コスパ、タイパ。
世の中には時短による効率化や価格に見合う商品が好まれる傾向になりますが、パソコンでも【コスパ】が重要な要素であり、パソコンを修理を行う私にとってもこれらを重視します。
ただし、修理業に関しては【勿体ないの精神】を重んじてご提案を行う事がありますが、経年劣化には抗えない事もあります。
そんな中で、とある制作依頼でのお話をさせて頂きますと、この考えが吹き飛んだのです。
「以前のPCの一部が組み込まれることで新PCにも愛着を持ちたい」
これはお客様とのLINEでの進捗状況でのやり取りでの一文で、これはお客様からのお願いでした。そこで私の返信は『組み込みは可能ですが長年愛用されていた〇〇〇となる事から経年劣化からショートをしてしまう恐れもありますので「推奨は出来ません」とお伝えさせて下さい』とお返しをしたのです。
その夜、考えさえられたのです、果たしてこれで良いのか?と実はこの部品はグラフィックボードであり、少なくともSSDの稼働時間が13,456時間となっていた事で経年劣化によるリスクを懸念したのでが、この「リスク」はお客様にとっては違う意味である事を感じ取りました。
後日、LINEでの返信にてお客様に訂正し、清掃とグリスアップを行う事でこのグラフィックボードを活かすようにさせて頂く旨をお伝えすると、大変お喜びになられました。
お客様からのLINEにて「物理的に思い入れのあるものが残っているということが私にとって意味のあることでした。古い非合理的な考え方とは思いますが、理屈だけでは得られない満足を感じております」とのご連絡を頂いた時に、改めて正解はないのだと感じさせられましたね。
部品を活かす、これはすべてのお客様が望まれている事ではないと理解しております。ですが、それを汲み取る事も私の役目であると実感させられた案件でした。
今回は本当に勉強させられましたね、胸を突かれるとはこの事でした。