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SSD 4TB 価格はなぜ高い?今買うべきか待つべきか

SSD 4TB 価格はなぜ高い?今買うべきか待つべきか

SSD 4TBの価格を調べて、そっとタブを閉じた方。こんにちは、仲間です。去年の私は「まだ2TBで足りてるしな」と言って買うのを見送りました。その判断は今、しっかり請求書になって返ってきています。私はこれを見送り税と呼んでいます。

この記事では、いくら払うことになったのかという現在の相場と、なぜこうなったのかという理由、そして今から買う人が損をしにくい判断のしかたを順番に書きます。数字はすべて出典付きです。感情の部分だけ、少し多めに入っています。

先に結論
4TB SSDの国内最安値は2026年8月7日時点で78,980円。短期間で大きく下がる材料は見当たらないため、今すぐ容量が必要なら待たずに買うのが現実的です。
逆に「安くなったら買おう」と待てる状況なら、買わずに容量をやりくりする道のほうが結果的に安く済む場面が増えています。判断の分かれ目は記事の後半にまとめました。
SSD 4TBの価格は、いま78,980円です

まず現在地を確認します。日々の最安値を追いかけているデータベースの数字がこちらです。感想は後にします。

一次情報
NVMe SSDの容量別最安値(2026年8月7日更新時点)は、1TBが19,980円、2TBが39,670円、4TBが78,980円、8TBが211,134円。1TBから4TBまでは週間の変動が0.0%で、値動きは止まっています。

比較対象を置きます。2025年2月には、AKIBA PC Hotline!が「4TB SSDが一時3万円割れ」という見出しで特価を報じていました。あれから約1年半で、同じ4TBが78,980円。ざっと2.6倍です。

パソコンのパーツは黙っていれば安くなるもの、というのが長らく業界の常識でした。私もその常識で生きてきました。去年見送った差額はおよそ5万円。これが見送り税の税額です。納付先はどこにもなく、ただ払い損ねた分だけ将来の自分が高く買うという、なかなか良くできた制度になっています。

ピシコ店長 店長より
店頭でも「Cドライブが赤い」というご相談が増えました。以前なら「大きいのに換えましょう」で終わった話が、今は見積もりを出すたびに空気が変わります。
なぜ半年で5倍になった? SSD値上がりの理由

SSDの値段は、中に入っている記憶用チップの値段でほぼ決まります。そのチップの相場が、とんでもない動き方をしました。

用語:NANDフラッシュとは
NANDフラッシュとは、電源を切ってもデータが消えない半導体メモリのことで、SSD・USBメモリ・SDカード・スマートフォンの内蔵ストレージの中身にあたる部品です。SSDの製造原価の大半をこのNANDが占めるため、NANDの相場が上がるとSSDの店頭価格も遅れて上がります。パソコンのメモリ(DRAM)とは別の部品ですが、同じ工場・同じ設備投資の枠を奪い合う関係にあります。

半導体市場を追っているExa Technologiesの分析によると、TLCと呼ばれる種類のNANDは2024年を通じて1個あたり5〜8ドル台、2025年前半は5ドル台の底値圏に沈んでいました。それが2025年10〜11月を境に急騰し、2026年3月には約30ドルに到達しています。わずか5カ月で約5倍です。

理由は大きく三つに整理されています。ひとつ目は、AIのデータセンター向け需要が爆発したこと。同分析では、企業向けSSDの契約価格が2025年だけで50%以上上がったとされています。ふたつ目は、メーカー側がシェア争いをやめて利益率を優先し、生産量を絞ったこと。三つ目は、大口の顧客が数年単位の長期契約で押さえてしまい、市場に出回る自由な在庫が減ったことです。

つまり私たち個人が買うSSDは、値上がりの主役ではありません。AIサーバーの取り合いに巻き込まれた、隣の席の人です。

「大容量ほどおトク」が消えた

ここからが、今回いちばんお伝えしたい話です。冒頭の最安値を1TBあたりの単価に割り直すと、この相場の本当の異常さが出てきます。

4TBの1TB単価
19,745
8TBの1TB単価
26,392
4TBの1年半前比
約2.6
※2026年8月7日時点の国内最安値(GAZLOG調べ)から筆者が算出。価格は日々変動します

1TBが19,980円、2TBが19,835円、4TBが19,745円。1TBあたりの単価が、容量を増やしてもほぼ横一線になっています。かつては容量が倍になるほど単価が下がるのが当たり前で、だからみんな少し背伸びして大きいものを買っていました。その割引が、事実上なくなりました。

さらにおかしいのが8TBです。1TBあたり26,392円と、小さい容量より3割以上も割高になっています。大容量ほど得だった常識が、上下ひっくり返っています。

なぜ大容量ほど割高になるのか

大容量モデルは、1枚の基板にNANDを詰め込む数が多いぶん、チップ相場の上昇をそのまま何倍にも受けます。加えて、AIサーバーが欲しがるのはまさに大容量帯です。個人向けの8TBは、企業向けの高値と同じ土俵で在庫を取り合う位置にいます。だから小容量より先に、そして深く値上がりする。ここまで書いていて自分でも良い分析だなと思いましたが、分析が冴えたところで78,980円が安くなるわけではないので、話を戻します。

ピシコ店長 店長より
実務的には「8TBを1枚」より「4TBを1枚+外付けHDD」のほうが安く収まる場面が増えています。1枚で済ませる美学は、いったん保留です。
この先も上がり続けるのか?

現状は「急騰の真っ最中」ではありません。前出のExa Technologiesの分析では、2026年5月時点で上昇の勢いは鈍り、高値のまま横ばいという局面に入っています。冒頭の最安値も、直近1週間は動いていませんでした。上がりきって、そこで固まっている状態です。

では下がるのか。ここは断定できません。同分析では、意味のある生産能力の拡大は早くても2027〜2028年で、2026年いっぱいは供給不足が続く見込みとされています。一方で2027年後半には供給が改善するという予測もあり、専門メディアの間でも時期の見方は割れています。確かなのは「今年中に半額になる材料はない」というところまでです。

そして、需要側がまだ止まっていないことを示すニュースが今月出ています。

一次情報
SK hynixとSandiskは2026年8月4日、次世代ストレージ技術「HBF(High Bandwidth Flash)」の初となる標準規格を発表しました。帯域幅は約0.4〜3TB/sの3グレード、容量は最大512GB(NANDダイを8枚または16枚積層)で、接続にはUCIeを採用します。AI処理で扱うデータ量の急増に対応するため、NANDを使って高速性と大容量を両立させる規格です。なお、これは個人向けSSDの製品ではなく、AI向けの新しい用途がさらに増えるという需要側のシグナルとして読むのが適切です。

AI業界がNANDに新しい使い道を追加している最中に、個人向けの在庫がだぶついて値崩れする。その絵は、今のところ描きにくいです。

今買うべきか、待つべきか

用途で切り分けます。ご自分がどちらに当てはまるかで読み進めてください。

今すぐ買った方がいい人
空き容量が残り1割を切っていて動作に支障が出ている方、仕事で動画や写真を扱っていて容量不足が納期に直結する方、起動ドライブが故障寸前で換装が必要な方。値下がりを待つ間の不便やリスクのほうが、差額より高くつきます。容量が足りないパソコンは動作も遅くなり、更新の失敗も起きやすくなります。
今は見送っていい人
「そろそろ大きいのが欲しい」という程度の方、余裕を持たせたいだけの方、ゲームの入れっぱなしで埋まっている方。今の相場で4TBに投資するより、使っていないデータの整理や外付けへの退避で足りることがほとんどです。次のセクションに具体策を書きました。
相場より極端に安い製品にご注意ください
価格が高い局面ほど、相場から大きく外れた激安品が目につくようになります。容量を偽装した製品や、正規の検査を通っていない部材を使った製品が紛れ込みやすくなるためです。買ってすぐは正常に見えても、容量の後半に書き込んだ瞬間にデータが壊れるタイプの不良は、素人目には見抜けません。販売元と保証期間が明記されているかを必ず確認してください。大切なデータを預ける部品で冒険する意味は、ほとんどありません。
ピシコ店長 店長より
高い買い物になるからこそ、換装のときはデータのバックアップを先に取ってください。移行に失敗したときの損失も、去年より確実に大きくなっています。
買わずに済ませる、という三つ目の道

見送り税の話をさんざんしておいて何ですが、税を払わずに済ませる道もあります。買うか待つかの二択に、もうひとつ足してください。そもそも4TBが必要かどうかを疑う、という道です。

店頭で容量不足のご相談を受けたとき、私が最初に見るのは何がディスクを埋めているかです。実際に確認してみると、遊んでいない大容量ゲーム、二重に取り込まれた写真フォルダ、クラウドとの同期設定で全ファイルをパソコン側に置いたままになっているデータ。この三つで数百GBが動くことは珍しくありません。ここを整理するだけで、買い替えが数年先に延びる方もいます。

それでも足りない場合は、役割を分けるのが今の相場に合っています。起動ドライブと現役のデータはSSDに置き、見返すだけの写真・動画・過去の案件は外付けHDDへ。SSDの1TBあたり約2万円に対し、HDDはまだ桁がひとつ違います。速さが要らないデータに、いま最も高い部品をあてがう必要はありません。

見送り税というのは、要するに「必要になる前に決めなかったこと」への課税です。相場が下がるかどうかは私たちには決められませんが、自分のパソコンに何が入っているかを把握しておくことは、今日できます。

SSD 4TBの価格についてよくあるご質問
Q
4TB SSDは今買うべきですか、それとも安くなるまで待つべきですか?
A
今すぐ4TBの容量が必要なら、待たずに買うことをおすすめします。NANDの供給不足は2026年いっぱい続くとの見方が強く、生産能力の本格的な拡大は早くても2027年から2028年と予測されているためです。短期間で大きく値下がりする材料は、現時点では見当たりません。急いでいない場合は、購入せずにデータの整理や外付けHDDへの退避で対応する方法もあります。
Q
なぜSSDとメモリが同時に値上がりしているのですか?
A
どちらもAIサーバー向け需要の急増という同じ要因を受けているためです。SSDに使われるNANDフラッシュと、メモリに使われるDRAMは別の部品ですが、クラウド事業者がAI用に両方を大量調達しており、メーカー側も利益率の高いAI・データセンター向けを優先しています。その結果、個人向けに回る供給が減り、価格が押し上げられています。
Q
相場よりかなり安いSSDは買っても大丈夫ですか?
A
価格高騰の局面では、相場から極端に外れた製品には注意が必要です。容量を偽装した製品や、正規の検査を通っていない製品が市場に紛れやすくなるためです。販売元が信頼できるか、保証期間が明記されているかを確認してから購入してください。
ピシコ店長の顔写真
この記事を書いた人
ピシコ店長
北海道苫小牧市のパソコン・スマホ修理店「ピシコ」店長。PC・スマホ修理歴16年。店頭での実際の修理事例をもとに、地域の方に役立つ情報を発信しています。プロフィール詳細
見送り税は、払う前に気づけば止められます。
4TBを買う前に、今のパソコンの容量が本当に足りていないのかを一緒に見てみませんか。整理で足りるのか換装が必要なのかの切り分けから、データのバックアップと移行作業まで、苫小牧市のピシコで承ります。
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