
外国から来たお客様に英語で話しかけられて、言葉に詰まる。海外旅行の前に、現地で話が通じるか不安になる。
そんなときに気になるのが AI通訳イヤホンです。Timekettle(タイムケトル)の新製品「W4 Plus」は、日本で売られる版なら月額料金なしで使えるとされ、Makuake で先行販売が始まっています。
11月3日には ITmedia PC USER が、オンラインとオフラインの翻訳精度を比べたレビューを載せました。この記事では、その結果とメーカーの公表内容をもとに、買う前に確かめたいことを整理します。
先に結論:W4 Plus は、ネットにつながっていれば翻訳の精度が高く、日本版は月額・年額の料金がかかりません。ただし、オフラインで日本語と組める相手は英語と中国語だけで、金額や時刻を読み違える例が報告されています。
パソコンには対応しておらず、使うのはスマホかタブレットの専用アプリです。Makuake での購入は先行販売で、届くのは2027年1月末までの予定。サポーター都合のキャンセルは原則できません。
AI通訳イヤホン「W4 Plus」とは?月額0円の中身
W4 Plus のいちばんの売りは、イヤホンを片耳ずつ相手と分け合って話す「1対1通訳」です。充電ケースは磁石で左右に分かれ、片側をケースごと相手に手渡せる作りになっています。
用語:AI通訳イヤホンとは、相手と自分の声を拾って AI で翻訳し、訳した音声をイヤホンやスマホから流す機器のことです。W4 Plus の場合は、スマホかタブレットの専用アプリとつないで使います。イヤホンだけでは翻訳できません。
ITmedia によると、ハードウェアは同社が国内ですでに売っている「W4」と同じです。翻訳の仕組み(Babel OS)を 2.0 から 3.0 に新しくし、専門分野に合わせた翻訳、自然な言い回しへの調整、会話中の同時要約が加わりました。
主な仕様を表にします。数字はメーカーの公表値です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通訳モード | 1対1通訳/切替通訳/通話通訳/音声・動画翻訳 |
| オンライン | 52言語・106アクセント |
| オフライン | 13組の言語ペア(日本語は英語・中国語と) |
| 対応端末 | Android 10以降/iOS 15.0以降(パソコンは非対応) |
| 連続通訳 | 3時間以上(ケース併用で最大12時間) |
| 重さ | 片耳約5.7g、ケース込み約116.5g |
| 月額・年額 | 日本版はかからない |
海外版は、379ドルの買い切り版と、299ドルの本体に月額14.99ドルを足すサブスク版の2本立てです。日本の Makuake 版は、全機能を月額料金なしで使えます。
会話が終わったあとの AI 議事録や、文字起こしの書き出しもあります。ただ ITmedia のレビューでは、記録はアプリの中にだけ保存され、機種変更をすると履歴は引き継がれないとのことです。
メモ:月額0円には「サービスが継続する限り」という条件が付いています。Makuake のページでは、機能の更新や対応言語の追加はネット経由で無料とされています。
AI通訳イヤホンはオフラインでどこまで使える?
旅行で気になるのは、ネットが無い場所でも使えるかどうかです。W4 Plus は、言語パックを先にダウンロードしておけば、通信なしでも翻訳できます。
ただし、オフラインで日本語と組み合わせられるのは英語と中国語だけです。13組の言語ペアは英語と中国語が軸になっていて、たとえば日本語と韓国語の組み合わせはオフラインでは使えません。
日付や金額、遠回しな断りなどを含む12の例文を2回ずつ読み上げたところ、オンラインでは2回とも12文すべてが意味の通る英語になった。オフラインでは2回とも4文の意味が崩れ、「4万7599円」が「4万759円」と認識されるなど、金額・時刻・断りの文で誤りが出た。
出典:ITmedia PC USER「月額無料のAI通訳イヤフォン『W4 Plus』を試す」
数字の読み違いは、接客ではそのまま行き違いになります。レビューには、「50台以上なら15%引き」が「50歳以上の人は15%引き」という意味の英語になった例も載っていました。
比較として試された Galaxy AI のオフライン通訳でも、意味が崩れた文は同じく4つでした。W4 Plus のオフラインが特別に弱いのではなく、オンラインとオフラインの差が大きい。これがレビューの見立てです。
ここ、見落としがちです:オフラインで使うには、言語パックのダウンロードと、アプリの設定でオフラインモードへの切り替えが要ります。現地で電波が無くなってからでは言語パックを落とせないので、出発前に自宅の Wi-Fi で済ませておいてください。
ITmedia は、オフラインで通訳として使うなら、金額や時刻、依頼の内容を相手の反応を見ながら確かめたほうがよい、と結んでいます。

価格と届く時期:Makuake と一般販売の違い
W4 Plus は、2026年10月8日から Makuake で先行販売されています。募集は12月7日までで、一般販売は2027年2月初旬の予定です。
| 買い方 | 価格(1台) | 届く時期 |
|---|---|---|
| Makuake 先行販売 | 48,999〜57,799円(割引の枠による) | 2027年1月末までの予定 |
| 一般販売 | 67,999円(予定) | 2027年2月初旬に販売開始の予定 |
| W4(従来機) | 41,600円 | W4 Plus の一般販売に合わせて販売終了の予定 |
Makuake の安い枠は数量限定で、受付を終えたものも出ています。数量に限りのない「MAKUAKE限定割」は 57,799円(15%オフ)です。
ITmedia は、ハードが同じ W4 より約2万6000円高いぶん、AI 機能を月額料金なしで使えると考えれば、長く使うほど割安感は増すとまとめています。
気をつけたいのは、Makuake はお店で買うのとは仕組みが違う点です。先にお金を払い、製品ができあがって届くのを待つ形になります。
プロジェクトは All in 型で、期限までに支払いが済んだ時点で購入が成立する。サポーター都合のキャンセル・返金は原則できず、メーカー保証は商品のお届けから1年間。
出典:Makuake「Timekettle W4 Plus」プロジェクトページ
届く時期にも幅があります。応援購入が想定を超えた場合は、出荷が遅れることがあると書かれています。
配送予定月から3か月を超えて遅れた場合は、希望者に限りキャンセルできるとされています。逆に言えば、それより前は待つしかありません。
ここ、見落としがちです:2027年1月の旅行や行事に合わせて買うと、間に合わないおそれがあります。使う日が決まっているなら、届く時期に余裕があるかを先に確かめてください。急ぐ用事なら、一般販売を待つか、手元のスマホのアプリでしのぐほうが確実です。
スマホの翻訳アプリで足りる人・イヤホンが向く人
6万円前後の機器を買う前に、手元のスマホで足りないかを考えておきたいところです。ITmedia のレビューも、旅先で道を尋ねる程度ならスマホの無料の翻訳機能で事足りる可能性がある、と書いています。
| 使い方 | 向くもの |
|---|---|
| 旅先で道を尋ねる程度 | スマホの無料の翻訳機能 |
| 英語の動画や配信をよく見る | W4 Plus(字幕がほぼリアルタイム) |
| 海外出張や旅行で相手と話す | W4 Plus |
| 会話の要約を残したい | W4 Plus(AI 議事録) |
| パソコンで仕事を完結させたい | W4 Plus は向かない |
1対1通訳は、片耳ずつイヤホンを分け合うので、スマホを二人の間で行き来させずに話せる作りです。ただ、ITmedia は相手役を用意できず、この機能を試していません。
いちばんの売りの使い勝手は、まだ第三者の検証が出ていない状態です。接客の道具として勧められるかどうかは、1対1通訳のレビューが出てから決めても遅くありません。
外国の方との会話は、身近なところでも起きています。当店の Google のクチコミにも、英語で修理の質問が書き込まれたことがありました。
スマホの AI だけで外国の方と会話する方法は、以前の記事で試しています。イヤホンを買う前の比べる材料にしてください。

W4 Plus を買う前に確かめたいこと
ここまでの話を、申し込む前の確認項目にまとめます。上から順に見ていけば、買ってから困る場面はかなり減らせます。
- 使いたい言語が、オンラインの52言語に入っているか。オフラインで使うなら、日本語と組めるのは英語と中国語だけ
- 手持ちのスマホやタブレットが、Android 10 以降か iOS 15.0 以降か
- パソコンで使う予定が無いか(パソコンは非対応)
- 使いたい日までに届くか(Makuake は2027年1月末までの予定)
- サポーター都合のキャンセルが原則できないことを受け入れられるか
- 議事録や文字起こしを残すなら、機種変更の前に書き出す手間をかけられるか
パソコンが非対応なのは、仕事で使う人には大きな点です。ただ、聞くだけなら回り道があります。
メモ:ITmedia によると、パソコンで流れている英語の動画や Web セミナーは、「切替通訳」でパソコンのスピーカーの音をスマホのマイクに拾わせれば訳せました。ただし聞く側だけで、自分の発言は訳せません。Web 会議で双方向に通訳するなら、スマホかタブレットから会議に参加して「通話通訳」を使います。
お店や会社の経費で買う方は、Makuake での購入はインボイス(適格請求書)に対応しない点も見ておいてください。会話データは原則としてスマホやタブレットに保存され、クラウド同期を使う場合は日本国内(東京)のサーバーに保存される、とページに書かれています。
接客で言葉の壁を下げる方法は、イヤホンのほかにもあります。店の張り紙を4か国語にした話は、以前の記事に書きました。

よくある質問
ネットがつながらない場所でも W4 Plus は使えますか?
使えますが、先に言語パックをダウンロードし、アプリでオフラインモードに切り替えておく必要があります。オフラインで日本語と組める相手は英語と中国語だけです。ITmedia の検証では、オフラインで金額や時刻を読み違える例がありました。
W4 Plus はパソコンにつないで使えますか?
パソコンには対応していません。使うのは Android 10 以降か iOS 15.0 以降のスマホ・タブレットの専用アプリです。Web 会議で通訳を使うなら、スマホかタブレットから会議に参加します。
Makuake で申し込めばすぐ届きますか?
すぐには届きません。Makuake は先行販売で、お届けは2027年1月末までの予定です。サポーター都合のキャンセルは原則できないので、使う予定の日に間に合うかを確かめてから申し込んでください。
まとめ
W4 Plus は、ネットにつながる場所なら翻訳の精度が高く、日本版は月額料金がかかりません。弱いのはオフラインと、パソコンに対応しない点です。
いちばんの売りの1対1通訳は、まだ第三者の検証が出ていません。評価はそこが分かってからでも決められます。
申し込む前に、使いたい言語、届く時期、手元のスマホの OS の版の3つを確かめてください。最初の一歩は、スマホの設定画面で OS の版を見ることです。










