
MacBookやiPadを少しでも安く購入したい。Apple製品が好きな方なら、一度は「学割(学生・教職員向け価格)」が気になったことがあるのではないでしょうか。私もふと考えました。「放送大学に入学すれば、大人でもAppleの学割が使えるのでは?」
放送大学といえば、社会人でも自宅で勉強できる通信制の大学です。年齢を重ねてから入学する方も珍しくありません。そこで気になったのが、大学卒業を目指すのではなく、興味のある授業を受けながらAppleの学割を利用するという方法です。
調べてみると、これが思っていた以上に面白い仕組みでした。ただし、誰でも入学料を払えばAppleの学割が使えるという単純な話ではありません。今回は、2026年10月29日時点のAppleと放送大学の公式情報をもとに、入学費用、対象となる学生区分、MacBookやiPadの割引額、実際に元が取れるのかまで、詳しく計算してみました。
先に結論:放送大学の学生でAppleの学割を使えるのは、Appleの販売条件に名前のある「全科履修生」だけです。全科履修生になるには、入学料24,000円と1単位の授業料6,000円で、最低30,000円かかります。
MacBook Airを1台買うだけなら学割の差額は18,000円で、元は取れません。MacBook AirとiPad Proのように複数の製品を買う予定があれば、差額が入学費用を上回ります。
メモ:本記事は2026年10月29日時点で公開されている公式情報に基づいています。学費、価格、対象資格、出願期間などは変更される場合がありますので、実際の申し込みや購入時には必ず最新情報をご確認ください。
放送大学でAppleの学割が使えるのは「全科履修生」だけ
まず、放送大学がどのような大学なのかを簡単に説明します。そのうえで、Appleの学割の対象になる学生区分を確かめます。
放送大学は社会人でも入学できる正規の大学
放送大学は、1983年に設置された正規の大学です。現在はインターネットを利用した授業も充実しており、自宅にいながら大学の授業を受けることができます。
大学卒業を目指すこともできますし、興味のある科目だけを選んで学ぶこともできます。例えば、情報技術、プログラミング、心理学、経済学、経営学など、社会人になってから学び直したい分野もあります。
入学に年齢の上限はありません。ただし、全科履修生になるには、高校卒業など大学入学資格に関する条件を満たす必要があります。学力試験はありませんが、必要な証明書類の提出は求められます。
用語:全科履修生とは、放送大学で大学卒業を目指して入学する学生区分のことです。入学料は24,000円で、1年次に入学した場合は最長10年間在学できます。
そして、ここが今回の話で重要なポイントです。放送大学は正規の大学なので、条件を満たせばAppleの学生・教職員向けストアを利用できるのです。ただし、放送大学の学生なら誰でも対象というわけではありません。
Appleの販売条件に書かれているのは「放送大学全科履修生」
放送大学には、主に3種類の学生区分があります。Appleの学割の対象になるのは、このうち全科履修生だけです。
| 学生区分 | 入学料 | 在籍期間 | Apple学割 |
|---|---|---|---|
| 科目履修生 | 7,000円 | 6か月 | 対象外 |
| 選科履修生 | 9,000円 | 1年間 | 対象外 |
| 全科履修生 | 24,000円 | 最長10年間 | 対象 |
Appleの公式販売条件には、対象となる教育機関として次のように明記されています。
大学(短期大学、大学院、放送大学全科履修生および修士全科生、文部科学省に認定された海外大学の日本キャンパスを含む)
出典:Apple 学生・教職員向け販売条件
つまり、Appleは放送大学の全科履修生を明確に学割対象として認めているのです。逆にいえば、半年間だけ通う科目履修生や、1年間の選科履修生では、Appleの学生・教職員向けストアの購入資格を満たしません。

最低30,000円で放送大学の全科履修生になれる
では、実際にいくら必要なのでしょうか。放送大学の授業料は、1単位あたり6,000円です。授業にはいくつか種類があります。
| 授業の種類 | 単位数 | 授業料 |
|---|---|---|
| 放送授業 | 2単位 | 12,000円 |
| オンライン授業 | 1単位 | 6,000円 |
| オンライン授業 | 2単位 | 12,000円 |
| 面接授業 | 1単位 | 6,000円 |
ここで注目したいのが、1単位6,000円のオンライン授業です。全科履修生として入学し、入学学期に1単位のオンライン授業を1科目だけ履修する場合、費用は次のようになります。
- 全科履修生の入学料:24,000円
- オンライン授業1科目:6,000円
- 合計:30,000円
一般的な2単位の放送授業を選ぶ場合は、合計36,000円になります。つまり、選択可能な1単位科目があれば、最低30,000円で全科履修生として学び始める計算です。
入学前に確認:1単位科目は開講時期や履修条件が異なるため、入学する学期に希望する科目を登録できるか確認が必要です。
また、入学したからといって124単位すべての学費を最初に支払う必要はありません。卒業に必要な単位は124単位ですが、授業料は各学期に登録する科目の分だけ支払う仕組みです。
入学料と授業料の一覧は、放送大学公式の学費案内にあります。
Appleの学割でいくら安くなる?入学費用の元は取れる?
ここからが本題です。実際にApple公式オンラインストアの通常価格と学生・教職員向け価格を比較し、入学費用30,000円を取り戻せるかを計算しました。
2026年10月時点のApple学割価格
MacとiPadの主なモデルを、通常価格と学割価格で並べました。
| Apple製品 | 通常価格 | 学割価格 | 差額 |
|---|---|---|---|
| MacBook Neo | 119,800円 | 104,800円 | 15,000円 |
| MacBook Air M5 | 224,800円 | 206,800円 | 18,000円 |
| MacBook Pro | 339,800円 | 322,800円 | 17,000円 |
| Mac mini M6 | 149,800円 | 132,800円 | 17,000円 |
| iPad Air M4 | 129,800円 | 120,800円 | 9,000円 |
| iPad Pro | 209,800円 | 191,800円 | 18,000円 |
| iPad mini | 99,800円 | 90,800円 | 9,000円 |
| iPad | 74,800円 | 70,800円 | 4,000円 |
価格は2026年10月29日のApple公式掲載価格に基づきます。購入時期や仕様によって価格は変わります。こうして比較すると、MacBook Airでは18,000円、iPad Proでも18,000円安くなることが分かります。
ちなみに、Appleの学割は店頭の学生証提示で自動的に割引される仕組みではありません。オンライン購入ではUNiDAYSなどを利用した学生資格の確認が必要になります。
また、家電量販店のセール価格と比べた場合、必ずしもAppleの学割が最安値になるとは限りません。家電量販店の値引き、ポイント還元、旧モデルの処分価格、中古品などを含めると、学割価格より安い商品が見つかることもあります。この部分も忘れずに比較したいところです。
価格は、Appleの通常のストアとAppleの学生・教職員向けストアで見比べられます。
入学費用30,000円で4つの組み合わせを試算
ここで少し現実的な計算をしてみましょう。放送大学の全科履修生になるために30,000円を使った場合、Appleの学割でいくら取り戻せるのか。いくつかのパターンで試算してみました。
| 購入する製品 | 学割の合計 | 入学費用との差 |
|---|---|---|
| 1:MacBook Air M5 | 18,000円 | マイナス12,000円 |
| 2:MacBook Air+iPad Air | 27,000円 | マイナス3,000円 |
| 3:MacBook Air+iPad Pro | 36,000円 | プラス6,000円 |
| 4:MacBook Air+Mac mini | 35,000円 | プラス5,000円 |
パターン1のように、MacBook Airを1台購入するだけでは元が取れません。学割だけが目的なら、最初から一般向け価格で購入した方が12,000円安い計算になります。
パターン2のMacBook AirとiPad Airは、かなり惜しいところまで来ました。ただし、あくまで両方の製品を購入する予定がある場合の話です。

パターン3のMacBook AirとiPad Proなら、入学費用を差し引いても6,000円お得になります。大学の授業を受けながら、Apple製品を通常価格より安く購入できるわけです。
パターン4のMacBook AirとMac miniは、普段からMacを複数台利用している方なら、十分に検討する価値があります。もちろん、購入できる台数には上限があり、購入時に学割対象者であることが条件です。
結局のところ、Apple製品を複数購入する予定がある人ほど、放送大学への入学費用を回収しやすいということになります。
Appleは時期によって、学生・教職員向けの購入特典キャンペーンを実施することがあります。通常の教育割引に加えて特典が付けば、入学費用の回収が容易になる可能性があります。ただし、キャンペーン内容や対象製品、開催時期は毎年同じとは限りません。入学前に翌年のキャンペーンが必ず実施されると考えて計算するのは避けましょう。
メモ:掲載している節約額は、Apple公式の通常販売価格との差額をもとにした試算です。学割の利用資格や各サービスの認証結果を保証するものではありません。
Apple Creator Studioの学割も見逃せない
今回調べていて、もうひとつ興味深かったのがApple Creator Studioです。Apple Creator Studioは、Final Cut Pro、Logic Pro、Pixelmator Proなどを利用できるクリエイティブアプリのサブスクリプションです。2026年10月時点の価格は次のとおりです。
| プラン | 通常価格 | 学生・教職員価格 |
|---|---|---|
| 月額 | 1,780円 | 480円 |
| 年額 | 17,800円 | 4,800円 |
年間契約なら、通常価格と学生価格の差は13,000円。仮にMacBook Airを学割で購入し、Apple Creator Studioの学生向け年間プランも利用できたとしましょう。
- MacBook Airの節約額:18,000円
- Creator Studioの年間節約額:13,000円
- 合計節約額:31,000円
- 入学費用:30,000円
- 差し引き:プラス1,000円
MacBook Airとソフトウェアだけでも、元が取れる可能性があるのです。
ここ、見落としがちです:Apple Creator Studioの学生向けプランは、大学の学生・教職員が対象で、在学証明の認証が必要です。認証は年に一度です。放送大学の全科履修生であっても、申し込み時の資格審査を通過できるかは事前に確認してください。
また、この計算はApple Creator Studioをもともと年間契約する予定だった場合のものです。使う予定のないソフトウェアを契約しても、節約にはなりません。
学生向けの条件は、Apple Creator Studio公式の学生向け案内で確かめられます。
放送大学は30,000円を一度払えば10年間ずっと学割が使える?
これは特に注意したいところです。放送大学の全科履修生は、1年次入学なら最長10年間在学できる制度があります。しかし、これは30,000円だけ支払えば10年間ずっと学生のままでいられるという意味ではありません。
在学を続けるには科目登録と学費の納入が要る
放送大学の公式FAQによると、休学期間を除き、科目登録と学費の納入を4学期続けて行わないと除籍になります。放送大学は1年間に2学期ありますから、約2年間、科目登録や学費納入をせずに過ごすと学籍を失う可能性があるということです。
つまり、在学を続けたいのであれば、履修科目の登録や授業料の支払いを計画的に行う必要があります。仮に1単位6,000円の科目を定期的に履修するのであれば、その分の費用も加算されます。
さらに、学籍があることとAppleの各サービスで学生認証に通ることは別の問題です。長期的な学割の利用を考える場合には、これらの維持費用や認証条件も含めて判断する必要があります。
Appleの学割には購入台数の上限もある
Appleの学生・教職員向けストアでは、購入できる製品数が制限されています。2026年10月時点の主な上限は次のとおりです。
| 製品 | 年間の上限 |
|---|---|
| MacBook | 1台まで |
| Mac mini | 1台まで |
| その他のデスクトップMac | 1台まで |
| iPad | 2台まで |
| ディスプレイ | 1台まで |
また、Appleの販売条件には、割引で購入した製品を購入後1年間、利益を上乗せして転売することが禁止されている旨が記載されています。

学生・教職員向け価格は、あくまで対象者が正規の資格をもとに利用する制度です。学生資格の確認を求められた場合は、正しい情報や証明書類を提出する必要があります。
なお、iPhoneはAppleの学生・教職員向けストアにおける基本的な教育割引の対象ではありません。MacやiPadとは扱いが違うため、ここも誤解しないようにしたいところです。
放送大学へ入学する手順と2027年4月入学の出願期間
ここまで読んで興味を持った方に向けて、入学手続きも確認しておきましょう。放送大学の入学時期は、原則として毎年4月と10月です。現在、2026年10月入学の募集は終了していますので、次の機会は2027年4月入学となります。
| 募集区分 | 出願期間 |
|---|---|
| 第1回募集 | 2026年11月26日~2027年2月28日 |
| 第2回募集 | 2027年3月1日~3月15日 |
全科履修生として入学する場合は、次のような流れになります。
- 放送大学の公式サイトで学生募集要項を開き、全科履修生の入学資格と必要書類を確認する
- 履修したい科目を選ぶ
- インターネットから出願する
- 高校卒業証明書などの必要書類を郵送する
- 所定の学費を納入する
- 入学後、学生証など必要な書類を準備してAppleの学生認証を行う
全科履修生はインターネット出願だけでは手続きが完了せず、証明書類の郵送が必要です。また、Appleでは入学許可を得て進学が決定した人も対象に含めていますが、実際に購入できるかは証明書類や認証結果によります。学費を支払う前に、Apple側の最新の資格確認方法も調べておくと安心です。
出願は放送大学のインターネット出願のページから、入学資格と証明書類は放送大学の入学資格のページで確かめられます。
参考資料・公式サイト
この記事で参照した公式ページです。
- 放送大学・学費案内
- 放送大学・入学資格と証明書類
- 放送大学・インターネット出願
- Apple通常ストア
- Apple学生・教職員向けストア
- Apple学生・教職員向け販売条件
- Apple Creator Studio学生向け案内
よくある質問
40代や50代でもAppleの学割は使える?
Appleの学生・教職員向けストアでは、対象者の年齢上限は設けられていません。放送大学の全科履修生として正式に在籍し、Appleの学生資格確認に通れば、年齢だけを理由に対象外になるわけではありません。
科目履修生(7,000円)や選科履修生(9,000円)では使えない?
使えません。Appleの公式の販売条件が放送大学の学生として明示しているのは全科履修生および修士全科生で、科目履修生や選科履修生はAppleの教育割引を利用するための学生区分には該当しません。
学割を使うために卒業する必要はある?
卒業する必要はありません。Appleが求めているのは対象となる学生資格で、放送大学の全科履修生として在籍中に、必ずしも卒業までの124単位を修得する必要はありません。ただし、全科履修生は大学卒業を目指す学生区分であることを理解したうえで入学する必要があります。
入学すればApple Musicも必ず学生料金になる?
必ずしもそうとは限りません。Apple MusicやApple Creator Studioなどのサブスクリプションには、製品購入時とは別の学生認証や利用条件があります。Macの学割が使えることと、すべての学生向けサブスクリプションが使えることは同じではありません。
結論:Appleの学割だけなら微妙。でも大学の授業も受けられると考えれば面白い
今回調べてみて、放送大学とAppleの学割は、想像以上に興味深い組み合わせだと感じました。ただ、数字だけで判断するなら答えは比較的明確です。
MacBookを1台だけ購入するために30,000円を払って入学するのであれば、経済的なメリットはありません。一方、MacBookとiPad Proなどを組み合わせれば、学割による値引きが入学費用を上回るケースもあります。Apple Creator Studioのような学生向けサービスを実際に利用する予定がある方なら、さらに節約できる可能性があります。
そして、もうひとつ考えたいのが、放送大学の授業そのものです。例えば、私のように日常的にパソコンやAI、ネットワークなどの技術に触れている仕事であれば、大学で情報科学や数学を改めて学んでみるのも悪くありません。普段は実務で覚えてきた知識を、大学の授業を通じて体系的に理解し直すことができるかもしれません。
学割をきっかけに大学へ入学する。最初は少し変わった発想に思えますが、その結果として新しい知識が身につくなら、それも一つの学び直しの形ではないでしょうか。
大切なのは、学割でいくら節約できるかだけではなく、払った学費以上の価値を得られるかどうかです。今回の調査で、放送大学という選択肢が思っていたよりも身近な存在だと分かりました。MacやiPadの買い替えを検討している社会人の方は、一度、放送大学の制度とAppleの学生向け価格を比較してみても面白いと思います。








