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外付けHDDケースで余ったドライブを飾る|AOTECH自作キット

外付けHDDケースで余ったドライブを飾る|AOTECH自作キット

外付けHDDケースに、「飾る」という選択肢が増えました。2026年9月26日、AOTECH(アイティプロテック)から、透明なパネルとLEDテープで中のドライブを見せる組み立て式のケースキット「AOK-35LEDCASEKIT-C10G」が発売されました。2.5インチと3.5インチの両方に対応し、発売時の店頭価格は3,980円です。

パソコンを買い替えたとき、SSDに換装したとき、外した古いドライブはどこへ行ったでしょうか。たぶん引き出しです。私はこれを「引き出しドライブ」と呼んでいます。捨てるのは怖い、使い道は無い、でも中身は気になる。この記事は、その引き出しドライブを外付けにして使い直すとき、どこでつまずくかの話です。

先に結論:余った内蔵ドライブは、外付けHDDケースに入れればUSBでつなぐ外付けドライブとして使い直せます。ただしAOK-35LEDCASEKIT-C10Gに入るのはSATA接続の2.5インチSSDと2.5/3.5インチHDDだけで、最近のノートに多いM.2のSSDは入りません。

入れる前に中身を確かめる、人に譲るなら消去する、年数のたったHDDを大事なデータの唯一の置き場にしない。この3つを守れば、飾りながら使うのは十分ありです。

外付けHDDケースの新顔「AOK-35LEDCASEKIT-C10G」は何が違う?

外付けHDDケース自体は珍しいものではありません。黒い箱に入れて、USBでつないで、机の裏に転がしておく。地味な脇役です。このキットは、その脇役を棚の上に出してしまおうという発想で作られています。アクリルのクリアパネルとアルミの支柱を自分で組み立て、ドライブが透けて見える状態で使います。付属のLEDテープで光らせることもできます。

まず仕様を表にまとめます。数字はメーカーの製品ページと、発売時の報道のものです。

項目内容
型番AOK-35LEDCASEKIT-C10G
発売日2026年9月26日
店頭価格3,980円(発売時)
対応ドライブSATA接続の2.5インチSSD、2.5/3.5インチHDD
接続USB 3.2 Gen2 Type-C(最大10Gbps)
転送速度実測最大 約560MB/s(UASP使用時)
電源ACアダプター(12V/2A)付属
大きさ・重さ約151×228×40mm・約470g
対応OSWindows 11/10、macOS 10.9以降
保証購入後12か月
AOK-35LEDCASEKIT-C10G の主な仕様(ドライブは別売り)

電源はACアダプターから取ります。3.5インチのHDDはUSBの電気だけでは動かないので、ここは必須の装備です。ケースの基板にはUSB Type-Aの差し口もあり、5V/2Aまで給電できます。ここに別のLEDをつないで光り方を足せる、という遊びの余地まで用意されています。

対応はシリアルATA接続の2.5インチSSDと2.5/3.5インチHDD。UASPに対応し、実測で約560MB/sとしている。約10分アクセスが無いとドライブの回転を止めるスリープ機能と、パソコンの電源に合わせてドライブを入切する電源連動機能を持つ。縦置き・平置き・重ね置きができる。

出典:アイティプロテック「AOK-35LEDCASEKIT-C10G」製品ページ

一つだけ現実的な話をしておくと、約560MB/sが出るのはSATAのSSDを入れたときです。HDDは回転する円盤から読むぶん、ケースより先にドライブ側が上限になります。10Gbpsの接続は、HDDにとっては高速道路を原付で走るようなものです。光らせるのは速さのためではなく気分のため、と割り切ると、この買い物はぐっと気持ちよくなります。

用語:UASPとは、USBでつないだストレージとのやり取りを効率よく行うための通信方式のことです。パソコンとケースの両方が対応していると速度が出やすくなり、このキットのメーカーは、従来の方式の約420MB/sに対して約560MB/sとしています。

ACアダプターでつなぐ機器なので、配線の扱いは普通の外付けHDDと同じ注意が要ります。外付けHDDの電源のショートについては、以前の記事でも書いています。

外付けHDD

外付けHDDケースに入るドライブ、入らないドライブの見分け方

引き出しドライブを取り出したら、まず形を見てください。このキットに限らず、3.5インチ対応の外付けHDDケースはSATA接続のドライブ向けです。ここを見落とすと、ケースを組み立て終わってから「刺さらない」で終わります。3,980円の透明な箱だけが棚に残る光景は、なかなかに切ないものです。

ドライブ見た目の目安このキット
3.5インチHDD幅約10cmの厚い箱。デスクトップに多い入る
2.5インチHDD手のひらほどの薄い箱。古いノートに多い入る
2.5インチSSD2.5インチHDDと同じ形で、軽い入る
M.2 SSDガムのような細長い板入らない
AOK-35LEDCASEKIT-C10G に入るかどうかの目安

ざっくり言えば、箱の形をしたドライブは入る、板の形をしたドライブは入らないです。

ここ、見落としがちです:ここ数年のノートパソコンや、SSDに載せ替えたデスクトップから外したドライブは、M.2という細長い板の形であることが多く、このキットには入りません。M.2のSSDを外付けにしたいならM.2専用の外付けケースを選び、さらにNVMeとSATAのどちらに対応するケースかを確かめてください。

形が合ったら、次は中身です。取り外したドライブには、前のパソコンのWindowsごとデータが入っています。ケースに入れてつなぐと、エクスプローラーにドライブが現れ、昔の写真や書類がそのまま見えるはずです。

見えない場合に考えられるのは、ドライブが暗号化されているか、ドライブそのものが弱っているかです。前者は鍵さえあれば開きます。後者は、つなぎ直すほど状況が悪くなることがあります。

ここ、見落としがちです:Windowsの「デバイスの暗号化」やBitLockerが有効だったパソコンのドライブは、外付けにしてつなぐと回復キーを求められ、キーが無いと中身を読めません。前のパソコンでどのMicrosoftアカウントを使っていたかを先に確かめ、そのアカウントに回復キーが保存されていないか見ておいてください。

もう一つ、耳で分かるサインがあります。つないだときの音です。

店長
店長
カチカチ、カコンと音がする、認識したり消えたりする。そういうドライブは外付けにせず、そこで通電をやめてください。つなぎ直すたびに読める部分が減っていくことがあります。

ケースに入れる前にやること。データの確認と消去の手順

自分で使い続けるだけなら、消去は要りません。人に譲る、売る、処分するつもりなら、消去まで進みます。どちらの場合も、最初にやることは同じです。

注意:フォーマットは、ドライブの中身を最後まで確かめてから行ってください。前のパソコンの写真や書類の「最後の1部」がそのドライブにしか無いことがあり、クイックではないフォーマットでドライブ全体を書き換えたあとは、取り戻せないと考えてください。

流れは次のとおりです。手順5は、手放す場合だけ行います。

  1. ケースにドライブを入れて組み立て、ACアダプターをつないでから、USBケーブルでパソコンにつなぐ。
  2. エクスプローラーでドライブを開き、残したい写真や書類を、今のパソコンか別のバックアップ先にコピーする。
  3. コピーしたファイルのうち何個かを今のパソコン側で開き、壊れずに開けることを確かめる。
  4. 自分で使い続けるなら、要らないファイルを削除して使い始める。ここで終わり。
  5. 手放すなら、スタートボタンを右クリックして「ディスクの管理」を開き、そのドライブのいちばん大きな領域を右クリックして「フォーマット」を選ぶ。「クイック フォーマットする」のチェックを外して実行する。

手順5でチェックを外すのには理由があります。クイックのままだと、ファイルの目録を作り直すだけで、中身そのものは書き換わりません。「フォーマットしても復元できる」と言われるのは、主にこちらです。

Windows Vista以降は、既定ではフル フォーマットを実行すると、format コマンドがディスク全体にゼロを書き込む。Windows XP以前ではフル フォーマットでもゼロは書き込まれない。エクスプローラーやディスクの管理では、チェックボックスでクイック フォーマットを選べる。

出典:Microsoft Learn「Windows Vista 以降のバージョンでの format コマンドの動作の変更」

容量の大きいHDDだと、フル フォーマットには長い時間がかかります。寝る前に始めて、朝に終わっていれば上出来、くらいの気持ちで待ってください。

メモ:SSDは中でデータを書く場所を入れ替えながら使う仕組みのため、ゼロを書き込むフォーマットで全領域が確実に消えるとは言い切れません。SSDを手放すときは、そのSSDのメーカーが出している管理ソフトの消去機能を使うのが基本です。

前のパソコンの起動ドライブだった場合、手順5のあとも回復用などの小さな領域が残ります。個人のファイルが入る場所ではありませんが、ドライブを1つの領域にまとめ直したいときは別の操作が要ります。

店長
店長
やめたほうがいいのは、中身を見ずに勢いでフォーマットすることです。消したあとで「あの写真、あっちにしか無かった」と気づくのがいちばん取り返しがつきません。消すのは最後、コピーの確認が先です。

飾る外付けドライブは何に使う? 古いHDDとの付き合い方

組み上がったら、いよいよ使い道です。ここで一つ線を引いておきます。引き出しドライブは、中古のドライブです。何年も回ってきたHDDは、いつ止まってもおかしくない側に近づいています。大事なデータを「そこにしか無い」状態で置かない。これさえ守れば、使い道はいろいろあります。

引き出しドライブに向いている使い方

  • 今のパソコンのバックアップの「2つ目のコピー」
  • 写真や動画の一時置き場(元のデータは別にある前提)
  • ゲームやソフトの置き場(消えても入れ直せるもの)
  • 前のパソコンのデータを、移し終えるまで取っておく場所

反対に、家族の写真の唯一の保管先や、仕事のデータの置き場にするなら、新しいドライブを買ってケースに入れるほうが安心です。古いHDDの状態は、CrystalDiskInfoのような健康状態を表示するソフトで確かめられます。「注意」や「異常」と出たドライブは、飾るだけにしてデータは置かないでください。

ここで少しだけ考えたことがあります。外付けのバックアップが続かない理由は、面倒だからというより、忘れるからではないでしょうか。黒い箱は机の裏に入った瞬間に存在ごと消えます。光る透明なケースは、毎日視界に入ってきて「そういえば最後にコピーしたのいつだっけ」と思い出させてくれる。見えるバックアップは、忘れにくいバックアップなのかもしれません。

……と、インテリアの話からバックアップの哲学まで広げたところでブレーキをかけます。約10分使わないと回転を止めるスリープ機能と、パソコンの電源に合わせて入切する電源連動機能があるので、つなぎっぱなしで回り続けることはありません。棚の上に置いておく使い方と相性のいい作りです。

WIndows7のパソコンのHDDをSSDに

重ね置き用のパッドも付いているので、引き出しドライブが2台、3台と出てきた家は、光る塔を建てることもできます。建てる前に、それぞれの中身を確かめてからにしてください。

店長
店長
光るケースに入れると、なんとなく大事なものに見えてきます。でも中身は年季の入ったドライブです。見た目は主役、扱いは控えくらいがちょうどいいと思っています。

よくある質問

古い内蔵HDDを外付けHDDケースに入れて使っても大丈夫ですか?

ドライブが正常に動いていれば使えます。ただし何年も使ったHDDは故障に近づいているため、大事なデータの唯一の保管先にはせず、バックアップの2つ目のコピーや、消えても困らないデータの置き場にするのが無難です。変な音がする、認識したり消えたりするドライブは使わないでください。

外付けにする前に、中のデータは消したほうがいいですか?

自分で使い続けるなら消す必要はありません。人に譲る・売る・処分する場合は、残したいデータをコピーしたうえで、HDDならクイック フォーマットのチェックを外してフォーマットし、SSDならメーカーの管理ソフトの消去機能を使ってください。クイック フォーマットだけでは復元できる場合があります。

M.2のSSDもAOK-35LEDCASEKIT-C10Gに入れられますか?

入れられません。このキットが対応するのはSATA接続の2.5インチSSDと2.5/3.5インチHDDで、M.2のSSDを外付けにするにはM.2専用の外付けケースが必要です。M.2専用のケースでも、NVMeとSATAのどちらに対応するかを購入前に確かめてください。

まとめ

2026年9月26日発売のAOTECH「AOK-35LEDCASEKIT-C10G」は、SATA接続の2.5インチSSDと2.5/3.5インチHDDを、透明なケースとLEDで見せながらUSB 3.2 Gen2でつなぐ外付けHDDケースのキットです。M.2のSSDは入らないこと、手放すドライブはクイックではないフォーマットで消すこと、古いHDDにはデータの唯一の置き場を任せないこと。押さえるのはこの3点です。

引き出しドライブは、捨てるにも使うにも、まず中身を確かめるところから始まります。つないでも中身が見えない、音がおかしいという場合は、つなぎ直しを繰り返す前に、ご来店か出張で相談してください。

この記事を書いた人

ホンダ ヒデユキ

ホンダ ヒデユキ

北海道苫小牧市でパソコン修理店「ピシコ」を運営しています。 パソコン修理・データ復旧・自作PCサポートなど、現場での対応を続けながら、毎日テックブログを更新しています。 近年は、企業向けのAI導入や業務自動化の支援にも力を入れており、予約・見積・請求など、日々の業務を効率化する仕組みを実際に構築・運用しています。 「難しいことを、できるだけわかりやすく」を大切に、修理の現場やAI活用で得た知識を発信しています。