
NASとは「Network Attached Storage(ネットワーク接続ストレージ)」の略で、ざっくり言うと「家や会社のネットワークに繋いだ、みんなで使える外付けハードディスク」のようなものです。
たとえば、家族みんなの写真をまとめて保存しておいてスマホやパソコンからいつでも見られるようにしたり、会社で大切なファイルをチームで共有したりするのに使います。DropboxやGoogleドライブと似た役割を、自分の家・会社の中だけでできるのがポイントです。
クラウド(Dropboxなど)=データを「よそのサーバー」に預ける
NAS =データを「自分のところの機器」に保存して共有する
中国の小型PC・NASメーカー「MINISFORUM(ミニスフォーラム)」が、「N5 MAX AI NAS」という製品を2026年4月23日に発売しました。
一番の特徴は、NASなのにめちゃくちゃ性能の高いプロセッサー(CPU)が入っていること。普通のNASって省エネ優先でパソコンよりだいぶ遅いチップが使われているんですよ。でもこの製品は…
| MINISFORUM N5 MAX 主なスペック | |
|---|---|
| プロセッサー | AMD Ryzen AI Max+ 395(16コア32スレッド、最大5.1GHz) |
| メモリ | 64GB LPDDR5X(高速統合メモリ) |
| GPU(グラフィック) | AMD Radeon 8060S(内蔵) |
| AI処理能力 | 最大 126 TOPS |
| ストレージ容量 | HDD×5 + NVMe SSD×5 で最大 200TB |
| ネットワーク | 10GbE ×2ポート(超高速 LAN) |
| 外部端子 | USB4 v2(最大80Gbps)など |
| プリインストール | AIアシスタント「OpenClaw」 |
| 価格 | $2,899(約44万円)※ストレージ別売 |
「TOPS(トップス)」とは、AI処理を1秒間に何兆回できるかを示す数字です。数字が大きいほどAI処理が速い。
ChatGPTなどのAIは今、ほとんどがインターネットを通じて「どこかのサーバー」で動いています。それをこの機器は、自分の手元の機器だけで動かせるようにするのが目的です。126 TOPSはそれを十分に実現できる数字とされています。
ニュースの見出しにもある「最大200TB」というのは、HDDスロット5本+SSDスロット5本を全部埋めた場合の理論上の最大値です。
実際に販売されているのは、128GBのシステム用SSDしか入っていない「ベアボーン」状態。200TB分のHDDを追加で揃えようとしたら、それだけで相当な費用になります。
家電量販店のチラシでもよく見かけますが、「最大」という数字はあくまでも上限です。本体を買っただけではその容量にはなりません。別途ストレージを追加購入する必要があります。
ここが一番大事な話です。正直に言います。
ローカルでAIを動かしてみたい技術者
大量のデータを社内で高速共有したい事務所
NASとAIサーバーを1台にまとめたい人
DropboxやGoogleドライブで十分な方
価格に見合う使い道が思い浮かばない方
機器の設定・管理が苦手な方
44万円(本体のみ)という価格は、家庭用としてはまず現実的ではありません。一般家庭でのバックアップなら、数万円のNASや外付けHDDで十分です。
正直、この製品を今すぐ買う方は苫小牧にはほとんどいないと思います(笑)。でもこのニュースが示していることは、パソコン修理店的にとても重要だと感じています。
それは、「AIを自分のところで動かす時代が、確実に近づいている」ということです。
数年前まで「AIはGoogleやAppleなど大企業しか使えないもの」でした。それが今は、こういった小型の機器で個人や中小企業でも動かせるようになってきています。
ちょっと前の「クラウド全盛時代」からの揺り戻しというか、「やっぱり自分のところでデータを管理したい」という需要が、こういう製品を生み出しているんだなと感じています。
今すぐ関係なくても、「こういう方向に技術が進んでいるんだ」と知っておくことは、将来のパソコン選びや環境整備のヒントになるはずです。















