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Windows11アップデート不具合?ゲームが落ちる原因はRGB

Windows11アップデート不具合?ゲームが落ちる原因はRGB

Windows 11のアップデート後に不具合が出た——具体的には、昨日までふつうに遊べていたゲームが急に落ちる。ひどいときはPCごと勝手に再起動する。そんな症状の報告が、2026年8月中旬から一気に増えています。

先に種明かしをすると、犯人はゲームではありません。ゲームは無実です。私はこの一連の騒動を勝手に「無実のゲーム逮捕事件」と呼んでいます。落ちるのはゲーム、疑われるのもゲーム、再インストールされるのもゲーム。でも真犯人は、あなたのPCを七色に光らせているあのソフトかもしれない、という話です。

先に結論
2026年8月のWindows 11更新プログラム「KB5121003」適用後にゲームが落ちる・PCが再起動する場合、原因はRGB照明の制御ソフトが入れる「inpoutx64」系ドライバの可能性が高いです。
Microsoftが公式の回避策(レジストリでのドライバ無効化)を公開しています。更新プログラム自体の削除はセキュリティ修正も一緒に外れるため、最終手段にしてください。
Windows 11アップデート後の不具合症状:ゲームが落ちる・勝手に再起動

問題の更新プログラムは、2026年8月11日に配信された「KB5121003」です。Windows 11の24H2ならビルド26100.9168、25H2ならビルド26200.9168になる、いわゆる月例のセキュリティ更新。つまり自動で入ってくるタイプです。避けようがない。気づいたら入っている。そして気づいたらゲームが落ちている。

Microsoftが公式に挙げている症状は次の4つです。ゲームが応答しなくなる。ゲームが予告なく終了する。「EXCEPTION_ACCESS_VIOLATION」というエラーが表示される。そして、PCが警告なしに再起動する。報告で名前が挙がっているゲームは「ARC Raiders」「MARVEL Tōkon: Fighting Souls」「THE FINALS」の3本ですが、仕組み上、この3本だけと言い切れる段階ではありません。

大事なのは、この不具合が全員に起きるわけではないという点です。後述する特定のドライバが入っているPCで、特定のゲームを起動したときにだけ発生します。「更新が悪い」と「うちのPCで起きる」の間には、もう1人登場人物がいるんです。

一次情報
Microsoftは2026年8月19日にこの問題の調査を開始し、8月21日の更新で「RGB照明機能を持つ周辺機器や内部部品に関連している」と公式に発表しました。該当デバイスは「inpoutx64」に似た名前のドライバを導入することがあり、それが存在するシステムで特定のゲームを起動すると問題が発生する、としています。症状4項目と対象ゲーム3本もこのページに明記されています。
ピシコ店長 店長より
「ゲームが悪い」と疑って再インストール→直らない→今度は「PCが壊れた」と不安になる。この流れが一番つらいやつです。ゲームもPC本体も、たぶん無実。まずは犯人捜しから順番にいきましょう。
なぜ「光らせるソフト」でゲームが落ちるのか?真犯人の正体

「無実のゲーム逮捕事件」が厄介なのは、状況証拠が完璧にゲームを指しているところです。更新のあとに落ちるのはゲームだけ。ブラウザは元気。動画も見られる。そりゃゲームを疑いますよね。再インストールして、設定を消して、グラフィックドライバまで入れ直して、それでも落ちる。ここで多くの人が心を折られます。

真犯人は、キーボードやマザーボード、ケースファンのRGB照明を制御するユーティリティが、裏でこっそり入れているドライバでした。ゲーミングPCなら、光り物の同期ソフトが最初から入っていることが多い。しかも海外の報告では、周辺機器メーカーのアップデートツール経由でこのドライバが入っていた例もあります。つまり本人は「inpoutx64」なんて名前、一度も見たことがないまま被害者になっているわけです。

用語:inpoutx64とは
inpoutx64とは、ソフトウェアがハードウェアへ低レベルアクセスするために使われるサードパーティ製のカーネルドライバである。RGB照明の制御、ファン制御、センサー読み取りといった各社ユーティリティに同梱されることが多く、利用者が存在を知らないままインストールされているケースが大半を占める。Windowsの中枢(カーネル)で動作する権限を持つため、Windows側の仕様変更の影響を直接受けやすい。

ここからは情報の確度を分けて書きます。Microsoftが公式に認めているのは「RGB関連のドライバと特定ゲームの組み合わせで問題が起きる」というところまでです。一方、ネット上でよく見かける「今回の更新でカーネルのハンドル検証が厳しくなり、これまで見逃されていたドライバの不正なハンドル操作がバグチェック0x93(INVALID_KERNEL_HANDLE)を引き起こすようになった」という説明は、ユーザーが投稿したクラッシュダンプ解析から出てきた有力な仮説であって、Microsoft自身はまだこの因果関係を明言していません。有力ではある。でも公式確定ではない。この区別は大事です。

……と、ここまで書いて気づいたんですが、カーネルのハンドル検証の話、町の修理屋のブログでする話か?というレベルまで潜ってしまいました。浮上します。ざっくり言えば「Windowsが行儀の悪いドライバに急に厳しくなった可能性が高い」、それくらいの理解で今日のところは充分です

一次情報
KB5121003は2026年8月11日配信の月例更新で、Windows 11 24H2をビルド26100.9168、25H2をビルド26200.9168に更新します。多数のセキュリティ脆弱性の修正を含むため、単純に外すことにはリスクが伴います。更新内容の詳細は公式サポートページで確認できます。
自分でできる対処は3段階(公式回避策→削除→最終手段)

対処法は「安全な順」に3段階あります。おすすめは断然1つ目。Microsoftが公式に案内している、レジストリでドライバを一時的に無効化する方法です。削除ではなく無効化なので、あとで元に戻せます。

段階1:Microsoft公式の回避策——レジストリでinpoutx64を無効化する

ここからは手順です。ふざけずに書きます。作業前に必ずレジストリのバックアップを取ってください。

1
レジストリをバックアップする
レジストリエディターのメニューから「ファイル」→「エクスポート」でバックアップを保存します。問題が起きたときに元へ戻すための保険です。省略しないでください。
2
レジストリエディターを開く
スタートメニューで「regedit」と入力し、検索結果から「レジストリ エディター」を選択します。
3
該当キーへ移動する
画面上部のアドレス欄に HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\inpoutx64 を貼り付けて移動します。このキー自体が見つからない場合、お使いのPCは今回の問題の対象外の可能性が高く、別の原因を疑う段階です。
4
「Start」の値を「4」に変更する
画面右側にある「Start」という値をダブルクリックし、「値のデータ」欄に 4 を入力してOKを押します。変更前の数値は控えておいてください(元に戻すときに使います)。
5
PCを再起動する
レジストリエディターを閉じてPCを再起動すると、ドライバが無効化された状態で立ち上がります。この状態でゲームが安定するか確認してください。
この操作のリスクも書いておきます
ドライバを無効化すると、RGB照明の色が変えられなくなったり、制御ソフト自体が正常に動かなくなったりする可能性があると、Microsoft自身が注記しています。光り物と安定動作のどちらを取るか、一時的に選ぶことになります。また、レジストリは場所を間違えて編集するとWindowsが起動しなくなることもある領域です。手順3のパス以外は触らない、バックアップなしで作業しない。この2つだけは守ってください。
段階2:ゲーム開発元が案内する「サービスとドライバの削除」

THE FINALSとARC Raidersの開発元であるEmbark Studiosは、コマンドプロンプトからinpoutx64のサービスを停止・削除し、ドライバファイル自体を取り除く手順を公式に案内しています。こちらは「無効化」ではなく「削除」なので一歩踏み込んだ操作です。RGB系ソフトの更新や再インストールでドライバが復活して振り出しに戻ることもあれば、逆に関連機能が丸ごと使えなくなることもあります。私としては、可逆的な段階1を先に試すことをすすめます。

段階3:最終手段——KB5121003そのものをアンインストールする

更新プログラム自体を削除すれば症状が消える可能性はあります。ただしKB5121003は多数のセキュリティ脆弱性の修正を含む月例更新で、外せばその修正もまとめて外れます。ゲームの安定と引き換えにPC全体を無防備にするのは、正直、割に合いません。どうしても外す場合は、Windows Updateを一時停止して自動再インストールを防ぎつつ、恒久修正が出たらすぐ入れ直す前提で。「外して終わり」ではなく「外して待つ」が正しい姿勢です

なお、9月の更新でも「音が出ない」「画面が真っ暗」などの不具合が相次ぎ、緊急パッチKB5129195が配信されています。直ったものと直っていないものは、こちらにまとめました。

Windows11 KB5129195で直った不具合・残る不具合
ピシコ店長 店長より
レジストリは「間違えると戻せない場所」ではなく「バックアップさえ取れば戻せる場所」です。逆に言うと、バックアップなしで触るのは絶対になしです。そこだけ約束してください。
よくある質問
Q
KB5121003をアンインストールすれば直りますか?
A
直る可能性はありますが、最初の手段としてはおすすめしません。この更新には多数のセキュリティ脆弱性の修正が含まれており、アンインストールするとそれらも一緒に外れてしまいます。まずはMicrosoft公式の回避策である、レジストリでinpoutx64ドライバを無効化する方法から試すのが安全です。
Q
自分のPCにRGBソフトが入っているか分かりません。どう確認すればいいですか?
A
レジストリエディターで手順3のキー(inpoutx64)が存在するかを見るのが確実です。キーが見つからなければ、今回の問題の対象外である可能性が高いです。マザーボード・キーボード・ケースファンに光る機能があれば、メーカーの制御ソフトが裏で動いていることが多いので、判断に迷う場合はご相談ください。
Q
Microsoftから正式な修正はいつ出ますか?
A
2026年8月24日時点で恒久的な修正は発表されておらず、調査中の段階です。MicrosoftはRGB関連部品とゲームの関係を引き続き調査中としており、今後の更新プログラムでの対応が見込まれます。この記事も動きがあり次第更新します。
それでも直らない・自分で触るのが不安な場合

段階1を試しても落ちる場合は、原因が別にある可能性が出てきます。グラフィックドライバ、他の常駐ソフト、ハードウェアの不調——候補は一気に広がるので、ここからは切り分けの作業です。店頭でこの手のご相談を受けるとき、たいてい「ゲームは再インストール済み」の状態から始まります。その努力が無駄だったわけではなく、「ゲームは無実」という捜査結果が1つ手に入ったと考えてください。切り分けというのは、そういう地味な消去法の積み重ねです。

レジストリを触るのが怖いという方は、それが正常な感覚です。怖がりながら自己流でやるより、怖いまま持ってきてもらったほうが早くて安全なことも多いです。

「無実のゲーム逮捕事件」は、真犯人が光り物のソフトだと分かった時点で、事件としてはほぼ解決です。あとはドライバの無効化という手続きを踏むだけ。疑ってごめんなさいの一言とともに、ゲームを釈放してあげてください

ピシコ店長 店長より
ここまで読んで「たぶんウチのはこれだ」と思えたなら、切り分けの8割は終わっています。残りの2割は、いつでも手伝います。
ピシコ店長
この記事を書いた人
ピシコ店長
苫小牧市のパソコン・スマホ修理店「ピシコ」店長。PC・スマホ修理歴16年。店頭での実際の修理事例をもとに、地域の方に役立つ情報を発信しています。プロフィール詳細
レジストリ、怖いまま持ってきて大丈夫です。
「アップデート後からゲームが落ちる」「PCが急に再起動する」——原因の切り分けから承ります。症状をそのまま伝えていただければ大丈夫です。
まずはご相談から
LINEは24時間受信・返信は月〜土 9:30〜19:00

この記事を書いた人

ホンダ ヒデユキ

ホンダ ヒデユキ

北海道苫小牧市でパソコン修理店「ピシコ」を運営しています。 パソコン修理・データ復旧・自作PCサポートなど、現場での対応を続けながら、毎日テックブログを更新しています。 近年は、企業向けのAI導入や業務自動化の支援にも力を入れており、予約・見積・請求など、日々の業務を効率化する仕組みを実際に構築・運用しています。 「難しいことを、できるだけわかりやすく」を大切に、修理の現場やAI活用で得た知識を発信しています。