
起動しなくなった?
BitLocker回復画面の正体と対処法
「Windowsのアップデートをかけたら、次の朝パソコンが起動しなくなった」——こういう相談、実はちょこちょこ届いています。
画面に英語がずらずら並んで、48桁の数字を入力しろと言ってくる。何も操作していないのに、急にこんな画面が出てきたら焦りますよね。「ウイルスに感染した?」「壊れた?」と思うのも無理はありません。
これ、BitLocker(ビットロッカー)の回復画面です。Windowsの更新が引き金になって出てきた、いわばアップデートのバグによる誤作動です。2026年5月のWindowsアップデートで公式に修正が入り、今は落ち着いています。ただ、「自分のパソコンにも起きるのか」「回復キーって何?」という疑問はちゃんと残るので、この機会に整理しておきましょう。
店長より
修理店に持ち込まれるトラブルの中で、「アップデートしたら起動しなくなった」は定番のひとつです。原因がBitLockerだとわかれば対処できます。キーさえ確認できれば、データを消さずに解決できるケースがほとんどです。
BitLockerは、Windowsに標準搭載されているストレージの暗号化機能です。パソコンを盗まれたり、HDDやSSDを抜き取られたりしたとき、中身のデータを読めなくする仕組みです。
セキュリティ上はちゃんとした機能なんですが、問題はWindows 11の24H2(2024年秋のアップデート)以降、新規インストール時に自動でオンになるようになったことです。
本人が「BitLockerを使う」と意識して設定した覚えがなくても、すでに有効になっているパソコンがたくさんあります。しかもそれが見えにくい。設定画面を開かないと確認できないので、「自分のパソコンが暗号化されている」と知らないまま使っている人がほとんどです。
⚠️ 確認してみてください:「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「BitLockerドライブ暗号化」を開くと、自分のパソコンがBitLockerを使っているかどうかわかります。「オン」になっていたら、後述する回復キーの保管場所を今すぐ確認しておくことをおすすめします。
BitLockerには「ハードウェアの構成が変わったら警戒する」という仕組みが入っています。RAM交換やCPU換装をしたときに回復画面が出るのはそのためで、本来は正しい動作です。
今回のバグは、Windowsの月次アップデート(Patch Tuesday)がこの警戒モードを誤って発動させてしまったというものです。アップデートが内部的にTPM(セキュリティチップ)やブートの設定を変化させ、BitLockerが「構成が変わった=怪しい」と誤判断したわけです。
2025年5月・10月、2026年1月・4月と繰り返し似たような報告が上がっていて、Microsoftもそのたびに対応を重ねてきました。2026年5月のアップデート(KB5089549)でようやく根本原因が修正されたと公式が確認しています。
BitLocker回復画面が出ること自体は、キーさえあれば解決できます。問題は、「回復キーを知らない人が多い」という現実です。
回復キーはMicrosoftアカウントに自動で保存される設計になっています。つまりMicrosoftアカウントでWindowsにサインインしていれば、別のデバイスからアカウントのページにアクセスしてキーを確認できます。
ただし、こういうケースで詰みやすくなります。
この状況になると、自力での回復がかなり難しくなります。専門店に持ち込んでもらえれば対応できますが、最悪の場合は初期化になることもあります。今のうちに確認しておくのが一番の対策です。
「今は起動できている」という方も、念のため次の2つだけ確認しておいてください。いざというときの保険です。
店長より
回復キーは、パソコンが正常に動いているうちにしか確認できません。「壊れてから調べる」では間に合わないことが多いので、今のうちにメモしておくのが本当におすすめです。スクリーンショットを撮っておくだけでも全然違います。
「この記事を読んでいる状況が、まさに今それだ」という方に向けて、順を追って確認してみてください。
💡 キーが見つからない場合や、ローカルアカウントで使っている場合:自力での回復が難しいことがあります。データをなるべく残したいなら、むやみに操作を続けず、専門店に持ち込んでもらうのが安心です。
「アップデートしたら起動しなくなった」というトラブルは、セキュリティ機能が誤作動した結果であることがほとんどです。Microsoftも問題を認めて修正しています。
ただ、修正が入っても「回復キーを知らないとリスクがある」という構造は変わっていません。BitLockerが自動でオンになっている以上、キーの保管場所だけは今のうちに把握しておいてください。














