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修理後もパソコンがフリーズする|作業のせいか見分ける方法

修理後もパソコンがフリーズする|作業のせいか見分ける方法

パソコンを修理や点検に出して、戻ってきた。よかったと思った数日後に、またフリーズ。修理後にパソコンがフリーズすると、「直ってないじゃん」「むしろ壊された?」と頭の中で裁判が始まりますよね。私は修理する側の人間なので、この裁判では毎回、被告席に座っています。

でも、修理後のフリーズの犯人が作業とは限りません。海外の掲示板にも「ショップでのメンテナンス後にフリーズが続く」という相談が出ていて、同じHP Victusシリーズでは、作業と関係なく固まる事例がほかにも報告されています。この記事では、修理の前後を分ける「作業日の線」を引いて、原因がどこにありそうかを見分ける方法を書きます。

先に結論:修理後のフリーズは、作業の不備・機種がもともと抱えていた不具合・作業と無関係の別の故障、の3つに分けて考えます。

見分ける手がかりは、作業の前後で何が変わったかです。症状が出た日時と場面を控えて、作業を頼んだお店に伝えるのがいちばんの近道です。

修理後にパソコンがフリーズするのはなぜ?容疑者は3人

修理のあとに症状が出ると、原因は作業に決まっているように見えます。時間の順番がそう言っているからです。ただ、パソコンの中では、作業と同じ時期にほかの出来事も起きています。

そこで私は、容疑者を3人並べることにしています。1人目は作業そのもの。2人目は、機種がもともと抱えていた不具合。3人目は、作業とは関係なく、たまたま同じ時期に弱ってきた部品です。

容疑者出やすい時期手がかり
作業の不備戻ってすぐ〜数日触った部品の周りで症状が出る
機種の不具合更新の直後同じ機種で同じ報告がある
別の故障時期を選ばない作業と無関係の部位に症状が出る
修理後のフリーズは、まず3つに分けて考える

どれか1人に決め打ちせず、表の右の列の手がかりを1つずつ当てていくのが早道です。3人とも少しずつ怪しい、ということも普通にあります。

店長
店長
修理した側がまず疑われるのは当然で、私はそれでいいと思っています。疑われたときに、何を触ったかをすぐ説明できるようにしておくのが、作業する側の仕事です。

「作業日の線」を引いて、修理の前後で変わったことを書き出す

まず手元でできるのは、カレンダーに線を1本引くことです。修理に出した日と、戻ってきた日。この線の前と後で、何が変わったのかを並べていきます。

用語:作業日の線とは、パソコンを修理や点検に預けた日を境目にして、その前後で起きた変化を分けて考えるための区切りです。線の後ろに並ぶのは作業だけではなく、戻ってきた後に入った更新やアプリも含まれます。

書き出すのは次の6つです。メモ帳でもスマホのメモでもかまいません。

  • 作業の前から、短い固まりや勝手な再起動がなかったか
  • 作業で何をしたか(部品の交換・清掃・OSの入れ直し・BIOSの更新など)
  • 戻ってきてから入った更新(Windows Update・メーカーのアプリ・BIOS)
  • フリーズする場面(ゲームの起動時・重い作業のとき・放置中など)
  • 固まり方(数秒で戻る・完全に止まる・勝手に再起動する)
  • フリーズ以外の変化(音が出ない・Bluetoothがつながらないなど)

いちばん見落とされやすいのは3つ目です。パソコンは戻ってきたその日から、持ち主の知らないところで更新を受け取ります。線の後ろに立っているのは、作業だけではありません。

固まった時刻も、できればメモしてください。Windowsのイベントビューアーでその時刻の記録を見ると、手がかりが残っていることがあります。見方と、その先の切り分けの手順は、次の記事に順番どおりにまとめています。

パソコンのフリーズが直らない|初期化・パーツ交換でも消えない原因
店長
店長
作業報告書や預かり票は、症状が落ち着くまで捨てないでください。「何を替えたか」が紙に残っているだけで、線の前後を比べる作業がずっと早くなります。

HP Victusで報告されている、作業と関係なく固まる事例

「修理後のフリーズが、実は機種の問題だった」かもしれない例を見てみます。HPのゲーミングノート「Victus」シリーズでは、2026年の初めに、HPのサポートコミュニティへフリーズの相談が続けて投稿されています。

BIOSとTPMの組み合わせで固まるという報告

1つ目は、Victus 15(15-fa0000)の利用者の投稿です。Easy Anti-CheatやBattlEyeといった不正対策の仕組みを使うゲームを開くとき・閉じるときに、パソコン全体が固まるという内容でした。投稿者は、BIOS F.33の環境でIntel PTT(TPM 2.0)と電源管理がぶつかっているのが原因だと分析しています。

投稿者によると、HPのサービスでマザーボードを交換したあとも、完全に固まる症状が続いたとのことです。HPのスタッフは回答でシリアル番号を尋ね、個別のやり取りに移っています。

出典:HP Support Community「System Freeze/Crash on HP Victus - BIOS F.33 TPM Conflict with Easy Anti-Cheat」

注意したいのは、原因の分析が投稿者本人のもので、HPが公式に認めた不具合ではない点です。それでも、メーカー自身の修理で基板を替えても止まらなかったという経過は、「修理したのに直らない=修理が悪い」とは言い切れない、わかりやすい例になっています。

注意:投稿の中には、レジストリでTPMのドライバーを止めると安定したという記述がありますが、真似しないでください。TPMはBitLockerなどの暗号化にも使われていて、止めると回復キーを求められたり、TPMを必要とするゲームが起動しなくなったりするおそれがあります。BIOSを古い版に戻す作業も、失敗すると起動しなくなる危険があるため、メーカーの案内なしには行わないでください。

数秒だけ固まるフリーズの報告

2つ目は、Victus 15で数分おきに3秒ほど固まるという投稿です。投稿者はWindowsの入れ直しやBIOSの再導入まで試しても直らず、固まる瞬間にタスクマネージャーのGPU使用率が0%まで落ちることに気づいていました。

ほかの利用者の回答で、サービスの一覧から「HP One Agent Service」を無効にする方法が示され、解決済みの回答になっています。別の利用者は、BIOS F.09に更新したあと何もしなくてもCPUが95℃まで上がり、F.08に戻したら直ったと書いています。

出典:HP Support Community「Victus 15 Freezing every few minutes」

どちらの事例も、作業日の線の後ろに「更新」や「常駐サービス」が立っています。ここで少し踏み込むと、修理はいつも「最後にパソコンを触った人」になります。人は最後に触った人を犯人にしがちで、その間に自動で入った更新は、誰の手も通っていないので容疑者リストに載りません。パソコンは、持ち主が寝ている間にも中身が変わる道具です。……と、探偵ぶるのはこのへんにしておきます。

同じ「固まる」でも、機種によって原因は違います。Victus以外をお使いの方は、「こういう筋もある」くらいに受け取ってください。

店長
店長
作業を疑う前に、戻ってきてから入った更新を一度見てください。そこを見ずに作業だけを疑うと、同じ場所を何度も開けることになります。

作業が原因のときに疑う場所と、作業先への伝え方

もちろん、作業が原因のこともあります。作業する側の人間として、ここもきちんと書いておきます。疑う場所は大きく3つです。

1つ目は組み付けです。コネクターの差し込みが浅い、フラットケーブルが斜めに入っている、ネジが1本足りない。触った部品の周りで起きる不具合で、戻ってすぐ症状が出やすいのが特徴です。

2つ目は冷却です。清掃やグリスの塗り直しをした場合、塗り方や冷却部品の締め付けが合っていないと温度が上がりやすくなります。電源を入れてすぐは平気で、重い作業を続けて数十分たってから固まるなら、ここが怪しい。

3つ目はドライバーと設定です。OSを入れ直したあとにメーカー専用のドライバーが入っていない、BIOSの更新で設定が初期値に戻った、といったケースです。部品は無事でも、ソフトの足場がずれています。

店長
店長
修理後の相談で意外と多いのは、フリーズより「音が出ない」です。原因はグラフィックではなくサウンドのドライバーの更新や入れ間違いで、たまにBluetoothを認識しないこともあります。
作業先に伝えること

  • 固まった日時と、そのとき使っていたアプリ
  • 固まり方(数秒で戻る・完全に止まる・勝手に再起動する)
  • 作業の前にも同じ症状があったか
  • 戻ってきてから入れたソフトや更新
  • 戻ってきてから自分で開けたり、設定を変えたりしていないか

ここまでそろっていると、作業先は自分の作業を見直すところから、すぐに始められます。責める材料ではなく、原因に近づくための材料として渡してもらえると、作業する側はいちばん助かります。

ここ、見落としがちです:再発したときに自分で裏ぶたを開けたり、別のお店に持ち込んだりすると、どこで何が起きたのか分からなくなり、作業先の保証が受けにくくなることがあります。まずは作業先に連絡して、保証の期間と範囲を確かめてください。

よくある質問

修理のあとにフリーズしたら、原因は必ず作業ですか?

必ずしも作業が原因とは限りません。機種がもともと抱えていた不具合が、戻ってきた後の更新をきっかけに表に出ることもあります。作業の前後で何が変わったかを時系列で整理すると、見分けやすくなります。

フリーズしたとき、自分で確認できることはありますか?

固まった日時と場面をメモし、イベントビューアーの「Windowsログ」→「システム」でその時刻の前後の記録を確認します。戻ってきてから入った更新も、設定の「Windows Update」→「更新の履歴」で確かめておくと手がかりになります。

修理後に再発したら、どこに連絡すればいいですか?

まず作業を頼んだお店に連絡するのが確実です。症状が出た日時、固まり方、戻ってきてから入れたソフトや更新を伝えると、作業が原因かどうかの切り分けが早くなります。

まとめ

修理後のフリーズは、作業・機種・偶然という3人の容疑者を並べるところから始まります。そして、その3人を見分ける道具が「作業日の線」です。

線の前にあった兆候、線の後に入った更新、固まった時刻と場面。これがそろえば、作業した側もすぐに動けます。疑う気持ちはそのままで大丈夫です。その気持ちを、線の前後を書き出すメモに変えてもらえれば、原因にはぐっと近づきます。

この記事を書いた人

ホンダ ヒデユキ

ホンダ ヒデユキ

北海道苫小牧市でパソコン修理店「ピシコ」を運営しています。 パソコン修理・データ復旧・自作PCサポートなど、現場での対応を続けながら、毎日テックブログを更新しています。 近年は、企業向けのAI導入や業務自動化の支援にも力を入れており、予約・見積・請求など、日々の業務を効率化する仕組みを実際に構築・運用しています。 「難しいことを、できるだけわかりやすく」を大切に、修理の現場やAI活用で得た知識を発信しています。