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85万円のノートPCは本当に必要?Razer Blade 18から考える高性能PCの現実

85万円のノートPCは本当に必要?Razer Blade 18から考える高性能PCの現実
85万円のノートPCを「持ち運べるデスクトップ」と呼んでいいのか? Razer Blade 18から考える | ピシコブログ
新製品・新技術
85万円のノートPCを「持ち運べるデスクトップ」と呼んでいいのか?
Razer Blade 18から考える
2026年5月16日 by 店長・本田

先日、こんなノートPCが発表されました。GeForce RTX 5090を積んで、価格は85万円〜111万円、重さは3.2kg。Razerというゲーミングブランドが出した「Razer Blade 18」という製品です。

ニュース記事の見出しには「ゲームとAI開発を両立」と書いてありました。ゲーミングノートがAI開発機を兼ねる、という話です。

「へえ、すごいなあ」で終わってもいいんですが、ちょっと待って。これ、本当に「ノートPC」として買う人がいるの?という素朴な疑問が頭をよぎったんです。今日はその話をしようと思います。

まずスペックをざっくり確認する

難しい話は抜きにして、このPCがどんなものかを簡単に整理します。

Razer Blade 18 スペック早見表
CPU Core Ultra 9 290HX Plus(インテル最上位クラス)
GPU RTX 5090 Laptop(最高グレード・VRAM 24GB)
メモリ 32GB〜最大128GB(DDR5)
画面 18インチ・4K+240Hz または WUXGA 440Hz
重量 3.2kg
価格 約85万6,000円〜(RTX 5090搭載・32GBモデル)

数字だけ見てもピンとこないと思うので、比較感覚として言うと、一般的な家庭向けノートPCの10〜15台分くらいの価格帯です。修理店をやっている自分ですら「実物を触る機会があるのか?」という感じの製品です。

「ゲームとAI開発を両立」って何のこと?

このPCの売り文句は「ゲーマーとAI開発者向けに設計された」というもの。ゲームはわかる。でも「AI開発」って何をするの?という疑問が湧きますよね。

簡単に言うと、最近のAI(特に生成AIや大規模言語モデル)は、動かすのにGPUの計算力とVRAM(GPU内部のメモリ)がたくさん必要です。ChatGPTとかClaudeはクラウド(AnthropicやOpenAIのサーバー)で動いているので手元のPCは関係ないんですが、「自分のPCで直接AIモデルを動かしたい」という開発者や研究者向けには、VRAMの容量がそのまま「何ができるか」の限界になります。

RTX 5090のVRAMは24GB。これは「個人の手元で、かなり本格的なAIモデルを動かせる」ラインです。ゲーミング用途とAI開発用途、どちらも同じGPUを使うので、「両方できる」という話になるわけです。

店長 店長より

「AI開発」という言葉は難しそうに聞こえますが、要は「自分のPCでAIを動かす」ということ。普通の人がChatGPTをブラウザで使う感じとは違って、エンジニアや研究者が自前の環境でモデルをカスタマイズしたり、試したりするイメージです。

本題:3.2kgのノートを買う人って、誰なの?

ここからが本当に言いたいことです。

3.2kgって、どのくらいの重さかというと、一般的なノートPCの2〜3倍くらいです。毎日カバンに入れて通勤・通学する人向けじゃないのは明らかですよね。18インチ画面ということもあり、「ノート」と呼ぶのが申し訳ないくらいの大きさです。

じゃあ、これを買う人はどんな使い方をするのか。おそらくほとんどの人は「デスクに置きっぱなしで使う」はずです。電源アダプターも相当大きいはずですし、バッテリー駆動でフルパワーを出し続けるのは現実的じゃない。

「持ち運べるデスクトップ」というのは正直な表現だと思う
ただしその「持ち運び」は、机から机へ、部屋から部屋へ、という程度の話。カフェで広げるとかは正直ちょっと難しいサイズ感です。
「じゃあデスクトップを買えばいいんじゃ?」という話

これが正直なところ、一番核心をついた問いだと思うんです。

同じRTX 5090を使ったデスクトップ構成なら、価格はかなり下がります。冷却もしやすいので性能を安定して引き出しやすいし、メモリやストレージの拡張も自由。修理やパーツ交換のしやすさも段違いです。

それでもRazer Blade 18を選ぶ理由があるとしたら、こういう人だと思います。

✓ こういう人には合うかも
  • 出張や移動先でもフルスペックが必要
  • デスクトップを置くスペースがない
  • 1台にすべてまとめたい
  • 外での発表・デモが多いエンジニア
✗ デスクトップの方がいい人
  • ほぼ自宅・オフィス固定で使う
  • コスパを重視する
  • 後から拡張・修理をしたい
  • 重さ・サイズが気になる

修理屋の視点で言うと、ノートPCはデスクトップより修理の難易度も費用も高くなりやすいです。これほどのハイスペック機となると、壊れたときのパーツ調達や修理対応は相当ハードルが高い。買うなら最初からそこも計算に入れておいた方がいいです。

結局、この製品が意味するのは何か

Razer Blade 18はほとんどの人には関係のないPCです。でも、この製品の発表には「時代の空気」が出ていると思っています。

ゲーミングノートという市場は、「より速く、より高画質に」を追い続けてきました。でもそれだけでは訴求しにくくなってきている。そこに「AI開発もできますよ」という新しい正当化の軸が生まれた。高い価格を納得させるための、新しいストーリーです。

そして面白いのは、ゲームのためのGPUと、AIのためのGPUが、同じハードウェアになってきたということ。数年前までは「AIを動かすにはNVIDIAの業務用GPU(何十万円もするやつ)が必要」だったのが、ゲーミング向けのGPUでもAI推論が現実的に動く時代になっています。

これは、普通の人たちの使うPCにも、少しずつ影響が出てくる話です。今すぐ関係なくても、数年後に「そういえばあのRazerの製品が先駆けだったな」となる可能性はあると思っています。

店長 店長より

自分みたいなパソコン修理屋の目線で言うと、「高性能なのは間違いないけど、壊れたらどうするの?」という部分が気になります。性能が上がれば上がるほど、修理コストや依頼先の選択肢が限られてくるのが現実です。

買う前に「使い続けるための環境があるか」も含めて考えてほしいな、というのが正直な感想です。

📎 参考記事
PC Watch「ゲームとAI開発を両立。GeForce RTX 5090搭載ノート『Razer Blade 18』」(2026年5月15日)
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2108965.html
Razer 公式(英語) Razer Blade 18 製品ページ
https://www.razer.com/gaming-laptops/razer-blade-18
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ピシコ
苫小牧でパソコン修理店「ピシコ」を16年経営。 毎日テックブログを更新しながら、 企業のAI導入・業務自動化を伴走支援しています。 自分の会社で実装した「自動化」: ✅ 予約システムの完全自動化 ✅ 見積書の自動生成 ✅ 請求書の自動発行 あなたの会社でも、同じ仕組みが作れます。 📞 初回30分無料オンライン相談実施中