
Google AI プランの特典に、今度は Google Colab が加わりました。Googleドライブやフォトの容量のために毎月払っている「Google One」は、いつの間にか「Google AI プラン」という名前になり、Gemini、YouTube、Google Home と、おまけがどんどん増えています。
増えるのはありがたい。ありがたいのですが、私はこれを「おまけ渋滞」と呼んでいます。特典が並びすぎて、自分が何を持っているのか誰も把握していない状態です。おまけが増えるほど、同じものに二重に払う人も増える。この記事では、Colab の追加で何が変わったのかと、今の契約で損をしていないかの確かめ方をまとめます。
先に結論:Colab の特典はプログラムを書く人向けで、写真の保存や Gemini との会話にしか使っていない人には、ほぼ関係ありません。見直す価値が大きいのは、Google AI Pro に付く YouTube Premium Lite と、別に払っている YouTube Premium の重なりです。
YouTube Premium を単体で契約していると、Google AI Pro の YouTube 特典は有効にならず、単体の契約も自動では止まりません。プランを下げる前には、使っている容量を先に確かめてください。
Google AI プランの特典に Colab が追加。何が変わったのか
発表は 2026 年 9 月 22 日(現地時間)。Google の開発者向けブログで、Google AI プランの加入者が Colab の有料機能を使えるようになると告知されました。一気に全員ではなく、数週間かけて順番に届く形です。
Google AI プランの加入者は、Colab でより速いアクセラレーター(計算用のプロセッサー)と高性能なマシンを優先して使えるようになる。特典は今後数週間かけて、Colab を提供している国の加入者へ順次届く。すでに Colab の有料プランを契約している人は契約内容が変わらず、Google AI プランの特典と重ねて使える。
出典:Google Developers Blog「Colab is now part of your Google AI plan」
プランごとの中身は、窓の杜が日本の料金とあわせて整理しています。毎月もらえる「コンピューティング単位」の数が、プランによって大きく違います。
| プラン | 毎月の単位 | 主な中身 |
|---|---|---|
| Google AI Plus | 50 | 高性能なアクセラレーター、より長い実行時間 |
| Google AI Pro | 200 | 高性能なアクセラレーター、より長い実行時間 |
| Google AI Ultra | 1,000 | プレミアムアクセラレーター、バックグラウンド実行、最長の実行時間 |
用語:Google Colab とは、ブラウザーの中でプログラム(主に Python)を書いて、Google のサーバーで動かせるサービスです。自分のパソコンに何も入れずに、AI の学習やデータ分析を試せます。無料でも使えますが、GPU などの高価な計算資源は大きく制限されます。
つまり今回の特典は、Colab でプログラムを動かす人にとっての「計算のおこづかい」です。無料の体験期間中は対象外で、有料の契約に切り替わってから有効になります。窓の杜によると、Colab の有料プランを別に払っている人への払い戻しはなく、単位が上乗せされる扱いです。

Google AI プランの特典一覧。Plus と Pro は何が違う?
Colab 以外も含めて、日本の Google One の公式プラン表に載っている中身を並べます。9 月 25 日に公式ページで確かめた内容です。
| 項目 | Basic | AI Plus | AI Pro |
|---|---|---|---|
| 月額 | 290 円 | 1,450 円 | 2,900 円 |
| 保存容量 | 100 GB | 2 TB | 5 TB |
| Gemini アプリ | なし | 使用量上限が 2 倍 | アクセス 4 倍、Pro モデル、Deep Research |
| Gmail などの Gemini | なし | Gmail | Gmail、ドキュメント、Vids など |
| YouTube | なし | なし | Premium Lite(個人) |
| Google Home | なし | なし | Premium(Standard) |
| 容量の共有 | 最大 5 人 | 最大 5 人 | 最大 5 人 |
表にすると、分かれ目ははっきりしています。容量と Gemini を少し多めに使いたいだけなら Plus、YouTube の広告を消したい人や Gemini の上位モデルを毎日使う人なら Pro。Pro の 2,900 円は、容量だけで見ると高いですが、YouTube と Google Home の特典を実際に使っている家なら話が変わります。
ここ、見落としがちです:「Google AI Plus」という名前のプランは 2 つあります。2026 年 6 月に発表された月額 725 円・400 GB の Plusと、旧 Google One プレミアムから名前が変わった月額 1,450 円・2 TB の Plus です。同じ名前でも容量と料金が違うので、自分がどちらに入っているかを Google One の画面で確かめてください。
ちなみに窓の杜は、Colab の 50 単位が付く Plus を月額 725 円のプランとして紹介しています。1,450 円・2 TB の Plus も同じ扱いになるのかは、Google の発表には書かれていません。ここは実際に特典が届いてから、Colab の画面で確かめるのが確実です。
ここで少しだけ深掘りすると、Google がやっているのは「容量を売る」から「AI の使用量を売る」への切り替えです。容量は一度買えば足りる人が多い。AI は使うほど欲しくなる。だから容量プランに AI を載せ、さらに YouTube や Colab を載せて「解約しにくい束」を作っている。……と、ここまで書いてブレーキをかけます。読者の方に必要なのは経営分析ではなく、自分の束の中身を知ることでした。
YouTube Premium を別に払っていたら二重払いになる?
今回の見直しで、いちばんお金に直結するのがここです。Google AI Pro には YouTube Premium Lite(個人)が付きますが、YouTube Premium をすでに単体で払っている人は、自動では何も整理されません。
YouTube Premium または Premium Lite を単体で契約している場合、Google AI Pro に含まれる Premium Lite の特典は有効にならない。単体の契約は自動では解約されず、解約すると Google AI Pro の特典が自動で有効になる。特典はファミリーグループの管理者だけが使え、共有はできない。トライアル中は対象外。
出典:Google One ヘルプ「Google AI Pro の YouTube Premium Lite 特典」
ただし、単体の YouTube Premium を解約すれば済む、とも限りません。Premium Lite は Premium の「軽い版」で、できないことがあります。YouTube のヘルプに書かれている範囲で並べるとこうなります。
- 音楽の動画とショート動画では、広告が出ることがある(検索中や一覧を見ているときも同じ)
- 音楽の動画とショート動画は、バックグラウンド再生とオフライン再生ができない
- YouTube Music Premium は含まれない
- ファミリーで共有できない(Google AI Pro の特典は管理者だけ)
逆に言えば、音楽は聴かない、ショートも見ない、自分ひとりで普通の動画を広告なしで見たいだけ、という人には Lite で足ります。その人が単体の Premium と Google AI Pro を両方払っていたら、それは典型的な「おまけ渋滞」の事故です。
帰ったら、これだけ確かめてください。
- Google One の画面で、自分のプランが Plus(どちら)か Pro かを見る
- YouTube の「購入とメンバーシップ」で、単体の Premium や Premium Lite に入っていないか見る
- iPhone で YouTube を契約した場合は、App Store のサブスクリプションにも残っていないか見る
- 家族が YouTube Premium のファミリープランを使っていないか聞く(Lite は共有できない)

プランを下げる・解約する前に確かめること
「特典を使っていないから下げよう」と決めた方へ。下げる前に、必ず今使っている容量を見てください。Google のストレージは、Googleドライブ、Gmail、Google フォトの合計で数えます。スマホの写真を自動でバックアップしていると、本人の想像よりずっと大きくなっていることがあります。
注意:容量を超えると、写真のバックアップが止まり、Gmail のメールの送受信にも影響が出ることがあります。超えた状態が 2 年以上続くと、Gmail・フォト・ドライブの中身が削除の対象になるおそれがあります(削除の 3 か月以上前に通知されます)。プランを下げたあとに容量が足りないと、この状態に入ります。
順番はこうです。先に容量を見て、次に逃がし先を決めて、最後にプランを変えます。
- Google One のアプリか one.google.com を開き、保存容量の合計と、フォト・ドライブ・Gmail の内訳を見る。
- 下げたいプランの容量(Basic なら 100 GB)に収まるかを比べる。収まらないなら、何をどこへ移すかを決める。
- 移す写真や動画は、パソコンや外付けのドライブにダウンロードして、開けることを確かめてから Google 側で消す。
- 容量が収まったことを確かめてから、プランを変更する。
手順 3 の「開けることを確かめてから消す」は、飛ばさないでください。ダウンロードの途中で止まっていた、ファイルが壊れていた、というのは、消したあとに気づいてもどうにもなりません。

よくある質問
Colab の特典は、パソコンに詳しくない人にも関係がありますか?
写真の保存や Gemini との会話だけに使っている人には、ほぼ関係ありません。Google Colab はブラウザーでプログラムを書いて AI やデータ分析を試すためのサービスです。プログラミングを学んでいる学生さんがいる家庭では、役に立つ場合があります。
YouTube Premium を契約したまま Google AI Pro にすると二重払いになりますか?
単体の YouTube Premium を残したままだと、両方の料金がかかります。単体の契約がある間は Google AI Pro に付く Premium Lite の特典は有効にならず、単体の契約も自動では解約されません。音楽やショート動画、家族との共有が要らなければ、単体を解約して Lite の特典に寄せると重なりが無くなります。
プランを下げたら、Google フォトの写真は消えますか?
すぐには消えませんが、容量を超えると新しい写真のバックアップが止まります。超えた状態が 2 年以上続くと、削除の対象になるおそれがあります。プランを下げる前に使っている容量を確かめ、収まらない分はパソコンや外付けのドライブに移してください。
まとめ
Google AI プランに Colab の特典が加わり、窓の杜の整理では Plus で毎月 50、Pro で 200、Ultra で 1,000 のコンピューティング単位が付きます。ただしこれはプログラムを書く人向けのおまけで、多くの家庭では使わないまま終わります。
見直す価値があるのは、YouTube Premium との重なりと、2 種類ある Plus のどちらに入っているかと、下げる前の容量です。おまけ渋滞は、並んでいる中身を一度見るだけで解消します。容量の整理やバックアップの移し替えに手が回らないときは、ご来店か出張でご相談ください。










