
ゲームにハマる。
正直に言います。
ここ数年、ソーシャルゲームに何度も挑戦しては、静かに撤退してきました。
スタミナ制限、デイリーミッション、期間限定イベント、ガチャ沼……。「楽しむためにゲームをしているはずなのに、なんでスケジュール管理してるんだろう」と感じた瞬間に、ため息をついてそっとアンインストール。気づけば40代後半になって、「もうゲームは引退でいいか」とすら思い始めていました。
そんなタイミングで出会ったのが、『NTE: Neverness to Everness』(通称「ネバエバ」)です。
最初にスクリーンショットを見たとき、「ああ、またアニメ系のやつか」と思いました。
かわいい女の子キャラ、イケメンの男性キャラ、キラキラした演出。原神とか、そういう系のゲームが頭に浮かんで、「これは自分向けじゃないな」と思ったんです。
でも実際にプレイしてみると、キャラクターの見た目はあくまでおまけで、本体は「街そのもの」でした。
舞台となる「ヘテロシティ」という都市を歩き始めたら、キャラクターが可愛いかどうかよりも、「この街、なんか落ち着くな」という感覚の方が強くて。気づいたら推しキャラを探すでもなく、ただ夜の路地裏を歩き回っていました。
アニメが得意じゃない方でも、「街のオープンワールドを歩く・走る・ドライブする」という体験自体が目的になれるゲームです。そこだけは断言できます。
ヘテロシティを歩いていると、不思議な既視感があります。
ごちゃごちゃした商店街、昭和の匂いが残る路地裏、ネオンが反射する濡れたアスファルト、公園のベンチ。ゲームとしてはフィクションの世界なのに、「あ、こういう街、あるよな」という感覚がずっとある。
GTA(グランド・セフト・オート)や『サイバーパンク2077』も好きでやったことがあります。でもあれらはどこか「外国の映画の中」みたいな感じがしていて、没入感があるけど”自分の場所”という感覚ではなかった。NTEの街並みは、日本の日常生活に近い空気感がある。コンビニっぽい店があって、自転車で通り過ぎる人がいて、ちょっと怪しい居酒屋が路地にある。
ファミ通がこのゲームを評して「ひとり暮らしのワンルーム、スクーターで流す街」と表現していましたが、まさにその言葉がしっくりくる。子どものころ、ゲームの世界に「本当にここに行きたい」と感じたあの気持ちが、48歳になって急に戻ってきました。
NTEには車の運転があります。入手した車はカスタマイズでき、街を自由に走り回れます。
これが単純に気持ちいい。
GTAみたいに「とにかく暴れる」というより、「夜の街をドライブしていると、なんか落ち着く」という感覚に近い。雨が降っているヘテロシティの夜道を、お気に入りの車でゆっくり流す。それだけで30分くらい経ってたりします。
もちろん友人と山道でカーレースに挑んだり、街中でカーチェイスのミッションをこなしたりもできる。「目的地に行かなくていいや、もうちょっとこの道を走ろう」と思える自由さ。これが都市型オープンワールドの醍醐味なんだと、プレイしてようやくわかりました。
ちなみにガードレールや電柱を車でぶっ壊せますし、調子に乗りすぎると治安官に追われます。GTAを遊んだことがある方なら、この感覚、絶対わかると思います。
車だけでなく、パルクール移動(壁登り・ダッシュ・ジャンプ)、ビルのてっぺんまでよじ登ることも可能。キャラクターによっては反重力移動で壁や天井を走ったりもできます。空から街を見下ろして「こんなに広かったのか」と気づく瞬間が、個人的には一番好きです。
ゲームのメインはミッションをこなすことですが、それ以外にできることが山ほどあります。
カフェを経営してコツコツ稼いだり、タクシーで人を運んだり、銀行強盗(体験)に参加したり、釣りや麻雀でぼーっと時間を潰したり。自分のマイホームを買ってインテリアをカスタマイズすることもできます。
電撃オンラインのレビューが「カフェ経営から強盗&脱獄まで…気づいたら時間が溶けてる」と書いていましたが、本当にそのとおりで。ゲームとしてのメイン目的を完全に忘れて、「今日は釣りだけして終わった」みたいな日があります。
「基本無料」と聞くと構えてしまうんですよね、正直。「どうせスタミナ制限があって、ガチャを引かないと詰まるんだろう」って。
でもNTEは違いました。
行動がスタミナで制限される感覚がほとんどなく、「今日はログインしなきゃ」という強迫観念がない。街を歩いて、依頼をこなして、ちょっと車でドライブして、飽きたらやめる。その繰り返しだけで普通に楽しめます。
ガチャは存在しますが、「すり抜けなし」仕様です。つまりピックアップされているキャラクターは必ず手に入る。さらにガチャ自体がすごろく形式で「引く作業」にならない工夫がされています。「何十万もつぎ込んで目当てのキャラが来なかった」という地獄が、構造として起きにくい設計です。
App Storeのレビューに「すり抜けがないこと、もう一度言います。すり抜けません。これだけで大歓喜です」という声がありましたが、これはガチャに痛い目を見てきたおっさん勢には本当に刺さる言葉です。
ストーリーの設定としては、「異象(アノマリー)」という超常現象が日常的に起きる大都市で、異象ハンターとして依頼をこなす、というものです。
難しそうに聞こえますが、実際にプレイすると「ちょっと不思議なことが普通に起きてる街で、仲間と一緒に働いている」という感じで、ほとんど難しくない。コメディ寄りのテンポで話が進むので、仕事終わりに少しずつ進めるのにちょうどいい。
レビューを見ると「ストーリーはめちゃくちゃ軽い。平和に進む」という声もありますが、個人的にはそれが良かった。ハードな展開で精神的に削られるゲームは、休日のリラックスタイムには向かないんです。
キャラクターたちとの会話のやり取りもテンポよく面白い。「続きが気になる」というより「この人たちとまた話したい」という感覚です。アニメに詳しくなくても、普通に読み物として楽しめます。
若いころほど反射神経はないし、長時間プレイも体がきつくなってきた。でも「面白さを感じる力」は、別に衰えてないと思うんです。
むしろ、「懐かしさ」や「日常の空気感」に感動できるのは、ある程度の年齢を重ねたからこそかもしれない。NTEの街を歩いていると、そんなことをぼんやり考えます。
ソーシャルゲームに疲れた方、かつてGTAやオープンワールドゲームが好きだった方、「でも今さら」と思っている方、ちょっとだけ試してみてください。基本無料なので、お金の心配なく始められます。
私もパソコン修理の合間に、こっそりヘテロシティを走り回っています。














