パソコンのChromeの右上、三点メニューのアイコンが赤い状態になっていませんか。私はこれを店頭で月に何度も見かけます。そして持ち主本人は、だいたい気づいていません。壊れたわけでもウイルスでもないのですが、「大丈夫じゃない」寄りのサインではあるので、今日はこの赤いアイコンの正体と、30秒で終わる対処法の話をします。
先に結論
Chromeの右上アイコンが赤いのは、ブラウザの更新が長期間(目安として1週間以上)適用されないまま保留されているサインです。故障でもウイルス感染でもありません。
右上メニュー→「ヘルプ」→「Google Chrome について」→「再起動」で解決します。開いていたタブは再起動後に自動で復元されます。
Chromeのアイコンが赤いのはなぜ?
まず正体から。これはChromeのデスクトップ版に昔からある仕様で、要するに「更新プログラムはとっくに用意できているのに、あなたがブラウザを再起動してくれないので適用できません」という通知です。
用語:Chromeの赤いアイコンとは
Chromeの赤いアイコンとは、ダウンロード済みの更新プログラムが長期間インストールされないまま保留されていることを知らせる、Chromeデスクトップ版の通知表示である。目安として保留から2日ほどで緑、4日ほどでオレンジ、1週間以上で赤に変わるとされています。色が濃くなるほど「待たされている期間が長い」という意味であって、赤になった瞬間に何かが壊れるわけではありません。
Chromeの更新は、普段はブラウザを閉じて開き直すあいだに裏で勝手に済んでいます。だから毎日ちゃんとパソコンごと終了させている人は、この色をほぼ見ません。逆に言うと、赤いアイコンが出ているということは——Chromeがあなたに「最後に私を閉じたの、いつですか」と聞いています。
店長より
「ウイルスに感染したかも」と不安そうに持ち込まれることもあるのですが、この赤いアイコン自体は正常な仕組みです。慌てなくて大丈夫ですよ。
タブを人質に取られていませんか — 「タブ人質問題」
「再起動すればいいだけなら、なんで1週間も放置するの?」と思った方。あなたのChromeのタブ、いま何個開いていますか。
調べ物の途中のタブ。あとで読むつもりの記事のタブ。もう何のために開いたのか思い出せないけれど、閉じる勇気が出ないタブ。再起動ボタンを押せばいいことは、みんな分かっているんです。でもタブが人質に取られている。この現象を、当店では(私が勝手に)「タブ人質問題」と呼んでいます。
店頭では、タブが50個以上開いたまま何週間も稼働し続けているノートパソコンをお預かりすることが珍しくありません。持ち主に聞くと、ほぼ全員が同じことを言います。「閉じたら消えそうで」。お気持ちは分かります。私も昔、タブ73個を人質に取られていた側の人間なので。
ただ、ここで朗報です。人質は、再起動しても帰ってきます。Chromeは再起動時に、開いていたタブとウィンドウを自動で復元してくれます。つまりタブ人質問題は、「人質は最初から無事」という事実を知った瞬間に解決する事件です。
ここ、見落としがちです
復元されるのは「タブそのもの」です。フォームに入力中の内容や、送信前の書きかけの長文など、タブの中の作業データまでは戻りません。また、シークレットウィンドウは復元の対象外です。書きかけのものがある場合は、メモ帳などに退避してから再起動してください。
今すぐやること — 30秒で終わる再起動手順
やることは以下のとおりです。手順と呼ぶのが申し訳ないくらい短いです。
1
右上のメニューを開く
赤くなっているアイコン(普段は縦の三点)をクリックし、「ヘルプ」→「Google Chrome について」を選びます。
2
更新状況を確認する
この画面を開くと、更新の確認とダウンロードが自動で始まります。現在のバージョン番号もここで確認できます。
3
「再起動」を押す
「再起動」ボタンが表示されたら押すだけです。表示されない場合は、すでに最新バージョンです。
4
タブの帰還を見届ける
再起動後、開いていたタブが自動で戻ってきます。アイコンが通常の三点に戻っていれば完了です。
店長より
赤に気づいたその場でやってしまうのがコツです。「後で」を選ぶと、その「後で」は経験上だいたい来ません。
赤いまま放置するとどうなるのか
ここからは少しだけ真剣な話になります。Chromeの更新に含まれるのは新機能だけではなく、大半はセキュリティ修正です。Chromeは脆弱性の修正をかなりの頻度で配信していて、その中にはすでに悪用が確認された脆弱性への修正が含まれることも報告されています。
赤いアイコンのまま使い続けるということは、「修正パッチは手元に届いているのに、穴が開いたままの状態で使い続けている」ということです。ブラウザは、ネットバンキングもカード決済も通販もぜんぶ通る場所です。家に例えるなら玄関で、その玄関の鍵の交換部品が1週間以上、玄関マットの上に置きっぱなしになっている——
と、ここまで書いて、怖がらせすぎている気がしてきました。落ち着いて補足すると、赤いアイコン=即座に事故という話ではなく、これは確率の問題です。ただ、その確率を下げるボタンが目の前にあって、30秒で押せるのです。押さない理由のほうが見つからない、というのがこの話の結論です。
一次情報
Google公式ヘルプでは、更新は通常ブラウザを閉じて次に開くまでの間にバックグラウンドで行われ、しばらく開いたままにしていると保留中のアップデートが表示されることがあると案内されています。また、再起動時には開いていたタブとウィンドウが自動的に復元されること(シークレットウィンドウを除く)も明記されています。なお、色と日数の対応(緑・オレンジ・赤)は現在の公式ヘルプには記載がなく、目安の日数は複数の解説記事で伝えられている情報です。
店長より
会社支給のパソコンなど管理された環境では、更新のタイミングが管理者側で制御されていることがあります。手順どおりに進まない場合は無理に触らず、管理者かお店にご相談ください。
よくある質問(Q&A)
Q
アイコンが赤いまま使い続けるとどうなりますか?
A
すぐに動作が壊れるわけではありませんが、公開済みのセキュリティ修正が反映されないまま使い続けることになります。Chromeは頻繁に脆弱性の修正を配信しているため、赤色に気づいたら早めに再起動することをおすすめします。
A
通常は消えません。更新の再起動では、開いていたタブとウィンドウが自動で復元されます(シークレットウィンドウを除く)。ただしフォームの入力途中の内容などタブの中の作業データは戻らないため、書きかけのものは退避してから再起動すると安心です。
Q
再起動してもアイコンが赤いまま・更新できないのですが?
A
会社のパソコンなど管理者によって更新が制御されている場合や、ディスク容量不足・通信環境の問題で更新が完了しないことがあります。「Google Chrome について」画面にエラーが表示されていないか確認し、改善しない場合はご相談ください。
最後にもう一度だけ。タブ人質問題の解決に必要なのは、勇気ではなく「人質は最初から無事」という知識だけでした。赤いアイコンは、Chromeからの「そろそろ私を閉じてください」という、かなり控えめな悲鳴です。気づいた今日が、聞いてあげるいちばんいい日だと思います。
この記事を書いた人
ピシコ店長
苫小牧市のパソコン・スマホ修理店「ピシコ」店長。PC・スマホ修理歴16年。店頭での実際の修理事例をもとに、地域の方に役立つ情報を発信しています。
プロフィール詳細
再起動、こわくないです。
それでも押せない事情ごと、お持ちください。タブの救出からアップデート状況の確認まで、店頭で一緒に確認します。
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