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Chromeを更新しましたか?悪用済みゼロデイと153の確認手順

Chromeを更新しましたか?悪用済みゼロデイと153の確認手順

「Chromeを更新してください」。右上に出るあの小さなボタンを、私は「見なかったことにするボタン」と呼んでいます。押せば数十秒で終わるのに、押さない。私も押さない。

ただ、今回は少し事情が違います。2026年9月8日に配信されたChrome 153では、すでに攻撃に使われているゼロデイ脆弱性が修正されました。専門用語はあとで噛み砕くので、まずは「何が起きていて、自分は何をすればいいか」だけ持ち帰ってください。

結論は短いです。更新して、再起動する。それだけなんですが、この「それだけ」が終わっていないパソコンを、店頭では毎月のように見ます。

先に結論
Chromeをバージョン153.0.8010.36以降に更新し、ブラウザを再起動してください。これで、2026年9月に修正された悪用済みのゼロデイ脆弱性CVE-2026-87491は塞がれます。
確認は右上メニュー「ヘルプ」→「Google Chromeについて」で1分。ダウンロードだけでは適用されないので、再起動まで含めて「更新」です。
Chrome 153の更新で塞がれた「悪用済みゼロデイ」とは何か

ニュースの見出しには「ゼロデイ」「悪用」「V8」と、物騒な単語が並びました。単語だけ見ると映画の予告みたいですが、中身はわりと地味で、地味なぶん怖い話です。

用語:ゼロデイ脆弱性とは
ゼロデイ脆弱性とは、開発元が修正版を出す前に攻撃者に見つかり、対策までの猶予が「0日」の状態で悪用されうるソフトウェアの欠陥である。今回のCVE-2026-87491は、ChromeがJavaScriptとWebAssemblyを動かすために使う「V8」というエンジンにあった「アウトオブバウンズ書き込み(本来書いてはいけないメモリ領域にデータを書けてしまう不具合)」で、細工されたWebページを開くだけでブラウザ内で任意のコードを実行される可能性がある。

発見したのはソウル大学の研究者Jihyeon Jeong氏で、Googleへの報告は2026年8月6日。修正版が出たのが9月8日ですから、約1か月のあいだ、この穴は「知っている人だけが知っている」状態でした。そしてGoogleは、この脆弱性を悪用する攻撃コードが実際に存在することを認めています。

一次情報
Googleは2026年9月8日、Chrome 153を安定版として公開。修正済みバージョンはWindows・Macが153.0.8010.36/.37、Linuxが153.0.8010.36。合計230件の脆弱性が修正され、そのうちCVE-2026-87491(V8のアウトオブバウンズ書き込み)については「悪用するエクスプロイトが実在することを認識している」と明記されている。Chromeのゼロデイ修正は2026年に入って7件目。翌9月9日には米CISAも「悪用が確認された脆弱性」カタログに追加した。

「深刻度は中(Medium)」と聞くと少し安心したくなりますが、それはChromeの砂場(サンドボックス)の中で完結する話だからで、別の脆弱性と組み合わされると砂場の外に出られます。悪用が確認されている時点で、ランクは実質「今日やる」です。

ピシコ店長 店長より
「今年7件目」という数字に驚かなくて大丈夫です。Chromeは世界で一番使われているブラウザなので、一番狙われるし、一番早く直される。直った穴を自分のパソコンにも反映させるのが、私たちにできる全部です。
自分のChromeが最新かどうか、どこで確認する?

ここからは手順です。所要時間は、回線が普通なら1分ちょっと。パソコン版のChrome(Windows・Mac共通)を前提にしています。

1
右上の「︙」メニューを開く
Chromeの右上、アドレス欄の右端にある縦三点「︙」をクリックします。更新待ちのときは、このアイコンが緑・オレンジ・赤のいずれかの色付きになっています。
2
「ヘルプ」→「Google Chromeについて」を開く
メニューの下のほうにある「ヘルプ」にカーソルを合わせ、「Google Chromeについて」を選びます。このページを開いた瞬間に、最新版の確認とダウンロードが自動で始まります。
3
バージョン番号を見る
表示された番号が 153.0.8010.36 以降なら修正済みです。それより小さい番号なら、ダウンロードが始まっているので終わるまで待ちます。
4
「再起動」ボタンを押す
ダウンロードが終わると「再起動」ボタンが出ます。押すとChromeが閉じて開き直り、新しいバージョンで動き始めます。開いていたタブは基本的にそのまま復元されます。
ここ、見落としがちです:「更新したつもり問題」
Chromeは更新をダウンロードしたあとも、再起動するまでは古いバージョンで動き続けます。つまり「ダウンロード済み=安全」ではありません。パソコンをスリープ運用にしていてChromeを何日も閉じない人(私です)ほど、この状態が長引きます。右上の「︙」が色付きになっていたら、それは「再起動待ち」の合図です。

なお、Chromeは普段、裏側で勝手に更新をダウンロードしてくれています。「更新してください」と表示されているなら、それはすでにダウンロードが済んでいて、あなたの再起動だけを待っている場合がほとんどです。待たせているのは、こちらです。

EdgeやBraveを使っていれば無関係?

「私はEdge派なので」と胸を張った方、すみません。同じ船に乗っています。

深掘り:なぜEdgeも他人事にならないのか
Microsoft Edge、Brave、Opera、Vivaldiは、Googleが公開しているオープンソースのブラウザ「Chromium」をもとに作られている。JavaScriptを動かすV8エンジンも共通なので、V8に穴があれば、それを使っている全ブラウザに同じ穴がある可能性が高い。違うのは修正版が届くタイミングだけで、各社がChromiumの修正を取り込んでから自社の更新として配信する。確認方法もほぼ同じで、Edgeは「設定」→「Microsoft Edgeについて」、Braveは「Braveについて」を開けば自動で更新が始まる。

少しだけ話を広げると、ブラウザは今や「アプリを動かすOS」に近い存在です。ネットバンキングも、確定申告も、会社の業務システムも、全部ブラウザの中で動いている。だからブラウザの穴は、パソコンの穴とほぼ同義になった。……という話を始めると3記事分になるので、いったん止めます。今日は「更新して再起動」だけ持ち帰ってください。

ピシコ店長 店長より
例外はSafariとFirefoxです。この2つはChromiumではないので、今回のCVE-2026-87491とは別物。ただし「別物」であって「無敵」ではないので、そちらもいつも通り更新してください。
更新が2週間ごとになると、何が変わるのか

Googleは今回のChrome 153から、安定版の大きな更新を4週間ごとから2週間ごとに縮めました。次のChrome 154は9月22日の予定です。「え、また?」と思う回数が、単純に2倍になります。

私はこれを「更新疲れ」と呼ぶことにしたのですが、呼んでから気づきました。疲れるのは、使う側ではなく攻撃する側です。ゼロデイのように「見つかったら即塞ぐ」必要のある穴が、放置される期間が短くなる。攻撃者にとっては、使える時間が半分になる。更新が増えたのではなく、守りが速くなった、という理解が正しいです。

頻度の話でいうと、Windows Updateもここ最近は1回の修正件数が異様に多いです。その背景はWindows更新167件の衝撃、AI時代に脆弱性が増えて見える理由に書いたので、「なんでこんなに増えてるの」が気になる方はそちらへ。

現実的な付き合い方は、「朝いちばんに、右上の『︙』の色を見る」だけです。色が付いていたら再起動。それ以上のことは求めません。私もこれで生きています。

今日、これだけやっておいてほしいこと

個人のパソコンなら、この記事を閉じる前に1回だけ、右上の「︙」→「ヘルプ」→「Google Chromeについて」を開いてください。番号が153.0.8010.36以降で、「最新の状態です」と出ていて、「︙」に色が付いていなければ、今日の宿題は終わりです。

店舗や事務所でパソコンが複数台ある場合は、「誰かがやっているだろう」が一番危ないです。1台ずつ開いて確認するのが正攻法で、台数が多ければグループポリシーやChromeの管理コンソールで自動更新と再起動を強制する手もあります。ここまで来ると私の仕事の範囲なので、丸投げしてもらって構いません。

更新したら表示がおかしくなった、拡張機能が動かなくなった、というのもたまにあります。それでも古いままにする理由にはならないので、その場合は「更新したうえで直す」。順番はこれで固定です。

ピシコ店長 店長より
「更新したつもり」で止まっているパソコンは、店頭では珍しくありません。責めたいわけではなく、この記事を書く前に自分のを見たら、再起動待ちでした。同じ船です。
Q
Chromeのゼロデイ脆弱性、今すぐ何をすればいいですか?
A
Chromeを更新して、再起動してください。右上の「︙」メニューから「ヘルプ」→「Google Chromeについて」を開くと、自動で最新版の確認とダウンロードが始まります。表示されたバージョンが153.0.8010.36以降であることを確認し、更新後は必ずブラウザを再起動してください。
Q
Chromeを更新したあと、再起動しないとどうなりますか?
A
修正は適用されません。ダウンロードが終わっても古いバージョンのまま動き続けているので、再起動して初めて新しいChromeで動作します。「最新の状態です」と表示されていても、再起動していなければ脆弱性は残ったままです。
Q
EdgeやBraveなど、Chrome以外のブラウザも危ないですか?
A
同じ影響を受ける可能性があります。EdgeやBrave、OperaはChromeと同じChromium(V8エンジン)をもとに作られているため、各社から修正版が配信され次第、同じようにアップデートしてください。SafariとFirefoxは別のエンジンなので、今回の脆弱性の対象外です。
ピシコ店長
この記事を書いた人
ピシコ店長
苫小牧市のパソコン・スマホ修理店「ピシコ」店長。PC・スマホ修理歴16年。店頭での実際の修理事例をもとに、地域の方に役立つ情報を発信しています。プロフィール詳細
更新して、再起動する。3分で終わります。
手順どおりに進まない、更新後に動作が変になった、店舗のパソコンをまとめて見てほしい。そういうときは、画面の写真を1枚送ってもらえれば見当をつけます。
まずはご相談から
LINEは24時間受信・返信は月〜土 9:30〜19:00

この記事を書いた人

ホンダ ヒデユキ

ホンダ ヒデユキ

北海道苫小牧市でパソコン修理店「ピシコ」を運営しています。 パソコン修理・データ復旧・自作PCサポートなど、現場での対応を続けながら、毎日テックブログを更新しています。 近年は、企業向けのAI導入や業務自動化の支援にも力を入れており、予約・見積・請求など、日々の業務を効率化する仕組みを実際に構築・運用しています。 「難しいことを、できるだけわかりやすく」を大切に、修理の現場やAI活用で得た知識を発信しています。