
ちいかわのハッピーセット、買いましたか?
僕はというと、正直、最初から諦めていました。というのも、あれを手に入れるには、結構な覚悟がいるんですよ。マクドナルドに朝から並んで、子ども連れの親御さんたちに紛れて、もしくは大きな紙袋を抱えた大人たちに交じって…。それだけで、すでにちょっと胃が痛くなる。
ところが、SNSを見ていると、案の定の展開。ちいかわのおもちゃが、メルカリで500円とか、場合によってはもっと高くで出品されているわけです。「転売ヤーめ!」と怒りの声が飛び交っているのも見かけます。
でもね。ちょっと待ってほしいんです。
時間とお金、どっちが大事?
僕の住んでいる場所は、いわゆる“郊外”というやつでして、マクドナルドに行くにも片道4キロ。車を出して、信号に引っかかって、ようやく到着しても、駐車場にはすでに車がずらり。ハッピーセットの列に並ぶ頃には、子どもの笑顔のために頑張る親御さんたちが戦ってるんですよ。
下手すると、30分以上待たされる。しかも、選べない。お目当てのキャラが出るかどうかは運次第。
その時間を、僕なら何に使うか。ちょっとした修理を1件終わらせることもできるし、ブログを1本書き上げることもできる。もしかしたら、積みプラ(積んだままのガンプラ)の箱をひとつ開けられるかもしれない。
転売ヤーから買うことの意味
そう考えると、500円で“確実に手に入る”という選択肢って、案外悪くないんです。もちろん、あからさまな買い占めや、利益目的の過剰な価格設定にはモヤモヤする。でも、彼らの“動いた時間と労力”も、立派なコストなのだと思います。
それって、僕が修理にかける時間や技術と、たぶん似たようなもの。
「自分でやらなきゃ損」という呪い
「転売ヤーから買うのは負けだ」なんて感情論に飲まれると、かえって損をすることってあります。実際、僕も昔は「自分で並ばなきゃ気が済まない」タイプでした。ところが、結局はヘトヘトになって、手に入れた物のありがたみよりも、疲労感だけが残ってしまったこと、何度もあります。
大切なのは、自分の時間をどう使いたいかってこと。
だから、僕はこう思う
「転売ヤーを無理に敵にしなくてもいい」
そういう考え方もあるんじゃないかと、僕は思います。もちろん、社会全体としては色々な意見があるのもわかるけど、自分の暮らし、自分の時間、その価値を一番知っているのは自分自身ですからね。
誰かが並んでくれた分、僕は別の時間を過ごせる。その選択肢が500円なら、案外悪くない。ちいかわのグッズを見ながら、そんなことをぼんやり考えていた午後でした。