
P-TOUCH CUBE PT-P320BT は、ブラザーのラベルライター「P-TOUCH CUBE(ピータッチ キューブ)」の新しいモデルです。本体にキーボードも液晶も無く、文字はスマホのアプリで打ち、本体は印刷だけを受け持ちます。ブラザーの特設サイトでは 2026 年 10 月 28 日発売、ITmedia Mobile の報道では、ブラザーダイレクトクラブでの販売価格が 6,600 円です。
棚や引き出しにラベルを貼れば、探し物は減ります。それはみんな知っています。知っているのに貼らない。私はこれを「あとで貼る」問題と呼んでいます。原因が「電池を買い忘れる」「小さなキーボードで打つのが面倒」の 2 つなら、この機種はよく効きます。原因が別の所にあるなら、効きません。その線引きを、公式の仕様を読みながら整理します。
先に結論:PT-P320BT は、ラベルを「たまに、少しずつ」作る家庭や小さなお店に向く、スマホ接続専用・テープ幅 12mm までのラベルライターです。充電池を内蔵しているので電池の買い置きが要らず、文字はスマホのアプリで打ちます。
パソコンからラベルを作りたい人、24mm 以上の幅広いラベルが要る人、スマホを使わない家族が主に使う場合には向きません。テープは TZe 規格の 3.5・6・9・12mm 幅を使います。
P-TOUCH CUBE PT-P320BT とは。発売日・価格・仕様をまとめて確認
まず、確かめた数字を表にします。発売日と仕様はブラザーの公式ページ、販売価格は ITmedia Mobile の報道によります。公式ページの希望小売価格は「オープン価格」なので、お店によって値段は変わります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026 年 10 月 28 日 |
| 価格 | オープン価格(ブラザーダイレクトクラブで 6,600 円と報道) |
| 接続 | スマホ接続専用(Bluetooth) |
| テープ | TZe 規格 3.5・6・9・12mm 幅 |
| 印刷方式 | 熱転写方式・180dpi |
| 文字の高さ | 最大 9.0mm(12mm 幅のとき) |
| ラベルの長さ | 30〜499mm |
| 電源 | リチウムイオン充電池(内蔵) |
| 大きさ | 約 117×59×115mm(幅×奥行×高さ) |
| 重さ | 約 415g(充電池込み) |
| 色 | ホワイト・ラテ |
表でいちばん目を引くのは「スマホ接続専用」の一語です。仕様表の入力の欄は横棒(-)だけで、書体は「OS 内蔵+アプリ内蔵」と書かれています。文字を打つのも、フォントを選ぶのも、仕上がりを確かめるのも全部スマホ。本体はラベルを吐き出す箱に徹しています。
ブラザー工業は P-TOUCH CUBE の新モデルを 10 月下旬に販売開始し、ブラザーダイレクトクラブでの販売価格は 6,600 円。繰り返し使えるリチウムイオン充電池を本体に内蔵し、充電用の USB Type-C ケーブルが付属する。カセットカバーは、本体から取り外す構造から、付けたまま開け閉めできるヒンジ式に変わった。
出典:ITmedia Mobile「ブラザーのラベルライター『P-TOUCH CUBE』発売 充電池内蔵、スマホアプリからラベル作成」
最後のヒンジ式のカバーは地味ですが、うれしい変更です。テープを替えるたびに外したふたを机のどこかに置いて、見失う。あれが無くなります。白地と透明地の 12mm 幅のお試しテープ(どちらも 4m 巻き)が同梱されているので、届いたその日に試せます。
もう一つ、充電池の内蔵も大きい点です。乾電池式のラベルライターは、使いたい日に限って電池が切れていて、電池を買いに行くうちにやる気も切れる。「あとで貼る」問題の半分は、実はここで起きています。
用語:熱転写方式とは、熱でインクリボンのインクをテープに写して印刷する方式のことです。ブラザーは、ラミネートテープは印字面をフィルムが覆うため水やこすれ・汚れに強く、熱転写の印字は日光や LED の光にも強いと案内しています。ただし、布テープやリボンテープなど、ラミネートされていないテープもあります。
P-TOUCH CUBE PT-P320BT のラベルはスマホで作る。アプリと Label Place の流れ
使い方はシンプルです。スマホに無料のアプリ「P-touch Design&Print 2」を入れ、Bluetooth で本体とつなぎ、文字を打って印刷する。公式の案内と報道に沿うと、流れはこうなります。
- App Store か Google Play から、アプリ「P-touch Design&Print 2」(無料)をスマホに入れる。
- 本体にテープカセットをセットし、スマホと Bluetooth でつなぐ。
- アプリで文字を打ち、フォントや絵文字、飾り枠を選ぶ。整理収納・名入れ・ギフトラッピングなど、用途別のテンプレートから始めてもよい。
- 画面のプレビューで長さと見た目を確かめてから印刷し、本体内蔵の手動カッターでテープを切る。
キーボード付きのラベルライターでいちばんつらいのは、小さな画面でのかな漢字変換でした。ここが、いつものスマホの文字入力にそのまま置き換わります。予測変換が使えて、絵文字も選べて、印刷前に仕上がりに近いプレビューが見える。打つのが面倒で貼らなかった人には、これだけで十分な理由になります。
アプリの中には「Label Place」というサービスがあります。ほかのユーザーが作ったラベルのデザインを使えるテンプレートの共有と、ポイントのプログラムの 2 本立てです。ポイントは純正テープについている QR コードを読み込むと貯まり、フォントやアート(スタンプ)と交換できます。
Label Place では、ユーザー同士でラベルのデザインをシェアでき、ためたポイントをフォントやアートと交換できる。新規登録で受け取れるポイントは通常 150pt で、2026 年 10 月 21 日から 2027 年 3 月 31 日までのキャンペーン期間は 1,000pt になる。
出典:ブラザー「P-TOUCH CUBE PT-P320BT 特設サイト」
ポイントの貯め方は、純正テープの QR コードを読み込むか、自分が作ったラベルを投稿するかです。QR コードの無いテープでも、テープに書かれた番号を入力すれば登録できると案内されています。
メモ:Label Place を使うには、ブラザーオンラインと Label Place の両方の会員登録(どちらも無料)が要ります。ポイントは最後にログインしてから 2 年間有効です。家族で 1 台を使うなら、だれのアカウントで登録するかを先に決めておくと、あとで迷いません。

12mm 幅で足りる? パソコンまわりとお店の備品での使いどころ
12mm 幅のテープで印刷できる文字の高さは、最大 9.0mm です。目の高さの棚、引き出しの前面、ファイルの背なら十分読めます。一方で、離れた所から読ませる掲示には小さい。この幅が向いているのは「手に取って確かめる物」です。
パソコン屋の目線で言うと、ラベルがいちばん効くのはパソコンまわりです。AC アダプターや USB ケーブルは、どれも似たような黒い顔をしています。家に機器が増えるほど「このアダプター、どれの?」が始まり、形が合うからと別の機器のアダプターを挿してしまうことも起きます。
貼っておくと後で助かる場所を挙げます。届いたら、まずこのあたりから始めてみてください。
- AC アダプターの本体に、つなぐ機器の名前
- テレビ裏・パソコン裏のケーブルの両端(細いケーブルは、テープを巻いて旗のように貼り合わせる)
- バックアップ用の外付け HDD や USB メモリに、中身と最後に保存した日付
- ルーターやモデムに、契約している回線会社の名前とサポート窓口の電話番号
- お店の備品の棚や引き出しに、中身と補充の目安
お店で使うなら、棚札や備品の置き場所の表示が中心になるはずです。ラミネートテープは水や汚れに強いと案内されているので、水まわりの近くの収納にも使いやすい。逆に、値札のように毎日書き換える物は、ラベルを剥がして貼り直す手間のほうが大きくなります。
ここ、見落としがちです:ルーターに Wi-Fi のパスワードを貼っておくと家族は助かりますが、お店や事務所では、来客の目に入る場所に貼らないでください。見えるだけで、だれでもつなげる状態になります。来客に Wi-Fi を使ってもらうなら、業務で使うネットワークとは分けておくほうが安全です。
ケーブルに巻く使い方は、12mm 幅がちょうど良い所です。幅の広いテープだと細い USB ケーブルには大きすぎて、旗がばたつきます。小さい物に貼るラベルほど、この機種の得意分野です。

買う前に確かめたい 5 つのこと(テープ代・充電・パソコン・幅・スマホ)
ここまで良い話を並べたので、引っかかる所も書いておきます。どれも公式の仕様から読み取れることです。
- テープ代:使えるのは TZe 規格のテープ。種類と長さで値段が違うので、使いたいテープの値段を先に見ておく
- 充電:USB ケーブル(A-C、0.5m)は付属。USB-AC アダプターは付属しない
- パソコン:スマホ接続専用。パソコンでラベルを作る機種ではない
- 幅:12mm まで。24mm 以上が要るなら別の機種
- スマホ:印刷のたびに、スマホとアプリが要る
ランニングコストの中心はテープです。本体が手ごろでも、ラベルを貼る場所が増えるほどテープを買い足します。ラミネート・強粘着・布・リボンなど種類が多く、値段もそれぞれ違うので、本体より先に、よく使いそうなテープの値段を見ておくのがおすすめです。
充電は、付属の USB ケーブルをパソコンの USB ポートか、スマホの充電に使っている USB-AC アダプターにつないで行います。ブラザーの仕様では、パソコンの USB ポートにつなぐ場合は DC5V・0.5A 以上 2.0A 以下が条件です。操作をやめて 20 分たつと、自動で電源が切れます。
メモ:パソコンにつなぐのは充電のためで、パソコンからラベルを作る機種ではありません。ブラザーのラベルライターの一覧で「PC接続可」と添えられているのは、家庭向けモデルでは PT-D610BT(テープ幅 3.5〜24mm)です。管理表から一気に作りたい方は、そちらの仕様を確かめてください。
印刷の速さは最高 20mm/秒、テープは手動のカッターで切ります。1 枚ずつ貼っていく家庭やお店の整理なら気になりませんが、1 日に何十枚も作る仕事には向きません。連続印刷は 1〜99 枚まで設定できます。
ちなみにブラザーは、ラベルライターのほかにカッティングマシンも作っています。シールやステッカーを好きな形に切り抜きたいなら、話は別の機械になります。
PT-P320BT が向く人・向かない人
ここまでの話を、使う場面ごとに表にします。判定は、公式の仕様から読める範囲での私の見立てです。
| 使う場面 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 家の収納・名前つけ | 向く | 電池不要・スマホで打てる |
| 小さなお店の棚や備品 | 向く | 12mm 幅で棚札に足りる |
| ケーブル・アダプターの整理 | 向く | 細い物に巻きやすい幅 |
| パソコンの表から作りたい | 向かない | スマホ接続専用 |
| 幅の広い表示や掲示 | 向かない | テープは 12mm まで |
| 毎日たくさん印刷する | 別の機種も検討 | 最高 20mm/秒・手動カット |
| スマホを使わない家族が主に使う | 向かない | 入力はスマホだけ |
一言でまとめるなら、「スマホを毎日使っていて、ラベルはたまに少しずつ作る人」の 1 台です。家族の中にスマホを持たない人がいて、その人がいちばんラベルを作りたい、という家なら、キーボード付きの機種のほうが幸せになれます。
キーボードを捨てた設計には、もう一つの面があります。本体が「印刷するだけの箱」になったぶん、使い勝手はスマホとアプリの側に移りました。アプリが更新されればできることが増え、スマホを買い替えればアプリを入れ直す。つまり、この機械の使いやすさは本体だけでなく、アプリが手元のスマホで動き続けるかにもかかっています。……と考え出すと、スマホにつなぐ家電は全部同じ話になるので、ここで止めます。数年使ううちにスマホは替わるもの、と覚えておけば足ります。

よくある質問
P-TOUCH CUBE PT-P320BT の発売日と価格は?
ブラザーの特設サイトでは 2026 年 10 月 28 日発売です。希望小売価格はオープン価格で、ITmedia Mobile の報道ではブラザーダイレクトクラブでの販売価格が 6,600 円です。お店によって値段は変わるので、買う前に確かめてください。
PT-P320BT は乾電池が要りますか?
要りません。リチウムイオン充電池を内蔵していて、付属の USB ケーブル(A-C)で充電します。USB-AC アダプターは付属しないので、スマホの充電に使っているアダプターか、パソコンの USB ポートにつないで充電します。
PT-P320BT はパソコンからラベルを作れますか?
作れません。スマホ接続専用の機種で、ラベルはスマホのアプリ「P-touch Design&Print 2」で作ります。パソコンから作りたい場合は、ブラザーのラベルライターの一覧で「PC接続可」と書かれた機種を選んでください。
まとめ
P-TOUCH CUBE PT-P320BT は、充電池を内蔵し、文字をスマホのアプリで打つ、テープ幅 12mm までのラベルライターです。ブラザーの特設サイトでは 2026 年 10 月 28 日発売、報道ではブラザーダイレクトクラブで 6,600 円。パソコンからは作れず、幅広いラベルも作れないので、そこが要る人は別の機種を選んでください。
電池切れと面倒な文字入力。「あとで貼る」問題の原因がこの 2 つなら、この機種はその 2 つをまとめて片づけてくれます。残るのは、貼る場所を決めることだけです。まずは家の AC アダプターと、バックアップの外付け HDD から始めてみてください。









