
暗い写真を明るくする方法を探して、この記事にたどり着いた方。まず聞いてください。私のスマホには「なかったことフォルダ」があります。夜景も、居酒屋の集合写真も、撮った瞬間は最高だったのに、開いてみたら真っ暗。見なかったことにして、二度と開かないあのフォルダです。
今回、AI画像編集ソフト「HitPaw FotorPea」の最新版V5.6.0に、暗い写真をAIで明るくする「低光強化」という機能が追加されたと聞きました。この手の機能、話半分で聞くタイプの人間なので、実際に真っ暗な写真を食わせて確かめることにしました。結論だけ知りたい方のために、先に答えを置いておきます。
HitPaw FotorPeaは、写真の高画質化・修復・背景削除・AI画像生成までを1本でこなすAI画像編集ソフトです。Windows 11/10/8/7(64bit)とmacOS 10.15以降に対応しています。当店でも以前、全体機能を通しでレビューしていて、古い写真の復元あたりで感心した記憶があります。
今回のテーマはその最新版、V5.6.0です。目玉は暗い写真の補正。つまり、私の「なかったことフォルダ」の存在意義が問われるアップデートということになります。
店長より
検証の前に、V5.6.0で何が変わったのかを整理します。ここは読者の皆さんが得する情報なので、ふざけずに書きます……と言いかけて仕様書に怒られるので、粛々と並べます。追加・強化されたのは次の6つです。
暗い写真や夜景写真をAIで明るくし、ノイズを抑えながら細部まで自然に補正するモデルです。詳しくは次のセクションで実際に試します。
メガネやガラス、窓などに写り込んだ反射をAIで除去し、隠れていた部分を自然に補正する機能です。メガネの人の集合写真、だいたい誰かのレンズが光っているので、これは実用性が高い。エンハンサーの「自動強化」タブから選べます。
左が補正前、右が補正後。レンズの映り込みが消えて目元がはっきり見えます
複数人が写った古い写真の修復精度が向上し、最大4Kでの高画質出力に対応しました。出力解像度は書き出し前に選択できます。
出力解像度の項目で4x(この例では2080×2312)まで指定できます
写真のメインとなる被写体を維持しながら、AIが構図やレイアウトを自動調整してくれる機能です。生成した画像はリミックスでバリエーションを増やすこともできます。
生成結果の画面。右側のリミックスから構図違いを再生成できます
写真のぼやけ・低画質・ノイズ・劣化などをAIが自動で分析し、その画像に適した補正方法を提案してくれます。チャット形式で画像を渡すと「このモデルで直すのがおすすめです」と返してくる、いわば受付カウンターのAI版です。どの機能を使えばいいか分からない人ほど恩恵が大きいと思います。
画像を渡すと分析結果と最適なモデルを提案してくれます
画像にデザイン性のあるテキストを追加できる文字スタイルが増えました。エディタのテキスト機能からテンプレートを選ぶだけで、縁取りやネオン風の装飾文字が入れられます。サムネイル作りに地味に効くやつです。
テキストのテンプレート一覧。クリックひとつで装飾文字が入ります
さて本題です。用意したのは、夜のレストランで撮ったこの写真。雰囲気はあるものの、人の顔も料理もほぼ闇に沈んでいます。典型的な「なかったことフォルダ」行きの一枚です。
補正前。キャンドルの灯り以外、ほぼ何も見えません
操作手順は次のとおりです。実機で確認しながら書いているので、画面表記どおりに進めば迷わないはずです。
カスタムタブで顔復元とAIアップスケールを設定した状態
AIカラー内の低光強化をオンにした状態。左右で明るさの差が一目瞭然です
補正後。人の表情も店内の装飾も見えるようになりました
半信半疑で試した側としては、ここで文句のひとつも言う予定だったのですが、暗部の持ち上がり方が想像より自然でした。単純な明度アップだと白っぽく浮いてノイズがザラザラ増えるのがお決まりのパターンなのに、キャンドルの灯りの雰囲気は残したまま、人の表情だけがちゃんと見えるようになっています。拡大して粗探しもしました。
拡大比較。粗探しのつもりが感心して終わりました
拡大すると、暗部から復元された壁の額縁や照明の輪郭が確認できます。ノイズ処理と明るさ補正を別々のツールで往復していた身からすると、これが1回の処理で済むのは工程として革命的で、そもそもデノイズと露出補正というのは本来トレードオフの関係にあって……と、気づいたら画素の話を延々と始めていました。修理屋の悪い癖です。要するに、ワンクリックの割にやり過ぎない、ちょうどいい補正でした。
店長より
HitPaw FotorPea V5.6.0の低光強化は、暗い写真を明るくする作業を「画像を読み込んでスイッチを入れるだけ」に短縮してくれる機能でした。反射除去や4K出力、AI画像検出まで含めて、写真の困りごとの受け皿がかなり広がった印象です。
検証を終えて、私の「なかったことフォルダ」から数枚が通常のアルバムに帰還しました。暗いという理由だけで封印していた写真に心当たりのある方は、フォルダごと処分できるチャンスです。伝えたいことは書きました。










