本文へスキップ

GPD WIN Max 3は買いか|30万円台のゲーミングPC

GPD WIN Max 3は買いか|30万円台のゲーミングPC

GPD WIN Max 3 が、2026 年 12 月 25 日に国内で発売されます。国内の販売元は天空で、9 月 24 日に予約の受付が始まりました。9.06 インチの有機 EL 画面にキーボードとゲームパッドをまとめた小型のゲーミング PC で、中身は AMD の Ryzen AI Max+ 395/388。価格は 30 万 8,000 円から 69 万 8,000 円です。

30 万円。小型 PC の値札としては、見た瞬間に一度スマホを伏せたくなる数字です。それでも気になってしまうのは、この機械が前側のパーツを「外ではバッテリー、家では冷却ファン」と着せ替えるという、変なことをやっているからです。この記事では、何ができて何が弱いのか、同じお金で据え置きのゲーミング PC を買うのと比べてどう考えればいいのかを、PC ゲームを遊ぶ前提で整理します。

先に結論:GPD WIN Max 3 は、2026 年 12 月 25 日発売・30 万 8,000 円からの、持ち運べる高性能ゲーミング PC です。3 モデルとも GPU は同じ Radeon 8060S で、家では別売りの冷却ファンモジュールに付け替えると CPU の TDP を最大 120W まで上げられると報じられています。

家でしか遊ばないなら、同じ予算の据え置きのほうが性能・冷却・後からの強化で有利です。「外でも同じゲームを、同じ PC で」に 30 万円を払えるかどうかで決まります。

GPD WIN Max 3 は 12 月 25 日発売。3 モデルの価格と中身

まずは数字から。モデルは 3 つで、違いは CPU・メモリ・SSD の組み合わせです。価格は税込みで、予約した人は本体価格から 3,000 円引きになります。

CPUメモリSSD価格(税込)
Ryzen AI Max+ 38832GB1TB308,000 円
Ryzen AI Max+ 38864GB2TB398,000 円
Ryzen AI Max+ 395128GB2TB698,000 円
GPD WIN Max 3 のモデルと価格(予約価格は各 3,000 円引き。2026 年 9 月 24 日の発表時点)

ほかの主な仕様は次のとおりです。画面は 9.06 インチの有機 EL で、解像度は 2,400×1,504 ドット、リフレッシュレートは最大 165Hz。端子は USB4、USB 3.2 Gen 2 の Type-C、USB 3.2 Gen 1 の Type-A が 2 つ、HDMI 2.1、microSD Express のカードスロット、ヘッドセット端子。無線は Wi-Fi 6E と Bluetooth 5.3、OS は Windows 11 Home です。

大きさはモジュールを外した状態で 207×147×34mm、重さは約 815g。標準のバッテリーモジュールを付けると約 1,220g になります。「手のひらサイズ」と呼ぶには、ずっしり 1.2kg。片手で持って電車で遊ぶ機械というより、膝か机に置いて遊ぶ機械だと思っておくと、届いた日にがっかりしません。

天空は GPD WIN MAX 3 国内正規版を 2026 年 12 月 25 日に発売し、9 月 24 日から GPD Direct、ハイビームの公式オンラインストアと店舗、Amazon.co.jp で予約を受け付ける。予約者は本体価格から 3,000 円引き。保証は 1 年間で、国内の修理拠点で対応する。

出典:株式会社天空 プレスリリース「GPD WIN MAX 3 国内正規版を発売」

ゲームだけなら、いちばん安いモデルでも GPU は同じ

表を眺めていて気づいたのが、ここです。Ryzen AI Max+ 395 は 16 コア 32 スレッド(最大 5.1GHz)、388 は 8 コア 16 スレッド(最大 5GHz)と CPU のコア数は倍違うのに、内蔵 GPU は 3 モデルとも Radeon 8060S(40CU)で同じです。ゲームの描画を担うのは GPU なので、遊ぶだけなら 30 万 8,000 円のモデルでも心臓部は上位と同じ、ということになります。

ここ、見落としがちです:この GPU はグラフィックボードのような専用メモリを持たず、本体のメモリを分けて使います。上位モデルは 128GB のうち最大 96GB をビデオメモリに割り当てられると報じられていますが、32GB モデルではゲームと Windows と GPU で 32GB を分け合うことになります。メモリを後から足せる設計かどうかは発表資料で確かめられなかったため、あとで増やす前提では選ばないでください。

じゃあ 64GB モデルが正解か、と言いたくなるのですが、ここで 9 万円の差を「メモリ代」として飲めるかは遊ぶゲームしだいです。……と、ここまで書いて、発売前の機械のメモリ配分を机上で語っている自分に気づいたのでやめておきます。実際の動きは、発売後の実機のレビューを待つのがいちばん確かです。

GPD WIN Max 3 の着せ替え構造。外ではバッテリー、家では冷却ファン

この機械のいちばんの見どころは、本体の手前側に付ける着脱式のモジュールです。標準で付いてくるのは 97Wh(4Gamer によれば 97.53Wh)のバッテリーモジュールで、パームレストを兼ねています。これを外して、別売りの冷却ファンモジュールに付け替えられる。私はこれを勝手に「着せ替えゲーミング PC」と呼ぶことにしました。

外では 97Wh のバッテリー、家では 2 基のファンを足す

本体にはもともと冷却ファンが 2 基入っています。別売りのファンモジュールにも 2 基のファンが入っていて、付けると合計 4 基で冷やす形になります。バッテリーモジュールでの駆動時間は、軽い作業で約 8 時間、標準的な使い方で約 4.5 時間、重い処理で約 2.5 時間。180W の充電器で約 1.5 時間で満充電になるとされています。

外出時はバッテリーモジュールを、自宅やオフィスではファンモジュールを付ける使い方を想定している。別売りのファンモジュールは 2 基の空冷ファンを内蔵し、本体と合わせて計 4 基のファンで冷やすことで、CPU の TDP を 120W まで引き上げられる。

出典:4Gamer.net「モジュール構造で冷却ファンの追加も可能な小型ゲームノートPC『GPD WIN Max 3』の予約受付がスタート」

別売り品の価格は、ファンモジュールが 8,800 円(予約価格は 4,400 円)、予備のバッテリーモジュールが 15,000 円です。PC Watch によれば、モジュールを外した状態でも AC アダプターにつなげば動きます。一方で、ファンモジュールを付けているときに本体だけでバッテリー駆動できるのかは、確認できた発表資料には書かれていませんでした。

メモ:ファンモジュールを付けると 120W まで上げられる、という数字は出ていますが、バッテリーモジュールを付けているときの標準の TDP は、確認できた資料には載っていませんでした。「外で遊ぶときは家より控えめの性能になる」と考えておくのが無難です。

小型 PC にとって「熱」がなぜ大事なのか

小型のゲーミング PC は、性能の上限を CPU の型番ではなく「どれだけ熱を逃がせるか」で決められてしまいます。同じチップでも、冷やしきれない機械では自動で電力が絞られ、フレームレートが落ちる。だから冷却を足せる=同じチップの本気を引き出せる、というのがこの着せ替えの理屈です。

用語:TDP とは、CPU が出す熱の目安をワット数で表したもので、冷却の設計をどれだけ用意すればよいかの基準です。小型 PC では TDP の設定を上げるほど性能は伸びますが、そのぶん熱と電池の減りも増えるため、冷やす力と電源がそろっていないと上げられません。

店長
店長
小型機の不調は、中身より先に「吸気と排気がふさがっていないか」を疑います。布団やクッションの上で遊ぶと、どんな冷却の工夫も台無しです。

30 万円あるなら、据え置きのゲーミング PC とどっちがいい?

ここがいちばん悩ましいところです。30 万円あれば、据え置きのデスクトップなら単体のグラフィックボードを積んだ構成を選べます。GPD WIN Max 3 の GPU は CPU に内蔵されたもので、画面・キーボード・バッテリー・冷却を全部 1.2kg に詰め込んだ値段が 30 万円です。払っているのは性能ではなく「持ち運べること」の代金だと考えると、判断がぶれません。

比べる点WIN Max 3据え置きの PC
持ち運びできる(約 1.2kg)できない
GPUCPU 内蔵(全モデル同じ)単体のグラボを選べる
冷却の余裕ファンモジュールで補うケースと部品で大きく取れる
後からの強化ほぼ期待できないGPU・SSD などを交換できる
壊れたときメーカー修理が基本部品単位で直せることが多い
画面9.06 型有機 EL 付きモニターは別に用意
同じくらいの予算で比べたときの向き不向き(一般的な傾向)

家の机でしか遊ばない人は、据え置きを選んだほうが満足しやすいです。出張や帰省、家の中でも部屋を移って遊びたい人、Steam のライブラリをどこでも同じ PC で続けたい人には、GPD WIN Max 3 のような機械に意味があります。遊び方で決まる話で、どちらが上という話ではありません。

ちなみに GPD WIN Max という名前には前の世代があり、このブログでも初代の予約開始のときに取り上げています。キーボードとゲームパッドを一体にした形は、そのころから変わっていません。

GPD WIN MAX
店長
店長
「いつか持ち出すかも」で小型機を選ぶと、結局机から動かないことが多いです。持ち出す予定が具体的に言える人だけが、この値段の元を取れます。

持ち運ぶゲーミング PC で先に知っておきたいこと

持ち運べるということは、落とせる、ぶつけられる、濡らせる、ということでもあります。据え置きの PC にはほとんど起きない壊れ方が、持ち運ぶ PC では日常のすぐ隣にあります。買う前に、次のことを頭に入れておいてください。

  • 持ち歩くときは専用のケースに入れ、画面を守る。有機 EL の画面は割れると交換の費用がかさみやすい
  • モジュールの付け外しは、電源を切って平らな場所で行う
  • 予備のバッテリーモジュールを買うなら、使わない間は満充電のまま放置しない
  • 保証は 1 年間。届いたら保証書と購入の記録をすぐ取っておく
  • ゲームのセーブデータは、Steam のクラウド保存が効いているかを最初に確かめる

もう一つ、修理のしやすさの話です。小型機は部品が専用品で、ネジを外せば何でも替えられるデスクトップとは事情が違います。保証の 1 年間に出た不具合は、まず販売元の保証で直すのが遠回りに見えていちばん早い道です。天空は国内の修理拠点で対応するとしています。

注意:バッテリーモジュールが膨らんで本体とのすき間が広がった、付け外しが固くなった、と感じたら使うのをやめてください。リチウムイオン電池の膨張は、そのまま使い続けると発熱や発火につながるおそれがあり、本体の画面や基板を内側から押して壊すこともあります。

店長
店長
保証期間内の機械を、自分で開けたりよそで直したりするのはおすすめしません。保証が使えるうちは保証が最強です。

よくある質問

GPD WIN Max 3 はいつ、いくらで買えますか?

2026 年 12 月 25 日発売で、価格は 30 万 8,000 円から 69 万 8,000 円(税込)です。国内販売元の天空が 9 月 24 日から GPD Direct、ハイビーム、Amazon.co.jp で予約を受け付けており、予約した人は本体価格から 3,000 円引きになります。

冷却ファンモジュールを付けているとき、バッテリーで動きますか?

確認できた発表資料では、ファンモジュール装着時にバッテリーで動くかどうかは明記されていません。モジュールは 97Wh のバッテリーモジュールと付け替える方式で、外ではバッテリー、家ではファンという使い分けが想定されています。購入前に販売元の仕様を確かめてください。

同じ 30 万円なら据え置きのゲーミング PC のほうがいいですか?

家でだけ遊ぶなら、据え置きのゲーミング PC のほうが性能・冷却・後からの強化・修理のしやすさで有利なことが多いです。GPD WIN Max 3 の価格には、画面やバッテリーを含めて持ち運べることの代金が入っています。外でも同じ PC で遊ぶことに価値を感じるかどうかで選んでください。

まとめ

GPD WIN Max 3 は、2026 年 12 月 25 日に国内発売される、Ryzen AI Max+ 395/388 を積んだ小型のゲーミング PC です。価格は 30 万 8,000 円から 69 万 8,000 円で、3 モデルとも GPU は Radeon 8060S。前側のモジュールを 97Wh のバッテリーと冷却ファンで付け替え、ファンを付ければ TDP を 120W まで上げられるとされています。

「着せ替えゲーミング PC」は、外と家で同じ PC を使い倒したい人のための機械です。家から出さないなら据え置きを、持ち出す予定がはっきりあるならこの着せ替えを。30 万円の使い道は、性能ではなく遊ぶ場所で決めてください。保証が切れたあとの不調や、ゲームが重い・落ちるといった切り分けで困ったときは、ご来店か出張で見せていただければ一緒に確かめます。

この記事を書いた人

ホンダ ヒデユキ

ホンダ ヒデユキ

北海道苫小牧市でパソコン修理店「ピシコ」を運営しています。 パソコン修理・データ復旧・自作PCサポートなど、現場での対応を続けながら、毎日テックブログを更新しています。 近年は、企業向けのAI導入や業務自動化の支援にも力を入れており、予約・見積・請求など、日々の業務を効率化する仕組みを実際に構築・運用しています。 「難しいことを、できるだけわかりやすく」を大切に、修理の現場やAI活用で得た知識を発信しています。