
スマホや家の電話に、+から始まる電話番号から着信が来た。「+1」や「+800」のような見覚えのない番号だと、海外の知り合いなのか、間違い電話なのか、それとも詐欺なのか、一瞬迷います。結論から言うと、心当たりのない番号なら出なくてかまいません。
この記事では、+から始まる番号の正体と、総務省や通信会社を名乗る自動音声の手口、それから着信そのものを減らす方法を、固定電話と携帯電話に分けてまとめます。固定電話は、無料の申し込み 1 つで国際電話そのものを止められます。実家の親の電話を守りたい方にも読んでほしい内容です。
先に結論:+から始まる電話番号は国際電話です。心当たりが無ければ出ない、折り返さない、自動音声の指示で番号を押さない。この 3 つが基本です。
固定電話は「国際電話不取扱受付センター」(0120-210-364)に申し込むと、国際電話の利用を無料で休止できます。携帯電話と 050 で始まる IP 電話は対象外なので、携帯会社の着信拒否や着信をブロックするアプリで対応します。
+から始まる電話番号は国際電話。いま来ているのはどんな電話か
着信画面の番号が「+」で始まっていたら、海外の回線を通ってきた電話です。+のすぐ後ろの数字が国や地域を表す「国番号」で、日本は +81 です。つまり、+81 以外で始まる番号は日本の外から来ていると考えて差し支えありません。
| 番号の頭 | 意味 |
|---|---|
| +81 | 日本 |
| +1 | アメリカ・カナダなど北米地域 |
| +800 | 国際フリーフォン(国を問わない共通番号) |
| +33 | フランス |
用語:国際フリーフォンとは、国内の 0120 にあたる国際電話の番号で、かけた側には通話料がかからない仕組みのことです。+800 は特定の国の番号ではないので、番号を見ても、どこの国からかけてきたのかは分かりません。
なぜ国際電話が増えたのか。警察庁は、令和 7 年中に特殊詐欺に使われた電話番号のうち約 75.5% が国際電話番号だったとしています。手口としてよく知られているのが、総務省や通信会社を名乗り「この電話は 2 時間後に使えなくなる」と告げる自動音声です。
この手口を実際に受けた様子を、YouTube の「後藤PC塾:プロが伝えるパソコン教室」の後藤氏が動画で紹介しています。後藤氏によると、+1 の番号から土曜の昼前に着信があり、出ずにいたところ留守番電話に「総務省監視管理室」を名乗る自動音声が残っていたそうです。内容は「この電話は 2 時間後に利用停止になる、不明な点は 1 番を押すように」というものでした。
後藤氏は、着信の多い国番号として +1(北米地域)と +800(国際フリーフォン)を挙げ、見覚えのない + の番号には出ない・折り返さないことを原則にするよう話している。固定電話は受付センターへの申し込み、携帯電話は携帯会社のサービスやアプリで着信を拒否できると説明している。
出典:【被害激増】絶対に出ない!+から始まる危険な電話番号!【録音済み】(後藤PC塾:プロが伝えるパソコン教室)
動画では、録音した留守番電話の音声もそのまま流れます。どんな声で、どんな言い方で来るのかを一度聞いておくと、実際にかかってきたときに「あ、これか」と気づけます。
総務省も、自分たちの名前をかたる電話について、ホームページで繰り返し注意を呼びかけています。名乗る部署の名前は時期によって変わっていますが、「2 時間後に電話が使えなくなる」という脅し文句は何度も出てきます。
総務省が個人に電話をかけて、個人情報やお金を求めたり、電話の利用停止を知らせたりすることはない。こうした電話を受けたら、指示に従ってボタンを押したり折り返したりせず、被害が心配なときは警察に相談するよう案内している。
出典:総務省「総務省職員を名乗る不審電話にご注意ください」
「+1(833)」や「+33」など、番号ごとの話は別の記事にまとめています。番号で検索してこの記事に来た方は、そちらもあわせてどうぞ。

+から始まる電話番号から着信したら。出ない・折り返さない・番号を押さない
着信があったときにやることは多くありません。海外に住む家族や取引先など、かかってくる心当たりが無いなら、次の 3 つを守れば十分です。
- 出ない。用事のある相手なら、留守番電話やほかの手段で連絡してきます
- 折り返さない。着信履歴から押し返すと、こちらが国際電話をかけることになります
- 番号を押さない。出てしまっても、自動音声の「1 番を押して」には従わずに切ります
- 名前・生年月日・口座などを話さない
折り返すと何が起きるのか
国際電話は、かけた側に国際通話の料金がかかります。後藤氏は動画で、1 回だけ鳴らして切る「ワン切り」で折り返しを待つ手口を取り上げ、折り返した人が払う通話料の一部が、海外の電話会社を通じて犯罪グループに渡る仕組みがあると説明しています。
ここ、見落としがちです:着信履歴をタップすると、番号を確かめる前に発信してしまうことがあります。知らない + の番号は、履歴から触らずに削除するか着信拒否に入れておくのが安全です。どこの番号か調べたいときは、番号を検索窓に打ち込んで調べます。
出てしまった・番号を押してしまったときに確かめること
出ただけで、すぐにお金を取られるわけではありません。気にしたいのは、出たあとに何をしたかです。番号を押して人につながった、名前や住所を答えた、ATM や電子マネーの話が出た。このどれかに当てはまるなら、一人で判断せず、家族や警察に話してください。
電話で「スマホにアプリを入れて」「この画面を開いて」と言われ、その通りにしてしまった場合も同じです。遠隔操作のソフトが入っていることがあります。パソコンで同じことをされた方向けの記事もあるので、心当たりがあれば読んでみてください。

固定電話は「国際電話不取扱受付センター」で国際電話を止められる
家の固定電話には、着信を 1 件ずつ拒否するよりずっと確実な方法があります。国際電話不取扱受付センターに申し込んで、その電話番号の国際電話の利用を休止することです。普段その電話で海外と話さないなら、止めて困ることはほとんどありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓口 | 国際電話不取扱受付センター |
| 電話番号 | 0120-210-364(無料) |
| 受付時間 | 自動音声は 24 時間。オペレーターは平日 9:00〜17:00 |
| 申込方法 | Web・電話・郵送 |
| 費用 | 無料(郵送の送料は自己負担) |
| 対象 | 固定電話(市外局番から始まる 10 桁) |
| 対象外 | 携帯電話(070・080・090)、050 で始まる IP 電話 |
申し込めるのは電話の名義人本人で、本人が了承していれば家族などの代理でも申し込める。着信だけを止めることはできない。利用を再開したいときは、その固定電話から電話で申し込む。
出典:国際電話不取扱受付センター
申し込みの流れは、どの方法でもおおむね同じです。Web がいちばん早く、電話は自動音声の案内に従って進めます。
- 止めたい固定電話の番号と、契約の名義人を確かめる。
- Web、電話(0120-210-364)、郵送のどれで申し込むか決める。
- Web は重要事項の説明に同意してからフォームに入力する。電話は自動音声の案内に従う。郵送は申込書を印刷して記入し、返送する。
- センターから確認の連絡があれば、それに答える。
手続きが難しい場合は、最寄りの警察署に相談するよう警察庁が案内しています。京都府警察のページでは、警察署・交番・駐在所を通じて申し込めることも書かれています。詳しくは警察庁の国際電話の利用休止の案内を見てください。
メモ:センターの案内では、国際電話の発信を止められるのは KDDI とソフトバンクの分で、ほかの会社の発信は各社への問い合わせになります。京都府警察のページも、NTT 東日本・西日本などの国際電話の発信は、それぞれの会社に別に申し込む必要があるとしています。京都府警察「国際電話の利用休止について」
携帯電話の国際電話を止めるには?携帯会社の着信拒否とアプリ
携帯電話は、さきほどのセンターでは止められません。そのぶん、端末の設定、携帯会社のサービス、アプリの 3 つを組み合わせて減らしていきます。警察庁は、携帯電話の発着信の設定を見直すことを勧めています。
設定を見直すときは、次の項目を順に確かめてください。どこにある設定かは機種や携帯会社によって違うので、取扱説明書や携帯会社のサポートページで探します。
- 番号非通知の着信を拒否する
- 番号を通知できない着信を拒否する
- 電話帳に登録していない番号の着信を拒否する、または留守番電話にまわす
- 国際電話の着信を止められるアプリ(警察庁推奨のアプリ、都道府県警察の防犯アプリ、携帯会社のセキュリティアプリなど)を入れる
携帯会社の着信拒否サービスは、番号を 1 件ずつ登録する形のものが多く、登録できる件数にも上限があります。後藤氏は動画で、こうした番号ごとの拒否とは別に、着信拒否アプリで +81 以外の国番号をまとめて拒否する方法を紹介しています。アプリによっては有料の機能もあるので、入れる前に何が無料でできるかを確かめてください。
注意:「電話帳に無い番号を拒否」を入れると、病院や配達、役所など、登録していない相手からの大事な電話も鳴らなくなります。拒否ではなく留守番電話にまわす設定にしておくと、用件を聞いてから折り返せます。家族の電話に入れるときは、本人と相談してから決めてください。
フランス(+33)からの着信のように、番号を見て不安になった方の質問は多く、別の記事でも取り上げています。
家族の電話も一緒に見直す。実家の固定電話こそ先に
自分のスマホは自分で気をつけられても、離れて暮らす親の固定電話までは目が届きません。日中、家にいる時間が長いほど電話に出る機会も増えます。国際電話の利用休止は家族が代わりに申し込めるので、帰省のついでに済ませてしまうのがいちばん手早い方法です。
- 固定電話で、海外の人と話す予定があるか(無ければ国際電話の利用休止を申し込む)
- 電話の名義人はだれか(申し込みに要る)
- 留守番電話の設定が入っているか
- 「役所や電話会社を名乗って番号を押させる電話は切る」と伝えたか
- 困ったときに相談する家族の連絡先が、電話のそばに貼ってあるか
電話の機能を話すときは、怖がらせるより「こういう電話が来たら切っていい」と決めてあげるほうが伝わります。迷ったら家族に電話する、と決めておくだけでも、その場で番号を押してしまう場面はぐっと減らせるはずです。

よくある質問
「+1」からの着信に一度出てしまいました。もう危ないですか?
出ただけで直ちに被害が出るとは限りません。大事なのは、音声の指示に従って番号を押したり、相手に個人情報やお金の話をしたりしないことです。番号を押した、名前や口座の話をしてしまった場合は、消費者ホットライン 188 や警察相談専用電話 #9110 に相談してください。
国際電話不取扱受付センターに申し込むと、海外からの電話は全部かからなくなりますか?
申し込んだ固定電話には、海外からの電話がかからなくなります。着信だけを止めることはできないため、海外にいる家族とその電話で話す予定がある場合は、申し込む前に家族で決めておきましょう。止めたあとで再開したいときは、その固定電話から電話で申し込めます。
携帯電話でも同じ窓口で止められますか?
いいえ、この窓口の対象は固定電話で、携帯電話と 050 で始まる IP 電話は対象外です。携帯電話は、契約している携帯電話会社の着信拒否サービスや、着信をブロックするアプリ、端末の設定で対応します。設定の場所は機種や会社によって違います。
まとめ
+から始まる電話番号は国際電話です。心当たりが無ければ出ない、折り返さない、自動音声の指示で番号を押さない。総務省が電話の停止を電話で知らせてくることはありません。
固定電話は国際電話不取扱受付センターで国際電話を無料で休止でき、家族が代わりに申し込むこともできます。携帯電話は、着信の設定と携帯会社のサービス、アプリを組み合わせて減らしていきます。スマホの設定を一緒に見てほしいという方は、ご来店か出張のときにお声がけください。










