
ミニPCってどんどん進化してますよね。
「小さいくせに性能が上がってる」という話は以前からあるんですが、今回のACEMAGICのニュースを見て、さすがに「え、ここまで来たの」と思いました。
2026年4月8〜10日に東京ビッグサイトで開催された「Japan IT Week 春展」に、中国のCYX INDUSTRIALがACEMAGICブランドで出展。最新CPUや最新GPUを搭載したミニPCを複数展示していました。
今回は、その展示内容を整理しながら「ミニPCってこれからどう見ればいいのか」を考えてみます。
ACEMAGIC(アースマジック)ってどんなブランド?
ACEMAGICは中国のCYX INDUSTRIALというメーカーが展開するブランドで、日本ではAmazonなどで割とよく見かけます。NIPOGIというブランド名でも製品を出していて、低価格帯のミニPCから、わりとしっかりしたスペックのモデルまで幅広く作っている会社です。
今回の展示会は「Japan IT Week」という法人向けのイベントなので、個人向けというよりも企業や業務向けに本腰を入れてきたという感じが伝わってきます。
展示されたモデルをざっくり整理
ゲーミング・ハイエンド向け「TANK 03シリーズ」
一番目を引いたのが「TANK 03」という筐体を使ったシリーズです。
これ、なにが特徴かというと、デスクトップPC用のGPUチップが搭載できるという点です。ミニPCって通常はノートPC向けの省電力チップを使うんですが、TANK 03はゲーミングデスクトップに使われるGPUが入る冷却設計になっています。
CPU:Ryzen AI 9 465 / Core i5-13420H / Core i7-13620H のいずれか
GPU:Radeon RX 9060 XT / RTX 4060 / RTX 4070 / RTX 5060 のいずれか
メモリ:最大64GB
ストレージ:最大4TB(M.2 NVMe SSD)
RTX 5060や Radeon RX 9060 XTというのは、2025〜2026年に出たばかりの最新GPUです。それがミニPCに載るようになってきたのは、正直ちょっと驚きでした。
AIに特化した「M1K plus」
同じTANK 03筐体を使った「M1K plus」というモデルが、個人的には一番インパクトありました。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| CPU | Ryzen AI Max+ 395 |
| メモリ | LPDDR5 128GB |
| GPU | Radeon 8060S(内蔵) |
| VRAM | 最大96GB(メモリ共有) |
「VRAM最大96GB」というのが、AIの文脈でいうと結構な数字です。
最近、自分のPC上でAI(大規模言語モデル、いわゆるLLM)をクラウドではなくローカルで動かすという使い方が増えています。そのときに必要なのがVRAMの容量で、大きいほど高性能なモデルを動かせます。96GBはかなり余裕がある数字で、クラウドを使わず自分のPCだけでAI処理をしたい人向けの選択肢として、本格的に成立してきた感じです。
拡張しやすいユニーク筐体「S3A」
ちょっと面白いのがこの「S3A」というモデルです。
特徴はツールレスで側面が開く設計。つまりドライバーなしで簡単にケースを開けられて、メモリやSSDの増設・交換ができます。CPUはCore Ultra 300Hシリーズや Core Ultra 7 255H、Core Ultra 5 226Vなどを選べます。
修理屋目線でいうと「これは親切な設計だな」と思います。ユーザー自身でパーツ交換できる作りは、長く使うためのハードルを下げてくれます。
レトロゲーム機みたいなデザインの筐体「G3B」
CES 2026(アメリカの家電見本市)でも話題になっていたモデルで、見た目がレトロなゲーム機みたいなデザインです。「1985 Reimagined」というロゴが入っていて、どこかの名機をリスペクトしている感じが伝わってきます。
Core Ultra X9 388H / 7 255H / 5 226V などが搭載できるスペック自体はしっかりしているんですが、国内での販売予定は今のところなしとのこと。「要望が多ければ実現するかも」という含みを残しているので、気になる人はACEMAGICに要望を伝えてみるといいかもしれません。
ビジネス向け大型モデル「MX1A」
高さ298mmとミニPCとしては大きめのケースを採用したモデルで、法人向け専用です。個人への販売は行っていないとのことでした。Mini-ITXやMicroATX程度のサイズ感で、業務用途の置き換えを狙っているモデルです。
ノートPC「S16」
テンキー付きのフルサイズキーボードを搭載したシンプルなノートPCも2台展示されていました。Ryzen 7 8745HSなどを搭載できて、メモリ最大64GB、SSD最大4TBという構成。まだ直販サイトには載っていないようですが、近々販売予定とのことです。
なぜ今、ミニPCがここまで進化できているのか
正直、少し前まで「ミニPCは性能に妥協が必要」というイメージがありました。それがなぜ変わったのか、少し掘り下げてみます。
AMDの「Ryzen AI Max」シリーズが変えた
キーになっているのはAMDが作った「Ryzen AI Max」というチップです。CPU・GPU・AI処理ユニット(NPU)が一つにまとまっていて、メモリをGPUとCPUで共有できる設計(UMA:Unified Memory Architecture)になっています。
これにより、小さい筐体でも大容量メモリ=大容量VRAMが使えるようになりました。VRAMを専用で積もうとすると物理的にスペースが必要ですが、共有メモリ方式なら筐体を小型のままにできます。
冷却技術の進化
性能が上がると当然、熱も出ます。TANK 03がデスクトップGPUを載せられるのは、冷却設計がそれに対応できているからです。ここがACEMAGICの差別化ポイントで、単純に小さくするだけでなく、熱をどう逃がすかに力を入れていることが伝わります。
ミニPCを選ぶときに気にしておきたいこと
いいことばかり書きましたが、ミニPCには注意点もあります。特に日本市場での話として。
- 修理・保守の対応窓口が日本にどれだけ整備されているか
- パーツ(特にメモリ・SSD以外)の入手性
- 保証期間と実際のサポート品質
- ドライバやBIOSのアップデート頻度
ACEMAGICは日本向けにサイト(acemagic.jp)を持っていて、Amazonでも購入できる状況ではあります。ただ、法人向けに本格展開を始めたばかりの部分もあるので、長期使用を前提とする業務用途で導入するなら、サポート体制の確認はしっかりしておいた方がいいと思います。
個人用途や趣味の範囲であれば、コストパフォーマンスはかなり魅力的です。
まとめ
- ACEMAGICがJapan IT Week 春展に出展。最新CPU・GPU搭載ミニPCを複数展示
- Ryzen AI Max+ 395 + VRAM最大96GBの「M1K plus」はローカルAI処理に本格対応
- デスクトップGPU(RTX 5060等)が搭載できる「TANK 03」シリーズは性能の常識を更新
- ツールレスで拡張できる「S3A」は使い続けやすい設計が好印象
- レトロゲーム機デザインの「G3B」は国内販売未定(要望次第で変わる可能性あり)
- ミニPCの進化を支えているのはAMDのUMA設計と冷却技術の向上
- 日本での修理・サポート体制は導入前に確認が必要
「PCはデスクトップかノートか」という二択に、ミニPCという選択肢がどんどん存在感を増してきています。特にAIをローカルで活用したい人には、今後この方向の製品がさらに注目されていくと思います。
値段や詳細スペックは発売時期によって変わるので、購入を検討される場合は最新情報を公式サイトやAmazonでご確認ください。














