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パソコンのフリーズが直らない|初期化・パーツ交換でも消えない原因

パソコンのフリーズが直らない|初期化・パーツ交換でも消えない原因

初期化した。メモリも電源も替えた。BIOSも最新にした。それでもパソコンのフリーズが直らない。ここまで来ると、もう疑う場所が残っていない気がしてきますよね。店頭で「もう全部やったんです」と言われるたびに、その気持ちだけは全力で分かります。

でも、残っています。しかも、けっこう大きい場所が。この記事では、初期化・パーツ交換・BIOS更新という三大対策が一度も手を触れていない領域を、私は「未交換ゾーン」と呼ぶことにして、そこに何があるのか、どう切り分けるのかを順番に書きました。

先に結論
初期化・パーツ交換・BIOS更新で直らないフリーズは、その3つが触っていない「未交換ゾーン」、つまり電源の供給経路・配線と接点・熱・初期化後も自動で戻るドライバや設定に原因が残っていることが多いです。
交換した新パーツ自体の初期不良もゼロではありません。次に疑うべきは「まだ替えていない場所」と「替えたつもりの場所」の2つです。
パソコンのフリーズが直らないのは、なぜ「全部やった」のに効かないのか?

フリーズ対策の王道は、まずソフトを疑って初期化、次にハードを疑ってパーツ交換、最後にBIOS更新。この順番自体は正しいです。Lenovoの公式解説でも、OSの再インストールは「ほかの対策でも直らないときの手段」として置かれています。順番は合っている。問題は、この3つが「疑ったつもりで、実は疑っていない場所」を大量に生んでしまうことです。

たとえば初期化。Windowsの「このPCを初期状態に戻す」は、環境をきれいにしてくれます。ただし機種固有のドライバは、初期化が終わったあとWindows Updateが自動で入れ直します。つまり不安定なドライバが原因だった場合、初期化しても同じドライバが同じ顔で戻ってくる。「初期化したのに直らない」の正体のひとつが、これです。

パーツ交換も同じ構造です。メモリを替えた、SSDを替えた、電源も替えた。すると人間は「替えたものは無罪」と判定します。私もします。でも、替えた新品が初期不良を抱えている可能性はゼロではないし、そもそも「替えたリスト」に一度も載らない部品と環境が、PCにはたくさんあります。

用語:未交換ゾーンとは
未交換ゾーンとは、初期化・パーツ交換・BIOS更新のいずれでも一度も手が触れていない、PCの部品・配線・設置環境の総称である。具体的には、電源ユニットから各パーツへの供給経路、ケーブルと接点、冷却系、コンセントや電源タップ、そして「初期化後に自動で戻ってくるドライバと設定」が含まれる。三大対策をやり尽くしたフリーズは、ここから探し直すと早い。
ピシコ店長 店長より
「もう全部やった」と言われるPCを店頭で開けると、CPUクーラーにホコリのフェルトができていたり、電源ケーブルが半差しだったり、ということがあります。責めているのではなく、三大対策の視界にそもそも入っていない場所なんです。
三大対策が触っていない「未交換ゾーン」の一覧
① 電源の供給経路(ユニットを替えても残るもの)

電源ユニットを替えた人は多いのですが、電源ユニットの手前と奥はほぼ替えられていません。手前はコンセント・電源タップ・UPS。奥はマザーボードへの24ピン、CPU用の8ピン、グラフィックボードへの補助電源ケーブルです。

特に、負荷がかかった瞬間だけ固まるフリーズはここが怪しい。ゲームや動画の書き出しで落ちる、アイドル中は平気、というパターンです。古い電源タップや、タコ足の先で電圧がふらついている環境は、新品の電源ユニットを付けても救えません。ノートパソコンなら、ACアダプタとそのケーブルの断線も立派な未交換ゾーンです。

② 配線と接点(交換した人ほど増える)

SATAケーブル、M.2スロットのネジ止め、メモリの差し込み、CPUクーラーの取り付け圧。パーツ交換をした人ほど、交換のときに触った周辺が微妙にずれていることがあります。メモリを替えた、スロットに半差しだった、たまにフリーズする、という流れは珍しくありません。「交換した」という行為そのものが未交換ゾーンを増やすという、ややこしい話です。

③ 熱(ホコリは初期化されない)

OSを初期化しても、ヒートシンクのホコリは初期化されません。当たり前なんですが、当たり前すぎて盲点になります。フリーズが「起動直後は平気で、30分から1時間後に来る」なら熱を疑ってください。Lenovoの解説でも、内部ファンで冷却できるレベルを超えると熱暴走でフリーズすると明記されています。ノートなら底面の吸気口と、布団やソファの上で使っていないかも確認を。

④ 「初期化したはず」の中に残るもの

先に書いたドライバの自動復帰に加えて、BIOS更新にも似た落とし穴があります。更新すると設定は初期値に戻る。それで「あ、XMPが切れてる」と手動で戻す。ところが、そのメモリの高速化設定こそが不安定の原因だった、というケースです。BIOSを最新にしたのではなく、不安定な設定を最新のBIOSに移植しただけだった、ということになります。

ここまでで、たぶんお気づきだと思います。三大対策は「部品」を見ている。でもフリーズは「部品と部品のあいだ」と「部品の周り」でも起きる。未交換ゾーンとは、要するに、あいだと周りのことです。……と、語りが気持ちよくなってきたので、このへんでブレーキをかけます。次は手を動かす話です。

ピシコ店長 店長より
XMPを切って1週間様子を見るだけなら、費用ゼロの実験です。地味ですが、店に持ち込む前にこれをやっていただけると、候補が1つ減った状態で診断に入れます。
自分でできる切り分けの手順(順番が大事)

ここは事務的にいきます。順番は「壊さない・お金がかからない・情報が取れる」の順です。1つ変えたら数日から1週間、様子を見てから次へ進んでください。同時にいくつも変えると、直っても原因が分かりません。

1
イベントビューアーで「フリーズした時刻」のログを見る
Windowsキー+Rで「eventvwr」と入力。「Windowsログ」→「システム」で、フリーズした前後の時刻に赤いエラーがないかを確認します。「Kernel-Power 41」は正常に終了しなかった記録で、電源系を疑う手がかり。「disk」「stornvme」などディスク関連のエラーが並んでいればストレージが候補です。
2
タスクマネージャーでディスク使用率を見る
Ctrl+Shift+Escで開き、「パフォーマンス」タブへ。何もしていないのにディスクが100%近くに張り付き続けるなら、ストレージの劣化を疑います。あわせてCrystalDiskInfoなどのS.M.A.R.T.確認ツールで「注意」「異常」が出ていないかも見てください。
3
メモリを2段階でテストする
まずWindows標準の「Windowsメモリ診断」(Windowsキー+R→「mdsched」)。ここで見つからなくても、USBメモリから起動するMemTest86 Free Editionで4パス以上回します。エラーが1件でも出れば、メモリ本体か、スロットか、XMP設定のどれかが黒です。
4
最小構成で動かす
周辺機器をすべて外し、メモリは1枚だけ、グラフィックボードがあるなら外して内蔵GPUで起動。この状態でフリーズが消えるなら、外したものの中に犯人がいます。1つずつ戻して、再現した時点で確定です。
5
電源の「手前」を変える
電源タップを経由せず、壁のコンセントに直挿しにします。ノートならACアダプタを別のものに。お金のかからない実験ですが、負荷時のフリーズがこれで消えることがあります。
一次情報
MemTest86はPassMark社が提供するメモリ診断ソフトで、Free Editionは無料・使用制限なしで配布されています。USBメモリから直接起動するため、Windowsの状態に関係なくメモリだけをテストできます。執筆時点の最新版は2026年5月公開のv11.7です。
どこまで自分で、どこから専門診断か

線引きは「データが危ないかどうか」で決めます。フリーズが不快なだけなら、上の5ステップは全部自分でやっていい。でもストレージ障害のサインが出ているなら、切り分けの続きより先にデータの確保です。Lenovoの解説も、同じ順番で書いています。

一次情報
Lenovo公式の解説では、フリーズの原因特定に「周辺機器をすべて外した最小構成で確認」「イベントビューアーで赤いエラーを確認」「タスクマネージャーでCPU・ディスクの使用率を確認」を挙げ、それでも改善しなければOS再インストール、さらに物理的な故障が疑われる場合は再起動を繰り返さず専門家に相談することを推奨しています。

では、自分の状況がどちら側なのか。目安を2つに分けました。

自分で切り分けを続けていい人
異音がない。ディスク使用率は落ち着いている。S.M.A.R.T.に警告がない。バックアップは取ってある。この4つが揃っていれば、5ステップを順番に。1つ変えたら1週間様子を見る、を守れば壊す心配はほぼありません。
ここで止めて相談したほうがいい人
カチカチ・ジジッという異音がある。ディスクが100%に張り付く。S.M.A.R.T.に「注意」以上が出ている。バックアップがない。あるいは最小構成でも再現して原因が絞れない。1つでも当てはまるなら、これ以上の書き込みと設定変更を止めてください。
ここから先は、壊す側に回ります
ストレージが物理的に弱っている状態で、初期化のやり直し・chkdsk・大きなファイルのコピーを繰り返すと、読める部分まで読めなくなっていきます。フリーズの原因探しより、まず必要なデータを別のドライブに逃がしてください。順番を間違えると、直ったころにはデータがない、という一番つらい結末になります。
ピシコ店長 店長より
店頭で一番つらいのは「直そうと頑張った結果、データだけが先に死んでいた」パターンです。頑張りは正しかったのに、順番だけが逆だった。そうならないための線引きです。
よくある質問
Q
OSを初期化したのにフリーズが直らないのはおかしい?
A
おかしくありません。初期化で消えるのはWindows側の環境だけで、メモリ・ストレージ・電源・熱・配線といったハードウェア側の原因はそのまま残るためです。さらに機種固有のドライバは初期化後にWindows Updateが自動で入れ直すので、ドライバが原因なら初期化しても同じ状態に戻ります。
Q
パーツを交換したのに同じ症状が出るのはなぜ?
A
交換していない部分に原因が残っているか、負荷がかかった時だけ出る電源の供給不足や相性の問題が考えられます。交換した新品パーツ自体の初期不良もゼロではありません。MemTest86などのテストと最小構成で1箇所ずつ切り分けると、原因を絞り込めます。
Q
これ以上自分で試すのが怖い。どうすればいい?
A
ディスク使用率が100%に張り付く、異音がする、といったストレージ障害のサインがあるなら、それ以上の設定変更や書き込みは止めてください。データを守る意味でも、そこから先は専門店での診断に切り替えるのが安全です。

三大対策をやり尽くしたあなたは、すでに「原因はソフトじゃない」「主要パーツでもない」ところまで消去法を進めています。それは失敗ではなく、捜索範囲を未交換ゾーンまで狭めた、ということです。残っているのは、あいだと周り。そこを見に行きましょう。

ピシコ店長
この記事を書いた人
ピシコ店長
苫小牧市のパソコン・スマホ修理店「ピシコ」店長。PC・スマホ修理歴16年。店頭での実際の修理事例をもとに、地域の方に役立つ情報を発信しています。プロフィール詳細
「全部やった」の先に、まだ見ていない場所があります。
初期化・パーツ交換・BIOS更新まで試したPCは、内部の状態を機器で見ると原因が絞れることがあります。何をどこまで試したか、LINEで一言送っていただければ、そこから続きを一緒に考えます。
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ピシコ
苫小牧でパソコン修理店「ピシコ」を16年経営。 毎日テックブログを更新しながら、 企業のAI導入・業務自動化を伴走支援しています。 自分の会社で実装した「自動化」: ✅ 予約システムの完全自動化 ✅ 見積書の自動生成 ✅ 請求書の自動発行 あなたの会社でも、同じ仕組みが作れます。 📞 初回30分無料オンライン相談実施中