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PCが落ちてBIOS画面に戻る原因|二又で切り分ける

PCが落ちてBIOS画面に戻る原因|二又で切り分ける

ゲームをしていたら画面が固まって、次に目に入ったのは英語だらけのBIOS画面。パソコンが落ちてBIOS画面に戻る、という相談は、店頭でも季節を問わず持ち込まれます。買ったばかりのPCで起きると、たいていの方は初期不良を疑ってドライバーを握ります。待ってください。握るのは、まだ早いです。

先に結論
この症状がBIOS画面に行き着く道は、二又しかありません。①Windowsの入ったドライブが見つからなくなった、②メモリのオーバークロック(XMP/EXPO)の失敗をマザーボードが検出した、のどちらかです。
どちらの道を通ったかは、BIOS画面に何が映っているかを見るだけで判別できます。分解より先に、その画面を読んでください。
「BIOS画面に戻る」のではなく、そこまでしか進めていない

最初に、言葉の話をさせてください。ここを直すと、そのあとの切り分けが全部ラクになります。

BIOS(正確にはUEFI)は、電源を入れた直後に必ず通る場所です。パーツの点呼を取って、Windowsの入ったドライブを探して、見つけたらそこにバトンを渡す。あなたが普段BIOS画面を見ないのは、この点呼が一瞬で終わってバトンが渡っているからです。つまりBIOS画面は最終目的地ではなく、全員が毎回通っている通過点。

そこに留まっているということは、渡す相手が見つからなかったか、点呼の途中で異常が見つかったか。戻ってきたのではなく、先に進めなかった。この言い換えができた時点で、疑うべき場所は「BIOSの設定」から「何が消えたのか」に移動します。

ピシコ店長 店長より
「BIOSが壊れたと思って設定を片っ端からいじりました」という状態で持ち込まれること、けっこうあります。たいていBIOSは無実で、しかも設定が総崩れになった分だけ話がややこしくなっています。
BIOSに行き着く道は「二又」しかない

この症状を調べると、メモリ・電源・SSD・オーバークロックと原因が横並びで出てきます。並べられても困ります。読者が知りたいのは「自分はどれなのか」であって、原因の一覧ではありません。

そこで整理し直します。原因は横並びではなく、二本の道に合流してからBIOS画面に到着しています。この二本を二又のBIOSと呼ぶことにします。

経路A:行き先が消えた
BIOSの起動優先順位のリストが空、またはSSDの名前が出たり消えたりする。エラーメッセージは「起動可能なデバイスが見つかりません」系。電源を切って入れ直すと何事もなく起動することが多く、それが厄介です。
経路B:失敗を検出された
「Overclocking failed」「Press F1 to run Setup」といった英文が出て、キーを押さないと先へ進まない。ドライブは正常に見えている。XMP/EXPOやCPUのオーバークロックが引き金です。
経路A ― 負荷をかけると「消えるSSD」

ゲームや動画書き出しのような重い処理をかけた瞬間にM.2 SSDがバスから脱落し、監視ソフトからもBIOSからも姿を消す。海外の自作フォーラムでも同じ訴えが繰り返し出てきますし、店頭でも「ゲーム中だけ落ちる」という条件付きの相談は珍しくありません。犯人候補は発熱、電源の供給、SSDコントローラの不具合、M.2スロットとSATAポートのレーン共有あたりです。

用語:ブートデバイス未検出とは
ブートデバイス未検出とは、UEFIが起動可能なOSの入ったドライブを一台も見つけられない状態のことである。この状態になったUEFIは処理を続けられないため、人間に行き先を指定させる目的でセットアップ画面を開く。多くの方が「BIOSに戻った」と表現する画面の正体は、たいていこれ。SSDそのものが壊れていなくても、接触や設定、電源やレーンの都合で「見えない」だけでも同じ画面になります。
経路B ― マザーボードが自主的に止めている

XMP/EXPOは、メモリに書き込まれた高速動作プロファイルをワンクリックで適用する機能です。便利ですが、中身は定格を超えた動作です。CPU側のメモリコントローラが当たり外れの範囲でついてこられないと、起動時の初期化に失敗します。すると多くのマザーボードは、黙って走り続けるのではなく手を挙げて止まる。それが経路Bです。

そしてここが大事なところで、メモリのオーバークロックは経路Aにも顔を出します。メモリまわりが不安定になるとPCIeのリンク確立が巻き添えを食い、健康なSSDがバスから落ちることがある。つまりXMPをオフにする一手は、二又の両方に同時に効きます

自分でどこまで切り分けられる?

順番が命です。上から順にやってください。1と2は工具も分解も不要で、ここまでで原因の見当がつくケースがかなりあります。

1
BIOS画面を写真に撮り、起動優先順位を見る
Bootタブの起動順序リストにSSDの型番が出ているか確認します。リストが空なら経路A。型番は出ていて別の英文エラーが表示されているなら経路B。次に同じ症状が出たときとの比較用に、スマホで撮っておいてください。
2
XMP/EXPOをオフにする
メモリのプロファイルを無効(Auto)に戻します。判断に迷うなら「Load Optimized Defaults」でBIOSを初期設定に戻すのが確実です。両方の経路に効くので、経路Aを疑っている場合でも先に外してください。
3
数日、普通に使って再発するか見る
いつも落ちていた場面(重いゲーム、起動直後など)を意図的に再現します。ここで再発しなければ経路Bで確定に近く、メモリ速度を一段落として運用するのが現実的な着地点です。
4
メモリを挿し直す(1枚ずつ試す)
電源ケーブルを抜き、電源ボタンを数秒長押しして放電してから作業します。金色の端子部分には触れないこと。1枚だけ挿して起動を確認し、枚数とスロットを変えながら症状の出方を比べます。
5
M.2 SSDを挿し直し、別スロットも試す
固定は小さなネジ1本です。ヒートシンクの下にある場合もあります。他にSATAのHDDやSSDを繋いでいるなら、一度外して切り分けてください。機種によってはM.2スロットと特定のSATAポートで信号の通り道を共有していて、片方を使うともう片方が無効になります。
やると取り返しがつかなくなる操作
経路Aの疑いがある間、chkdskの実行、フォーマット、Windowsの再インストールは避けてください。SSDが電気的・物理的に弱っている場合、通電と書き込みを繰り返すほどデータを取り出せる確率は下がります。起動できているうちに、まず外付けドライブへ大事なデータを退避させる。順番はこれが先です。
ピシコ店長 店長より
「入れ直したら直ったので、まあいいかと思って」。この一言のあとに数週間が空いていて、その間バックアップは取っていない。店頭で一番よく聞く流れです。
BIOS画面は犯人ではなく、目撃者である

経路Bのエラー画面は、思いつきの仕様ではありません。マザーボードメーカーが公式に案内している正規の挙動です。

一次情報
ASUSの公式サポートには、起動時にエラーが表示されF1キーを押さないとOSまで進めないケースの案内があります。そこに挙げられている代表例のひとつが、オーバークロックに失敗したのでOC設定を調整するかBIOSを初期値に戻すように、というメッセージです。同じページではF1の通知そのものを止める設定(Boot項目内)にも触れていますが、推奨しないと明記されています。

この「消せるが推奨しない」という書きぶりが、私はかなり好きです。マザーボードは異常を握りつぶして起動してしまうこともできる。できるのに、あえて手を止めて人間に知らせている。F1の通知を切るというのは、性能を上げる操作でも安定させる操作でもなく、唯一の目撃者に黙っていてもらう操作です。異常は残したまま、報告だけが消える。

ピシコ店長 店長より
……と、BIOSの画面を「読む」だの「目撃者」だの熱く語る店主、そこそこ気味が悪いですね。要するに、あの画面が出たら消す前に写真を撮ってください、という話です。
「一度で直った」が一番危ない

この症状の本当に嫌なところは、電源を入れ直すと何事もなかったように起動してしまうことです。直ってしまうから、人は忘れます。そして次に同じ画面が出たときには、SSDはもう一歩ぶん寿命に近づいている。経路Aは、直った回数がそのまま猶予の消費量です。

なお、古めのデスクトップで「電源を入れるたびに日付や起動順序がリセットされている」場合は、マザーボード上のボタン電池切れという安上がりな結末もあります。可能性としては地味ですが、確認と交換のコストが最も低い部類なので、頭の隅には置いておいてください。

Q
パソコンがBIOS画面に戻るのは、故障のサインですか?
A
必ずしも故障とは限りません。XMPやEXPOの失敗をマザーボードが検出しただけの経路Bであれば、設定を初期値に戻すだけで解決します。一方、起動順序のリストからドライブが消えている経路Aの場合は、SSDかマザーボード側の異常が疑われるため、先にデータのバックアップを取ってください。
Q
SSDが原因かどうかは、どうやって見分ければいいですか?
A
BIOSの起動優先順位のリストに、毎回同じようにSSDの型番が表示されるかを確認してください。表示されたりされなかったり、容量や名前の出方が回によって変わる場合は、SSD本体かM.2スロット側の接触・電気的な問題が疑われます。症状が出るたびに画面を撮っておくと、比較材料になります。
Q
分解が不安です。どこまでなら自分でやって大丈夫ですか?
A
BIOS画面の確認とXMP/EXPOをオフにするところまでは、データが壊れるリスクがほぼありません。メモリやSSDの抜き差しは静電気と力加減の問題があり、失敗すると新しい故障を作ってしまうことがあります。不安を感じた時点で手を止めて、そのままの状態でご相談いただくのが結果的に一番早いです。

二又のBIOS。行き先が消えたのか、失敗を検出されたのか。どちらの道を通ってきたかは、あの英語だらけの画面がちゃんと語っています。伝えたいことは書きました。次にあの画面が出たら、慌ててF1を押す前に一枚撮ってください。

ピシコ店長のプロフィール写真
この記事を書いた人
ピシコ店長
苫小牧市のパソコン・スマホ修理店「ピシコ」店長。PC・スマホ修理歴16年。店頭での実際の修理事例をもとに、地域の方に役立つ情報を発信しています。プロフィール詳細
二又のどちら側にいるか、迷ったままにしないでください。
判断がつかないとき、あるいはSSDが消えている側だったときは、通電を止めた状態でお持ちください。データが残っているうちのほうが、できることはずっと多いです。撮っておいたBIOS画面の写真があれば、それも一緒に見せてください。
まずはご相談から
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ピシコ
苫小牧でパソコン修理店「ピシコ」を16年経営。 毎日テックブログを更新しながら、 企業のAI導入・業務自動化を伴走支援しています。 自分の会社で実装した「自動化」: ✅ 予約システムの完全自動化 ✅ 見積書の自動生成 ✅ 請求書の自動発行 あなたの会社でも、同じ仕組みが作れます。 📞 初回30分無料オンライン相談実施中