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デジタル遺品のデータ救済依頼が増えてきました

デジタル遺品のデータ救済依頼が増えてきました

ここ最近では、故人が所持していたパソコンの中身となる写真やファイルなどの救済依頼が増えてきております。

PCではデータ救済は可能ですが

その背景にはパソコンが世間に浸透されてからWindows95から数えれば、既に27年の月日が流れその時代を駆け抜けた方達の貴重なデータを復旧をご希望とされるご遺族は、何処に相談を行えば良いか困惑されております。

因みに、ご相談内容で多いのは「パスワードが分からないのでパソコンの中身を見る事ができない」というもので、内部の記憶媒体のデータだけを取り出し、その後OSを新規にインストールして使えるようにする事を最初にご提案させて頂いております。

とはいえ、既存のアプリやご登録されていたクラウドサービスなどの痕跡などは抹消されてしまう事から、なんとかそのままの環境で利用されたいご希望も少なからずあります。これらはOSにより可不可が分かれる事ではありますが、パスワードの変更を強制的に行う事も可能ではあるものの、確実に行えるという確証はお問い合わせの段階では判断が出来ません。

スマートフォンのデータ救済はほぼ不可能と考える

ここまではパソコンのお話で、スマートフォンのデータ救済のご相談となれば、ほぼデータの救済は不可能だと考えた方が良いレベルです。

この「不可能」と考えるのはパソコンと異なり、外部からの起動が行えないスマートフォンではパスワードの強制変更を行う方法が無い事から、一部で販売されているソフトウェアでは強引にパスワードを解除出来るというものが存在するものの、成功事例があまりにも少ないのが現状であり、現実的な方法ではありません。

つまり、一つもデータが取り出せないままiPhoneやAndroid端末を放置せざるを得ないのですが、ご希望とされる内容が「故人のサービスの解約もしくは連絡先の入手程度」であれば、ご遺族の方達だけでも行う事が可能、かもしれません。

iPhoneでは故人が事前に申請すれば可能

例えばiPhoneの場合、アップルでは「故人アカウント管理連絡先がアクセスできるデータ」という情報を提供しておりますので、手続きは「Apple ID の故人アカウント管理連絡先を追加する方法」を参考に申請を行う必要があります。

Apple で故人アカウント管理連絡先からの申請内容を審査し、上記の情報の確認がとれた場合にのみ、故人の Apple アカウントのデータへのアクセスを認めます。アクセスが承認された後、故人アカウント管理連絡先は特別な Apple ID を受け取ります。この Apple ID を設定し、故人のアカウントへのアクセスに使えます。故人の Apple ID とパスワードは使えなくなり、その Apple ID を使っていたすべてのデバイスでアクティベーションロックが解除されます。 

アップルより Apple ID の故人アカウント管理連絡先を追加する方法 から引用

手続きが承認された故人のiPhoneは、特別にアクセス出来る権限が与えられるのですが一番難しい所は「故人が故人アカウント管理連絡先を選択した際に生成したアクセスキー」を所有しているかがカギになります。

つまりは、生前に故人が登録しないと利用出来ないサービスに近いですが、無いよりはマシと考えても故人のプライバシーを守る意味でもここまで厳重な審査が必要だという事ですね。

Googleではアカウントの削除申請のみ

Googleでは故人のアカウントにログインする方法は存在しないらしく「アカウント無効化管理ツールについて」という、アカウントを削除する為の手続きがありますが、これもアップル社同様に以下の内容となるようです。

アカウント無効化管理ツールは、ユーザーが一定の期間自分のアカウントを利用していない状態が続いた場合に、そのアカウント データの一部を公開したり、他のユーザーに通知したりするための手段です

Googleより「アカウント無効化管理ツールについて」から引用

つまりはAndroid端末もiPhone同様の処理となりますが故人のGmailアドレスを知っていればそれがGoogleアカウントと考え、パスワードさえ手元にあえれば外部から連絡先などの情報を手に入れる事が可能です。

因みに故人のGoogleアカウントが二段階認証が入っている場合では詰んでしまいますが、iPhoneよりも手に入れられる情報が比較的明確である事から、試せる事は多少なりあるかもしれません。

これらの2点のサービスを考えると、事前に故人に依頼をするか、可能であれば事前にご親族は故人のスマートフォンに登録を行っておくと良いかもしれません。

デジタル遺品の入手は想像以上に大変である事を、この記事をお読みになられた方がご理解頂ければ幸いです。

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