードがPCに状態を伝える回数で、8,000Hzは1,000Hzの8倍の回数です。そのぶんPC側の処理も増えるので、まず1,000Hzで使い、段階的に上げて様子を見てください。
今のマウスからPRO X3 SUPERSTRIKEに買い替える必要はありますか?
今のマウスに不満が無ければ、急いで買い替える必要はありません。クリックの反応位置や手応えを細かく詰めたいFPSプレイヤーには意味がありますが、普段使いや軽いゲームでは違いを感じにくいことがあります。発売後に店頭などで実物を触ってから決めると失敗が少ないです。
まとめ
ロジクールGのPRO X3 SUPERSTRIKEは、HITSでクリックの反応位置(10段階)、ラピッドトリガーの戻り位置(5段階)、手応え(6段階)を変えられる59gのマウスで、2026年10月15日に32,450円(税込)で発売されます。同じ日に出るPRO X2 RAPIDは、磁気式スイッチとラピッドトリガー、有機ELを積んだ35,750円(税込)のキーボードです。
どちらも「指の癖問題」に道具の側から答えを出してきた製品で、FPSで反応を詰めたい人には価値があります。一方で、普段使いが中心なら急ぐ理由はなく、買うならPCとモニターの土台を確かめてから、ポーリングは1,000Hzから。指に道具を合わせる時代になっても、合わせる指を鍛えるのは自分です。ゲーミングPCの側が追いついているか分からないという方は、ご来店か出張で本体ごと見せてください。









